2002tii クラッチディスク群とフライホイール取り外し2024年02月08日 16時02分13秒

さて エンジン側に残ったクラッチセットとフライホイールを外します


外側の13ミリボルトを数個外して
クラッチセットを取り外しました

フライホイールの回り止め自作ツール

いちおう 1番シリンダTDC(圧縮上死点)状態での 位置を確認しつつ
8つのボルトを外していきます

フライホイール、外した後のエンジン

クランクシャフトの後端が見えます。
メインオイルシールからのオイル漏れは・・・ありますね


ここに合わせ位置があるので
フライホイールの組付けに間違う事はありませんよ


3兄弟が外れました


左から
プレッシャ―プレート、クラッチディスク、フライホイール

こういう風に3つ重なって エンジンに組み込まれています
マニュアルシフトの3兄弟

ミッションとの位置関係をおさらい

プレッシャ―プレートの状態。
細かくカットしたピザのように見えるプレッシャ―プレートの板バネ先端部分、異常摩耗なし^^


プレッシャ―プレートはミッションにこう刺さります
フリーに回転するレリーズベアリングに、板バネ先端部分が接触します


プレッシャ―プレートは こう入るわけね。
インプットシャフトの中央部分、レリーズベアリングと接触してるのが見えますかね


その上に クラッチディスク入ります
クラッチディスクの表面は使えば使うほど 摩耗してすり減っていきますので消耗品です
何万キロで消耗するかは、ドライバーの半クラッチ操作による!


そしてフライホイールと。
ざっと こういう順番。


実際の組み込みの際は、
まずエンジン後端にフライホイールを取付けてから
クラッチディスクのセンター出しをしてからプレッシャ―プレートをフライホイールに取りつけます。
そしてミッションのインプットシャフトを中央の穴にブッ刺します。
細かくカットしたピザのように放射状になって見えるプレッシャ―プレートの「板ばね」は
左足のクラッチ操作により レリーズベアリングでエンジン側に押し付けられると反り返るようにつくってあるので
クラッチディスクとプレッシャ―プレートの接触が切れる、という仕組みです。
クラッチペダルと踏むと、クラッチが切れる仕組みですね。




では個別に状態をチェックしていきましょう

まずはクラッチディスク。
クラッチディスクは、普段はフライホイールに押し付けられています。
押し付けてるのは、その名の通り プレッシャ―プレートの役割です。


2002tii用 直径は228mm 
マルニは車種によって直径が違いますので注意!

なるほど、プレッシャ―プレートに228って刻印があったな ・・・直径なのですね

厚み9.5mm

表面は まだ使える

割れなど なし

このリベットの位置まで減るまで まだまだ使えるだろうと判断

でもオーナーさんが このさい新品に交換したい!というなら 
プレッシャープレートとともに 交換しときます。
4万7000円ほどの出費になりますが
ん~ でもこの取り外したクラッチディスク、ショック緩衝用のスプリングがないな・・・
ワロスの新品は スプリングが4つ入っているのにな・・・
どういうクラッチディスクが組み込まれているんだ??
こりゃ 新品に交換したほうがいいかもだね。


ちなみにこれは知人のBMW1502のクラッチディスク。やはりスプリングがある
確かスプリングが1個折れていたので 軽トラのクラッチディスクからスプリングを1個移植したんだった。^^;



フライホイールの状態
接触面は 異常な荒れなどなし

点火時期マーク「Z」と、1番シリンダTDC位置の「OT」の刻印
角度にしておよそ25度ほどずれているはず

点火時期マーク「Z」には、鉄球が埋め込まれている
タイミングライトを当てたら、この鉄球が光って見えるのですが
ちとさびてて 輝きがないですね・・・

ギアボックスのベルハウジングに、点火時期を見るための穴が開いています


エンジンをかけ、デスビのバキュームラインを外し
指定の回転数にして 穴にタイミングライトをあてて覗くと、
ちょうど穴からこのように見えるように点火時期を調整するのです
まぁ このあたりはまた エンジンを組んでから説明します


フライホールのリングギア状態を確認
おっと・・・ギアかじり跡が少しあり(円周の2割ほど)
エンジンかかってるのを忘れて スターターを回しちまったか?(イヤな音しますよね)
映画「グッドモーニング・ベトナム」を思い出します(わっかるかな~??)

