丸テール デフ本組み2023年12月18日 14時08分21秒

昨日 日曜日はまるっと町内会のイベント出役で  ブログはおやすみでした。


さぁ BMW2002のデフを本組します。

仮組でやった手順とほぼ同じなんですが
違う点だけ載せます。

ピニオンギアシャフトに、新品のクラッシュスリーブを入れます。

名のとおり、「つぶれるスリーブ」。
使用前と 使用後では 比較すると約2mmつぶれています。
けっこう大トルクかけないと これだけつぶれないよ


30mmナットを締めこむことで つぶれていくんですが、つぶれると同時に、反力も生じるので
ローラーベアリングに入ってるローラーを デフの中の方から押さえつける役目があります。
外の方から押さえるけているのは ナットとフランジですね。
このクラッシュスリーブがないと、ベアリングが焼き付いたり、ガタが出たりしてしまうそうです。

2つあるローラーベアリングの中間にあるクラッシュスリーブは
ベアリングの間隔を一定に保つ役割もあるのです。


ちゃんと 新しいつぶれてないクラッシュスリーブ、入れました!
ドライバー差し確認!

新品ローラーベアリング(スモール)の再圧入

これで2つのベアリング装着完了

ここで モノタロウで買ったオイルシールの打ち込み。ツライチに。

オイルシールのリップにオイルを塗ったら
注意しながらフランジをゆ~っくりいれていく


フランジが奥まで入ったら 30mmナットにスレコンを塗って
仮にしめつけ

でもまだ 軸方向に 微小なガタがあります。
ローラーベアリングに まだガタがあるのでしょう。
これからガタがなくなるところまで30mmナットを締めこみます。

締めこむための30mmソケットは 頭をこのようにフラット削り はずれないようにする。
JG54さんのアドバイス。
大トルクをかけますからね、外れたらまずいです^^


デフを75mmジョーの万力に固定。この仕事にはデフの固定が最も大事。
これで安心してトルクをかけることができます。
チェーンバイス+鉄パイプでいつものフランジ回り止め、
30mmソケット+ブレーカーバー60cmでトルクをかけて締めていきます。

角度にして240度締めこんで(12時から8時まで) ようやく軸方向のガタがなくなりました。
この時点でのプリロード値は1Nm未満。
手でフランジを回すと、まだ軽くまわります。

ここからはクラッシュスリーブがつぶれる領域だから、
慎重に、少しづつ締めこんでいきます。
締め込みすぎて プリロード値がMAX規定値の3Nmを超えてしまったら
ナットを緩めてもつぶれたクラッシュスリーブは戻らないので 
また最初からやり直しになるからです。(クラッシュスリーブやオイルシールも もう1こ必要になります)
自分的には、まず 2Nmを少し超えたあたりまでもっていきたい。



机の上に乗って 体重をかけて 大トルクで、かつ、少しづつしめる!
150Nmぐらいは かかっていそうだ。
一回しめたら、またチェーンバイス外して フランジぐるぐる回してなじませて、トルク測定。
これを20回ほど繰り返したかな・・・
ここが肝心なところだから たっぷり1時間はかけた。

途中、チェーンバイスのコマが外れたが なんとかリカバリー。
そろそろ 新しいやつ買った方がいいな
このツールは、ほんま 役に立ってるよ~。


トルク測定の前には 20回以上、フランジを回して ベアリングを馴染ませる。


ガタがなくなった位置から角度80度ほどナットをしめたところで プリロード値が増してきた!
クラッシュスリーブがつぶれ、そしてナットにも締め付けられ、
ローラーベアリングのローラーが 内と外の両側から締め付けられているため
ローラーがまわりくくなってきているのです。
ここのナットは規定トルクってものがなく、プリロード(回りにくさ、というか、ベアリングの締め付け具合)を出すためのナットなのです。

手で回す手ごたえも 重くなってきた!
うん、分解前は こんな感じの重さだった。
手では重たく感じるが、エンジンの出力の前には こんなもん、大したことはないんだろうけど。


もうすこし角度で5~10度ほど、締めて、プリロード2.15Nmまできた!
ここでやめておく。
このあと、リングギア&デフ玉を組んだら 仮組時点で 0.8Nmほどトルクが増したから。
規定値では「オイルシールあり状態」でMAX3.2Nm(プラスマイナス0.3)だが、それはあくまでMAX値だからね。
自分的には そこまで持っていかなくても、MAX値の手前、総合プリロード2.5Nmあたりにしておこうと考えてる。
今のプリロードでも、フランジを手で回すと、けっこう重い(硬い?)んですよ。
かなりローラーが締め付けられてるね。こんなに締めて いいんかい?て感じがするんですよ。

フランジを回すときの重さがどれほどものか なかなか伝わらないと思うが、
試しに一般的な木製割りばしをペンチでつかんで 何センチで回るかテスト。
結果、2㎝まで短くしないと 回りませんでした。

参考までにこれはスカイラインのデータだけど、リアデフのプリロードは1.5~2.1Nm。
マルニ指定の3.2Nmって ちょいと きつすぎるのじゃないかなぁと思ってる。
軽トラなんかは1Nmぐらいのようです。


ここで 休憩だよ~~  カンコーヒーをストーブのやかんの湯で温め♪
プリロードだしで かなり集中して疲れた~



さてリングギア&デフ玉をデフケースに入れました。
これからサイドフランジを取り付けます。
オイルシールを用意。



サイドキャップにシムとオイルシールを取付。そして4つのボルトで25Nmで締め付け


オイルシールの打ち込み。深さは4mmで。


フランジのスプラインは脱脂して ロックタイト243を塗布ののち 挿入。
中央の長い19ミリボルトを111Nmでサイドフランジを締め付け


バックラッシュ計測は 0.10mmで範囲内。^^ オッケー!
マイクロゲージの針の振れ 動画はこちら


今度は手持ちの公明丹を溶いて 歯当たり確認。


ドライブ側、OKね!

リバース側 申し分なし!
歯当たりも大丈夫。、良かった。


この時点での 最終総合プリロード、2.2~2.4Nm。ほんの少し、上がったか。
総合プリロード測定の動画こちら
規定値のMAX3.2Nm(プラスマイナス0.3)に近い値。
これ以上あの大トルク締め体制で ほんの少し0.5Nmとか、トルクアップをさせる自信がない。
一発で3Nmをオーバートルクしてしまいそうな予感がするので これで良しとする。
自分のゴーストが、もうここまでにしとけ!と囁くので それに従う。


ここで30mmナットをロックするプレートを入れて、ガツンとカシめ。

リングギアに塗った公明丹を洗い流し

リアカバーのガスケットに追加したウルトラカッパーの一線

10分置いてから 貼り付けます。

リアカバーを6つの19ミリボルトで43Nmで締め、完了!


あとは 脱脂して、2液ウレタン塗料で黒に塗装。
最期にデフオイルを 既定の0.9リットル入れる。
そしてボディに搭載。^^
そして試乗となる。
 もう あの唸り音は ならないでほし~~い!!!



デフ乗せる前に・・・
う~ん この ヒビワレだらけの末期的CVジョイントブーツ、左右で4つ。
どうっすかな~~ やっぱこの際 交換かな~~
納車まで1週間だから できるかな??