BMW2002tii スタッド穴をリコイルで修正2025年04月02日 13時52分46秒

ねじ山の無くなっていたスタッド穴 1か所・・・
1番 排気側の下。つるつる。
なんでこうなったかね?


安モンはいっぱいで回ってますが 本家の本物を購入。6200円ほど。
安物買いの銭失いはしない。届きましたので作業にかかります。

まずは大事な下穴開けから。
付属のドリルで「まっすぐに」開けます。
まっすぐに開けるため、ドリルがなるべく垂直に立つよう、タカナットで治具を作りました。まっすぐに立つ、ガイドです。

21ミリ掘って奥に達した。 このあとエアブローで切り粉そうじ。

続いて 付属のタップで慎重にねじ切り。
これも食い込み始めはガイドを使う。

サクサクと よく切れる~^^ いいタップや。まぁ相手が柔らかいアルミだからな。
これでリコイルを挿入するためのねじ山が切れました。
しっかりパーツクリーナーで切り粉を清掃。

これが挿入する リコイル M8サイズ。
タングと呼ばれる引っ掛け棒を 奥側にします。
矢印の部分にキリカキがあって、あとでタングがぽきんと折り取れるようになっている。


挿入専用工具にリコイルをセット。


慎重にねじ込みます。以外にも、軽くスイスイ入ってきますね。スプリング状になっているからだな。
ただし、ねじ戻そうと思っても、硬くて とてもとても戻りませんでした(スプリングが開くためか)。
挿入するだけの一方通行ですね。

ねじ込み完了。表面からねじ山1~2山分入ったところで止める。こんなもんでしょう。



奥にタングと呼ばれる引っ掛け棒が見える。


最期に 
先端にマグネットのついた「タング折り取り棒」を挿入しタングに当て・・・


コン!とほんの軽く 金づちでたたくと・・・

タングが折り取れました。マグネットにくっついてきます。
なるほど、良くできてるね。


リコイル修正の完了したエキマニのスタッド穴。パチパチ^^

ちゃんと スタッドも気持ちよくたちました。^^
もう、ガッチリです。すばらしい。
これでエキマニもしっかり 取付できるでしょう^^

BMW2002tii シリンダヘッドにバルブ組み入れ2025年04月01日 23時51分29秒

BMW2002tii
シリンダーヘッドにバルブを8本組み込みます。


バルブスプリングコンプレッサの治具づくり

燃焼室側からバルブを挿入

バルブスプリングコンプレッサーでスプリングを縮めます


コッターをピンセットで2個入れて

セット完了

排気側バルブ4本入りました

吸気側もバルブを入れて完了です





BMW2002tii バルブステムシール打ち込み2025年03月31日 14時36分02秒

BMW2002tiiのシリンダーヘッドを組み上げます。
まずは新しいバルブステムシールを打ち込む。

その前に!
スプリングの座布団ともいうべき スプリングシートを先に置くこと!

そしてオイルをまぶしたバルブステムシールを
バルブガイドの頭にかぶせ はめ込むのですが その前に。

サイズの計測。
スプリングシートからバルブステムシールのトップまで
高さが18.4ミリぐらいになれば ぴったりはまり込んだことになる。

打ち込みツールには 12ミリソケットがぴったり。
シールの内側ラバーには薄くオイルを塗ります。


エクステンションをかまし、8割がたは 手の力で押し込める。
しっくりと手に抵抗を感じつつ。(すんなり入ってしまうようでは いけません)

最期はコンコンと 小さな金づちで優しく叩き込む。
奥まで達すると 叩く音が微妙に変化するものです。


ガンガン叩きすぎて シールのゴムをツブシ切らないように!


ここの高さで確認。18.4~18.0ミリになればOK。
この「打ち込み完了」という判断のために あらかじめサイズを測っておいた。

ご覧のように、バルブステムシールをはめたら
スプリングシートは、後入れはできませんので 注意です。

昔、先にバルブステムシールを入れてしまったことがあり
後で気づいて、1個バルブステムシールを無駄にしたことがあります。
そんな時に限って、シール個数がピッタリの8個しかないんだな。
急遽、1個追加注文という 情けない顛末。