ギアかじりのない状態

ちなみに2002オートマチックのフライホイール。形状が違います。重く作ってある。



クラッチ関係3兄弟は まだ再使用できる状態と判断。^^

パーツボックスにおさめ エンジン搭載時まで 数か月保管しましょう。

丸テール クラッチホースの交換2023年10月02日 11時26分04秒

配線ばっかりじゃ面白くないので
クラッチの劣化したホースを交換します。
これはオーナーさんから交換してほしいと要望のあった項目です。


新品のクラッチホースと
11ミリのフレアナットレンチを用意。

クラッチを油圧で動かすための
クラッチホースはかなり劣化していますね。
このホースのなかを クラッチペダルを踏むたびに
フルードが行ったり来たりしています。



まずはクラッチ・スレーブ・シリンダをチェーンバイスで軽く固定。
クラッチホースを緩めるときに 共回りしてしまうからです。


11ミリフレアナットレンチをかけ、絶対になめないように慎重に緩めます。


無事緩みました。
それと同時にクラッチフルード(ブレーキフルード)が
重力によって下にぽたぽた落ちてきます。
ボウルでおちてくるフルードを受けていますが、ふとした弾みにフルードが飛び散って顔にかかることもあるかもしれないので、自身も防塵メガネ、手袋で目と手をしっかり防護します。
目にフルードが入ると失明しますので 下からのフルード作業は実に危険です!
慎重に作業をします。
とはいえ、フルードがどんどん落ちてくるので ゆっくりもしていられない。


フルードタンクに フルードを切らさないよう めいっぱい入れておきます


したたり落ちるフルードに注意しながら、
新しいホースを 両シリンダーに指で確実にかつ素早くねじ込んでいきます。


ホースの両端をしっかりとフレアナットレンチで締めたら、もう安心。
次は中のエア抜きです。
ブリーダプラグにワンウェイバルブを組み込んだシリコンホースを接続したあと
7mmレンチでブリーダプラグを少しゆるめます。


フレキシブルカメラをセット。


再びフルードを満たします


運転席に移り、ブリーダプラグからフルード内のエアが抜けていく様子を
モニタでリアルタイムで見ながら
クラッチを踏んでいきます。いつもこの方法です。

手の力で 軽く押し出せます
何度も 何度も・・・ 新しいクラッチホース内のエアを押し出していきます。


エア抜き中の動画は こちら
エアがどんどん出てきます。


フルードをペダルで押し出しているため フルードが減っていくので
きらさないよう ときどきつぎ足しつつ エア抜きを行います
DOT4グレードのブレーキフルード使用


エアが出てこなくなったら エア抜き終了です。
エアが出きった状態の動画 こちら


ブリーダプラグを7ミリレンチで締めて、
ホース周辺などに垂れたブレーキフルードをブレーキクリーナーを吹いてきれいにして
終了。


クラッチマスタシリンダから排出された古いフルード。
500ccほど抜いたか。かなり悪くなってますね・・・。
フルードは、車検の毎に 交換しておきたい液体です。

取り外した古いクラッチホース。
このマルニが新車の時についていた当時もの・・・・?
貴重なサンプルです。このまま、「劣化したパーツ保管箱」行きです。
使用限界を超えてました!
ほんとはこうなる前に 交換しとかなきゃいけないものですよ




頼まれてもいないのに 善意のメンテを。
フルードタンクの接続ホースにヒビワレがあり 劣化していた
これ もしかしたら 普通の燃料ホースを使ってあるかも・・・
ここに燃料ホースを使ってはいけません。
ブレーキフルード用の青色の専用ゴムホースに交換しておきました。^^

ブレーキフルードをMAXレベルまで満たせば
クラッチのメンテはこれで終わり

BIGMOTEERはこんな善意のメンテ、絶対しないよな。
連中はユーザーをコケにした極悪集団だということがわかりましたからね。(笑)

クラッチから異音2009年07月05日 20時07分05秒

クラッチペダルを戻す時に、コリコリという異音がするようになりました。
左足にその感触も伝わり、なにか金属がコリ!と擦れてる音もします。
こりゃ、なにかクラッチ関係でトラブルだ。

クラッチペダルを踏む時にはならず、戻す時に異音がします。
その音も一定でなく鳴ったり鳴らなかったり。

クルマの下から結構なコリ!という音がしますので
車をジャッキアップ。
にしやんが車の下に潜って観察。助手(よめはん)にクラッチを踏んでもらうとその原因がすぐにわかりました。

クラッチスレーブシリンダーから出るプッシュピンと
レリーズフォークとの接触箇所から異音がしていました。
ここは互いに擦れ合う箇所なので組み上げのさいにグリスアップしていましたが、半年乗ってる間にグリスがおちたという事ですね。
見ると赤く錆も発生していて、クラッチを踏むとコリッ!とぎくしゃくとした動きで、音が発生してました。

さっそくグリスアップ。・・・で解決しましたとさ。
操作する脚にも不快な振動も無くなり
快適なクラッチ操作ができるようになりました。

クラッチのエア抜き2008年04月08日 17時53分17秒

ブレーキフルードのリザーバータンクは、クラッチのフルードも供給しています。
リザーバータンク〜クラッチマスターシリンダ〜クラッチスレーブシリンダ、というふうにつながっています。これらのエア抜きもしておかないと、クラッチをいくら踏んでもクラッチが切れない。

