丸テール デフ仮組でのバックラッシュ値と歯当たり確認2023年12月16日 14時03分35秒

BMW2002のデフ、
仮組がおわりましたので
バックラッシュや 歯当たりの具合を確認します。


まずはバックラッシュ計測から。
マイクロメーターを取り出し、磁石でセット。

裏から見たところ

ここら辺に マイクロメーターの先端部を当てるようにアームを調整。
あてるとメーターの針がぴょこぴょこ動きます。
歯に対し 直角にあてること


現在示している針の位置に いちおう目安のためにゼロ点を合わせます。
リングギア、もしくはサイドフランジ(取り付けたなら)を 手でかすかに動かしてみます。(このときフロント側のフランジが動くほど動かしてはいけません)
カチ、カチ、とかすかな音。リングギアとピニオンギアの間の「遊び(すきま?)」を指先に感じつつ、その時に微妙に触れる針の値を読みます。

最初この針の位置だったのが

下方向にここまで振れました。バックラッシュは0.12mmです。

これをリングギアの何点かで 調べます。

BMW2002ファクトリーマニュアルでは Play Rotary Flank Play  crown wheel/pinion(リングギアとピニオンギア間の 回転後方のあそび)
規定値は0.06~0.13mmで .ギリ範囲内!
でもこれ なんで0.08~0.13 と 0.06~0.11 という2つの範囲が書いてあるのか?
区切り線がないんだけど? モデルによって 違うんかな?
まぁ、2つ合わせて 0.06~0.13mmの範囲 と解釈した。
バックラッシュは 広め寄りではあるが 範囲内にあるので これで良しとする。


続いて
ピニオンギアとリングギアの歯当たりの具合を確認。
JG54さんから送ってもらった チューブに入った黄色い塗料をそのまま塗ります


うすーく塗るのがコツだとか。
塗料がたら~りと 垂れてくるようではいけません 歯当たり模様が消えちゃうよ
リングギアの3~4か所に ギア歯4~5枚の範囲で塗ったら
インプットフランジを手で回し ギアを1~2周させます


するとごらんのとおり ギアの刃が当たる部分の塗料が取れて
黒っぽく見えます。
おお!やや内側寄りではあるが ちょうどほぼ真ん中に来てるではないか!
歯あたりの位置的にはほぼ理想的です。
一発で きた!!


ちなみに このあたりどころが悪いと いろいろトラブルのもとになるので
中心からずれてるときは 調整が必要になる。
そのあたりどころの調整は、デフのサイドキャップとともにはめてある「シム」という金属製のガスケットみたいなものの厚みを替えて行うことになる。
シムの厚みをかえるということは、つまり、
結果的にリングギアの位置を 進行方向に対し左右に微妙にずらすということになるので
組み込むシムの厚みでピニオンギアと接触する距離を調整できるというわけだ。
(=歯当たり位置を替えることができる)


もともと、サイド側のシムは左に3枚、右に2枚入っていた。
試しに、左サイドの薄いシム1枚(0.1mm)を右サイドに移植してみた。
(左から1枚抜いて、それを、右に足すということ)
これで、左は2枚、右は3枚(厚みは合計0.5mmから合計0..6mm)になった。
つまりリングギアを0.1mm分だけ、ピニオンギア側へ近づけたことになる。


これでまた歯当たりを見る。
すると、今度は歯当たりが内側によってしまった。
リングギアがピニオンギアに0.1mm分だけ近づいたため、歯当たりが内側に少し寄ったのだ。
なるほどね~。理屈だな。
しかも バックラッシュがほとんど0に近く、遊びがなくなってしまった。
リングギアを寄せたのだから 当然の結果である。
これではいけない。
このバックラッシュの具合は 運転していても センシティヴな人はけっこう感じるらしい。
例えば走行中のアクセルオン/オフの時に 異音を感じるとか。
ギアのかみ合いの状態というものは、ドライバビリティに影響するのである。


とういうことで、右に移植したシムは元の左に戻した。
サイドキャップの脱着だけで 調整できるので 楽である。


すると今度は、歯当たりが適正な位置に戻った^^
うん、やっぱりこれでいいんだ。
バックラッシュもちゃんと0.10 ~0.11mmぐらいに出ました


ここで インプットフランジを逆回し(進行方向に対し 時計回り)にしてみて(つまりバックする動き)
リングギアの裏側(コースト側)をみてみる。バックするときの歯当たりのほう。
デフを上から下に見下げたときに見える面のあたりを見ると。
うん、いい感じ。
むしろこっちの方が 綺麗な広範囲の 理想的な歯当たり模様になっている。
前進側(ドライブ側)は なんか、歯当たり面積が細いような気がする。
バック側は前進側に比べて圧倒的に使用頻度が少ないため
ギア表面が摩耗していないのだろうか。


ピニオンギアの前進側のギア表面、すこし おつかれなんかな??
見た目では わからないな~~
これだけで新品交換できない。
ピニオンギアとリングギアはセットとして生産されてかみ合いの微調整がなされている。
それぞれに同じ番号が刻印されているほどだ。 

だから、ギア摩耗から守るためにも、デフイルはちゃんといいものを交換すること。
また、冷間始動時は いきなりアクセルを開けるなどして強い負荷をかけないこと。
走り出しはゆっくり~としばらく走って、エンジンやギア類が温まってから
アクセルあけていくようにしたい。
ドライバーは そういう心遣いでお願いします。


このときの 総合プリロード値2.0Nm。
ファクトリーマニュアルに従えば、3.0Nm付近だから、もう少し30mmナットを強く締めてもいいかなというところ。
本組の時は マニュアルどおりとするならば もう少し強くしめてもいいかも


これで仮組はOK。
一発で歯当たりも決まって 追加のシム自作もなく ヨカッタ^^
まぁ、サイドのベアリングも換えずに ピニオンシャフトのベアリングを買えただけ、ですから
当然といえば当然なのかも しれないが・・・
ともあれ、デフの調整地獄に陥らなくて 助かったわ。^^;
納車まであと8日ほどですから。


次回はいよいよ BMW2002のデフを本組みいたします。