無事8個はめ込んで
バルブとスプリングを入れる準備はできました。

BMW2002tii エキマニスタッド穴が・・・2025年03月30日 10時09分01秒

レストア中のBMW2002tiiに取り付けるエキマニの
「バリ」がひどいので、ディスクグラインダで削りました。





エキマニを取り付けるM8×1.25ピッチのスタッドボルトの確認。
SUZUKI製のはヘッドへのねじ込み深さがちと浅い。
HONDA製がいい感じ。これなら代用できる。
BMWは前から思っているが、ちとヘッドの外に出ている部分が若干長すぎる感じがする。

これならワロスで買うよりは安いし早い!BMW2002に流用可能ですね。

ワロスのM8スタッドは1本280円に、ドイツからの空輸で何千円もの送料がかかるよ。
8本買っても 安くても1本の単価は500円はくだらないとみている。

スタッド挿入の準備として
シリンダーヘッド側のスタッド穴をM8先タップでごみをさらいます。中、仕上げタップは必要なし。
これぐらいのごみが引っ掛かりますからね。
相手が柔らかいアルミだから、慎重に。


と、ここで やばいことが判明!
最後の4番排気ポートの下側スタッド穴にタップを入れようとしたところ・・・

ん・・・・?? おお、なんてこった!
ねじ山が・・・・無~いではないか!!

もうこのマルニ・・・・何があっても驚きません・・・。


先タップを入れても この程度のねじ山しか切れない。こりゃ あかん。
まぁ、8本のうちの1本がネジ付けて無くても取りつくんだから いいじゃん・・・・
という悪魔のささやき。
何を言うか~ここから絶対に排気漏れするって!という天使のささやき。

やっぱり・・・ 修正するしかないよね。


解決方法は
①M8からM10にねじ穴を拡大。同時にエキマニの穴もドリルでM10に拡大の必要あり。M10スタッド1本500円+M10緩み止めナット。
②「リコイル」をインサートしてM8ねじ山の再生をする。リコイルキットが7500円。

う~ん
M10に拡大でもいいけどちょっとね・・・大事なシリンダーヘッド、
やっぱ、高くても、M8を維持で きちんと丁寧にリコイルやろうな・・・。
米国リコイル社の製品で、バカになったねじ山の再生用ツール。
画像に見えてるスプリングみたいなリコイルという新しいねじ山を挿入すれば、以前よりも強度が増すという。
例えば プラグのねじ穴を馬鹿にしちゃった~とかいうときに、これを使います。

BMW2002tii ヘッド洗浄とバルブ摺り合わせ2025年02月02日 19時25分53秒

外した排気側(EX)バルブのカーボン・・・

ボール盤にくわえて 回転させながら汚れを落とします

排気バルブ ここまでが限界。

燃焼室側もこんな感じまでに。
ほんとは・・・排気バルブは新品に交換したらいいね。

でも再利用。
吸気バルブは排気バルブほど汚れていないもんですよ。

ヘッドの洗浄。
灯油にシンナーを混ぜた洗浄用油で。

カーボン落とし

ポートは真っ黒だったが なんとかここまで洗浄。
たいへん 時間がかかります。しかも疲れますし、ときどき油が顔にかかります

ヘッド面を オイルストーンがけ
かなりきれいになりましたが
最終的な洗浄は またのちほど。


ではバルブ摺り合わせいたします。
バルブコンパウンドとタコ棒(バルブ・ラッパー)を用意。

実施前は バルブあたり面がこんな感じで荒れてます


タコ棒の吸盤にくっつけたあと
GC中目を貼る部のふちに盛ります

バルブガイドに油をさし、バルブをそっと挿入。
タコ棒を両手で キリのように揉みます。
最初 ジャリジャリ・・ と、コンパウンドがすれる音。

時々 ふちにはみ出たコンパウンドを当たり面に寄せて
また摺り合わせ。
ジャリジャリ・・から シュリシュリ・・に変わり、シユッシュッ・・となって
音が小さくなるとともに、手にかかる抵抗感も増えていきます。
細かく砕けたコンパウンドが、バルブシートとバルブを研磨していってます。
アルミ製のヘッドには、バルブシートという輪っかが埋め込まれており
バルブの傘の形状に合わせ、カットしてあるのです。
緑色だったコンパウンドが灰色に見えるのは、鉄が研磨されているから。



2分ぐらいで終了。ティッシュで拭います。
摺り合わせをしたら、ごらんのようになりました。
バルブとバルブシートの当たりがきれいになり
密着度も上がるでしょう。

当たり幅を計測します

計測したら 2.4mmに近い値でした


当たり幅(Valve Seat width)は 規定値内で。(ヘインズのリペアマニュアルより)
IN側 1.6-2.0mm
EX側 3.0-2.4mm

バルブシートとの密着度が あがりました。
お互い すりガラス状になっていて ぴかぴかに研磨するよりも
このほうが密着度が上がります。

IN側も同様に 4本 擦り合わせます。

最期にヘッドの最終洗浄。
熱いパーツ洗浄液でブラッシング洗浄してから
水でアルカリ分を洗い流します。
ウォータージャケットの赤さび色は こびりついていて 水勢で洗っても取れませんねぇ
まぁ、いっか。

乾燥させたあと さびないように鉄部には油を打っておく。

洗浄前のシリンダーヘッドです。
これから比べると 見違えるように 綺麗になりましたよ。


ヘッドカバー裏も黒かったので ホット洗浄液に20分漬け込んで、きれいに蘇り。

あとは ワロスからのパーツ到着を待って 組み込みを待ちます。

ふ~~~~ 疲れた~~~


家から20分 635を走らせ 自分もにホット洗浄に出かけました。
創業100年以上の、昔ながらの銭湯です。熱いんだわ~~それがまた いいんだわ~


BMW2002tii シリンダーヘッドのバルブ外し2025年01月31日 14時18分12秒

汚れのこびりつきが多い 排気バルブの清掃から始めます。

リューターで慎重に削り、このあと真鍮ブラシとサンドペーパーがけ

おおよそきれいになりました。

バルブスプリングコンプレッサーで8本のバルブを抜きます

このようにセット

バルブの傘の中央に。

もう片方は バルブのスプリングの上にあるリテーナーに乗せます。

バルブスプリングコンプレッサーを締めこんでいけば、
スプリングが縮んで バルブの頭にはまっているコッターが見えてきます。

コッター2個を磁石付きのピックツールで外します。

こちらはワロスで新品購入可能。

これで バルブがすっと抵抗なく抜けるでしょう。

バルブも新品が出ます。^^




スプリング&リテーナーも外します

スプリングも新品あり。
知人のBMW乗りで 運転中にこのスプリングが折れてしまい バルブがピストンとゴッチンコしてしまったことがあったなぁ 当然、エンストです。 
その人は、自分でエンジンばらして修理したんですが、スプリングが金属疲労で 折れてしまったとしか思えないといってました。
できれば!このさい交換しておけば憂いなし、の部品ということか。
再利用しますけど(笑)


バルブにはまった2つのコッターが バルブを抜けなくしているのです。

バルブガイドにはめ込んであるバルブステムシールを専用プーラーで抜き取ります。
昔はこれをプライヤーでやっていたが、これがなかなか苦労するので専用プーラーを買った。


あとは残ったスプリング受けを外すのみ。
ヘッドに圧入されているバルブステムガイドだけが残ります。

これで一式になります。


シリンダーヘッドを分解するのは このバルブステムシールを交換したいためでもある。
はずしたものは、新品にくらべてかなりゴム質が硬化していた。

これはゴム製品で消耗品ですからね。
ある程度の距離と年数を走ればオイル下がりしてくる可能性も。
安いですが、ここにたどり着くまでに大変という部品です。


バルブのステム(軸)にはまっているのだが
ここのゴムの柔らかさで燃焼室内にオイルが入らないようにシールしている重要部品なのである。



3番排気側バルブを抜くときに 引っ掛かりを感じた!

真鍮製のバルブステムガイドを観察。
あ~ なんか傷つけてる・・・ということは

バルブには曲がりなし。
観察すると、コッターのはまる部分に2個の「噛み傷」がありました。
このでっぱりが ステムガイドに引っ掛かっていた。
推測ですが、以前このエンジンをOHした誰かが 組み込みの時にこの噛み傷をつけてしまった可能性あり。
ダイヤモンドヤスリで慎重にでっぱりを削ってオイルをまぶして ガイドに入れ直したところ、
抵抗もなく、バルブはすっと入りました。
ガイドの傷はたいしたこともないので ガイドの入れ替えをしなくてもいいでしょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そして、2番排気バルブのオイルステムシールですが、
本来はまっているはずの 上のスプリングが 外れていました!
こんなの、初めて見たよ。これまた、組み込み時のミスか???

ここのスプリングの締め付けがないと、バルブが上下に動くたびに燃焼室内にオイルが下がっていた可能性あり!

2番の排気ポートを見てみると!
燃焼室側から見る。

エキマニ側から見る。やはりカーボンが多め!

燃焼室内は汚れていなくても、排気バルブ側からオイルが少しづつ出るので
排気ポートにカーボンがたくさんつくのもうなづける。
どうりで、この車、アイドリング時にすらマフラーから薄い煙が出ていたわけだ。

他の排気ポートは カーボンはあれど、2番ほど盛大に汚れてはいない。

古い車は 往々にして バルブステムシールの劣化で調子を悪くしている車が多いな~




さて なぁんにもなくなったシリンダーヘッド
しかし 汚い~~

燃焼室側

バルブの当たりが結構 荒れてる~
あれだけカーボンありゃな~
まぁこれで バルブの摺り合わせできれいになるけど。

次回、ヘッドの丸洗いです。



BMW2002tii カムシャフト及びロッカーアーム外し2025年01月30日 11時53分38秒

バルブの突き出しに備えて ヘッドを木片などで浮かせる。

自作のロッカーアームリフターをセット。

4本のL型クランプでヘッドに接するまで。


全てのロッカーアームがリフトしました。


カムシャフトのリテーナーを外さないと カムシャフトは抜けない。

苦労なくすっと抜けたカムシャフト。素晴らしい!

カムシャフトの通る穴。
ロッカーアームがリフトしているのがわかる。


次にロッカーシャフトを叩いて抜きます。

まずは ロッカーアームの左右の動きを止めるクリップを8つ外し。

先端を真鍮にした、先端直径15ミリの鉄の丸棒をあてて叩いていく。
シャフトにはヘッド側の穴保護のためにビニルテープを巻いておく。
まずは 吸気側からいこう。

叩いていきます。
指先で鉄棒先端と、ロッカーシャフト後端をしっかりつかんで
新著に叩いていく。
マルニのエンジンOH作業の中で 最も荒仕事な箇所です。

ロッカーシャフトが叩いた分だけ少しづつ移動するので
それに伴い、ロッカーアームとワッシャ、スプリングをはずしていきます。

中ほどまで叩き出したところ。
後半は抵抗も減り 大した力もなく軽く叩き出すことができました。

はい、抜けました。

先端の真鍮は叩き出しの衝撃で ロッカーシャフト側のかたちに沿って変形しています。
ロッカーシャフトは変形させたくないからね。

ロッカーシャフトはただの棒ではなくて、中が空洞になっていてオイルの通路になっているのです。


排気側も同様にロッカーアームを抜きながら シャフトを叩き出せました。

あとはバルブだけとなったBMW2002tiiのシリンダーヘッド

おっと スパークプラグを外すのを忘れていた
割と新しめに見えるね・・・

燃焼具合にばらつきがあるね~ 3,4番のカーボンが特にひどい。
終いには プラグの電極がカーボンでつながってしまい エンジンかからなくなるぞ。
ガソリンの混合気が濃いというだけでこんなにもなるものだろうか?
バルブステムシールの劣化でオイル下がりしていた可能性も捨てきれないな~~
またはオイル上がりかも?
はたまたインジェクション機構の調整が悪くて常に濃すぎる混合気が送られていたか?


ヘッド側はこんなだものね~ マックロケ。
こんなにカーボン堆積したヘッドは 初めて見た。


排気バルブは いつもこんな風に 表面に硬~いカスがこびりついているんだよね。
排気側は高温の燃焼ガスが吹き抜けるから、何かの成分が焼きついていくんだろうね。

スクレーパーやカッターなんかじゃ歯が立たないので
超硬ビットをつけたリューターで バルブに焼き付いたカスだけを慎重に削り取る。


その後、サンドペーパー#120で手磨きすれば それなりにきれいになった。
バルブがヘッドにおさまった状態で ある程度綺麗にしておくのが らくでいいだろう。

次はバルブ外しになります。

BMW2002tii ロッカーアームリフター製作2025年01月29日 12時47分51秒

シリンダーヘッドをばらすにあたり 特殊工具を制作する。

平鋼6ミリ厚×800mmを2本
角座金(4.5mm厚)2個で 溶接で製作。


完成。
平鋼を2枚重ねて溶接して しならないように剛性を出してある。
穴は、シリンダーヘッドのスタッドホルトに刺さる穴。
19ミリの高さの爪のようなものを100mm間隔で8つ溶接。


何でこういうものを作ったかというと。
カムシャフトがロッカーアームを押し上げており
カムシャフトを簡単に抜くことはできないから。

棒で指した部分を押せば その分、ロッカーアームはリフトする。
この原理を使う。

このツールを使い、8つあるロッカーアームを全部リフトさせて
カムシャフトをすっと抜けるようにしたい。


ロッカーアームの「Eccentric」と呼ばれる「偏心コマ」がある部分に
ツールの爪をあて・・・
クランプの力で9mmほど押し下げれば、
ロッカ―アームがリフトし、カムから離れることになる。

L型クランプで9mmほど押し下げるだけ。
ヘッド本体は机にべったり置かないで、木片をかませてかさ上げしておくこと。

ツールがヘッドの上面にあたるまで 2本のクランプで押し下げれば
4つの吸気側ロッカーアームが全部リフトしている。
(このとき、4本の吸気バルブがヘッド下面に突き出ることになるので
ヘッドの下に木片などをかませて 床からかさ上げしておかなければいけない。これを怠ると、バルブが曲がってしまうかもしれない)

排気側も同様にリフトさせれば、カムシャフトは完全にフリーになるので
一発で抜けるはすだ。


これまでは、L型の自作ツールを使い、てこの原理でロッカーアームをリフトさせていたが
これが大変面倒だったので、楽にカムシャフトを抜くことができるツールを今回制作したというわけ。


先日、BMW2002にも載っているM10エンジンのシリンダーヘッド分解の動画を見ていて思いついた道具だ。
この動画では BMW社ファクトリー正式のしっかりしたツールを使っていたが、
ホムセンで買ってきた材料で自作でも同様のものが製作出来る。



カムシャフトを抜いた後は、ロッカーシャフトを抜くための
直径15mm×450mmの鉄棒が必要になる。
かつては15mmの木棒でもやったが、やはり鉄棒には敵わない。


ただし 棒の先端に真鍮ナット(MAX直径15mm)を加工して鉄棒にはめ込んだ。
ロッカーシャフトにあたる部分が 打撃の衝撃で 傷まないように
鉄より多少柔らかい素材を取付た。

分解するための道具もできたので 明日から シリンダーヘッドのばらしにかかる。


ワロスに注文したパーツ類の出荷通知メールも届いた。
このメールが届いたら、あと5日ぐらいで到着する。

ヘッドをばらして 各パーツを洗浄し終えた頃に
ちょうどパーツが届くってかんじかな??

BMW2002tii ヘッドのスタッド抜き2025年01月27日 20時18分00秒

シリンダーヘッドでやること
・スタッドボルトの交換
・エキマニの交換
・バルブステムシールの交換
・バルブすり合わせ(バルブ密閉度向上)
・後端のコネクタパイプの交換
・全体的にカーボン落とし


まずはエキゾースト側のエキマニのスタッドボルト外しから。
(画像は最後の1本を抜くところですが)


もともとこの2002tiiには 変なタコ足エキマニがついていた。


もうちょっと曲げろよ~という感じのタコ足ですが。(笑)
中間マフラーへの接続部がまた酷いんだわ。

なので、ノーマルのエキマニに戻してやるつもり。
こいつも サンドブラストぐらいしてやらんといかんが。


エキマニをヘッドに取り付けるスタッドボルトの状態。
半世紀も交換しないでいるので状態が悪い!!
ねじ山が 錆びて 痩せてきてます。


スタッドボルトは ダブルナットで 抜き取ります。
M8ナット2個を通しまして

先に入れたナットをスパナで固定し、あと入れしたナットを ぎゅっと締めこむ。
これでスタッドと2個のナットが一体化する。

あとはナットを 緩む方向にまわしていけば(ナットは空回りしません)

はい スタッドボルト、抜けました~


いずのスタッドも とっくに寿命です
新品は ワロスに8本 注文済みです。


スタッドだけじゃなく、エンジンOH関係のパーツ、ブレーキ関係のパーツ、
足回り&ステアリング関連のパーツを
三日前にまとめてワロスに注文。合計37万円でした。
1週間で届きます。
DHL→クロネコを経て自宅に届くと、配達してきたクロネコヤマト配達員に玄関口で消費税分として いくらかとられますので合計40万円近くになると思われる。
為替相場、1ユーロが160円なのが痛いよね~~~~


この2002tiiのレストアで、ドイツのワロスへのパーツ注文としてはこれで3回目。
今回を含めて パーツに合計80万円ぐらい支払っています。
エンジンが仕上がって、今後、内装及び外装の方にかかっていくと そちらのパーツも必要になってくるはずなんで、ワロスにはあともう1回ぐらい注文する予定。
結局、ワロスからのパーツ購入総額は110万円ぐらいになるとの予想。
(ワロス以外の店やヤフオクから購入したパーツなど計算に入れてませんので、1台のレストアに100万円程度ですむと思わないで)

使えそうなものはなるべく再利用か自作を心がけているが、1,2年でアウトになりそうなものは新品に交換しちゃうよ。
それでもこれぐらいはいっちゃう。マルニのパーツも少しづつ高くなってきてるしね。



さてスタッドの抜けた排気側。


一方、吸気側のスタッドはこの程度なら このまま再利用です。
ダイスでねじ山の錆をさらっておけば なおいいでしょうが。



では ヘッドのばらしに かかるかねぇ~~

BMW2002tii ピストン、クランクシャフト洗浄2025年01月24日 14時35分21秒

ピストンとコンロッドの分解

ピストンピン(直径22ミリ)を打ち抜きます。

ピストンリング外し
ピストンリングのエキスパンダーは2002のピストン専用に 多少いじってある。

ここの爪の部分にを金やすりを当てて
刃物みたいに鋭利にしておくと リングをしっかりつかんでくれる


左から、オイルリング(3つ)、セカンドリング、トップリング

リングの溝の汚れは・・・そんなにカーボンのこびりつきはないねぇ

スカート部がこすれてるピストンも一部ありましたが
これぐらいはいつもあるので 再利用している。

裏もそんなに汚れてないな

ピストンはいつものとおりパーツ洗浄液で煮ます (暖かいほうが良く汚れが落ちる)

こびりついたカーボンなどを洗浄し、水洗いの後、乾燥させます。
真っ黒だったピストンがピッカピカです。


手に持っているのが 洗浄後のコンロッド。
長年の黒ずみが取れました。
このあと、錆びないように エンジンオイルに漬けこんで 保存しときます。


続いてクランクシャフト。
クランクシャフトの黒ずみも洗浄。ジャーナルに通じるオイル通路の穴も!
いつもの 洗剤を使って軍手撫で洗い。

水で洗浄後、エアブローして乾燥。
特にオイル通路はしっかりと水気を飛ばす。


錆が発生しないよう、すぐに全体にエンジオイルをまぶし、立てて保存しときます。


腰下のロワーカバーの洗浄。
外側は真っ黒け、内側もスラッジで真っ黒けだった。

2002tiiはインジェクション仕様なんで 形状がキャブ車と大きく違いますね。
形状が複雑なんで 洗うのも疲れるわ~
これの新品は出ないので 慎重に洗います
ウォーターポンプの取り付け面をオイルストーンで平面にしておく。

頑固にこびりついたガスケットがとれないときは、
ムリにスクレーパーで削り取ろうとしないで
ケミカルを使って溶かします。

ふ~~!
やっとキレイに!時間かかったわ~



オイルフィルタを取付けるハウジングのガスケットも
石みたいに硬かった!

スクレーパーでも歯が立たないときは
ケミカルを吹いては削り、吹いては削りです。
このあと、オイルストーン(砥石)で研磨して完全平面にします


最後はパーツ洗浄台で綺麗に洗浄します。

古い車の燃料ポンプを流用した
自作の 12V循環式パーツ洗浄台です。


おっと クランクシャフトの後ろ側のオイルシール外し、忘れてた。
ハウジングもきれいにしました。


とまぁ、こまごま、雑雑としたパーツの洗浄は地味な作業ですが 
レストアでは実はとても大切な作業です。
できればみんな 新品に交換したいが、先立つものの限りがあるからねぇ・・・



次はシリンダーヘッドに移ります。
これまた、洗浄が大変そうだ・・・・
なるべく 洗浄液への漬け込みで 汚れ落とすようにしよう。