まずはクラッチマスターシリンダーのロッド長を10cmに調整ねじで設定。
フルードタンクに満タンにブレーキフルードを満たしたらクラッチを10回程連続でクラッチを手で押す。最初はまだ手応えが軽い。10回目を押したら適当なレンチみたいなものでペダル根元にツッカエを入れて踏み込んだ状態にしておきます。
ここで車の下に潜り込みクラッチスレーブシリンダのブリーダープラグを緩めると、ヂュッ!とエアが抜けてきます。(最初は空気しか出ませんが)すかさずブリーダープラグを締める。これでエア抜き1回目終了。
これを、エアが出なくなるまで、繰り返すわけですが、3回目ぐらいからペダルを押す手応えが硬くなってきて、フルードも出てくるようになり、結局エアが出てこなくなるまで10回以上行いました。
クラッチフォークが押されてクラッチが切れるのを確認したら完了。

新品のクラッチスレーシリンダだったのですが、ブリーダープラグを締めてもしばらくしたらフルードの雫がついていた。ありゃ?
こういう小さなプラグを目一杯締めるのはよくないので、漏れ対策に配管用シールテープを巻いてねじ込んでおきました。

ギアボックスにクラッチ機構取り付け2008年03月02日 21時01分19秒

ギアボックスにクラッチ機構を取り付けます。
クラッチを切ったり繋いだりする機構は実に巧妙です。まずはこれを理解するのが難しい。
1クラッチを踏む
2クラッチマスターで油圧が生じてスレーブシリンダーに伝わる
3スレーブシリンダーからの棒がレリーズフォークを押す
4フォークの支点を介した動きによりレリーズベアリングが進行方向にスライドする
5ベアリングがプレッシャープレートの板ばねを押すことで、クラッチ板を押しているプレートが反り返ってクラッチが切れる。
見えない箇所での一連の動きなので、頭で理解するしかない。
どっちにしても1枚の円盤で動力を伝えたり切ったりする重要な駆動部品です。単板乾式クラッチと言われる所以。

部品構成はとても少ない。
レリーズフォークに取り付ける線バネ(なんと言うのか)をベルハウジングの支点箇所にうまく引っ掛けてやる事を忘れずに。
レリーズベアリングのスライド面には少々モリブデングリースを。
ギアボックスの後端にシフトレバーのサポートを取り付ければ!取り付け準備完了。

クラッチの取り付け2008年02月28日 20時37分08秒

クラッチの取り付けです。
はじめてやるんですが〜 クラッチ盤のセンター出しをしなくてはいけないようです。これをやっておかないと、ミッションと合体する時に絶対ピッタリ嵌まらないとか。
ということで、クラッチアライメントツールなるものを購入。
フライホイールのパイロットベアリングの内径12ミリと、クラッチ板の内径23ミリで合う物があれば何でもよいのですが、そんな都合のいい物はそうそう無い訳でしてサクッと買ってしまった。

まず12ミリの先端をパイロットベアリングに刺す。ピッタリなんでガタも無い。
そこでクラッチ板を通して、アライメントツールの23ミリの部分をはめると、これでクラッチ板がセンターに来る。
この状態で、プレッシャープレートをフライホイールに6本のボルトで締め付け。こうするとクラッチ板はフライホイールに強力に押しつけられるので、クラッチアライメントツールを取り外してもセンターは出たまま、ということですね。
のぞいてみると、ちゃんとセンター出てるね。

クラッチマスターシリンダー取り付け2008年01月30日 22時12分33秒

ペダル関係を組み付けますが その前にクラッチマスターシリンダーを取り付け。

ペダル類は一つのボックスに収まって足下に取り付けられます。
クラッチを踏んだらリンクでクラッチマスターを押し込み、油圧が発生してミッションに取り付いているスレーブシリンダーに伝わってレバーがクラッチを切る、という仕組み。

クラッチマスターのゴムシールの一つを交換。内部のシールはまだ大丈夫だったので再使用。ブレーキフルードを満たして組み込み。ブレーキマスターに比べて部品構成がシンプル。MIYACOから取り寄せた国産流用ゴムブーツを被せ、ベダルボックスに取り付け。
スレーブシリンダへのチューブも新しくしておきます。

クラッチマスタのゴムブーツ2007年12月19日 20時54分26秒

今日は話題を換えて BMW2002への国産パーツ流用情報。
マルニのマニュアルトランスミッション車について。

クラッチマスターシリンダーやクラッチスレーブシリンダーには蛇腹状のゴムブーツがついています。ゴム部品ですから当然経年劣化で破けて穴があいたり裂けたりして交換、となるわけですが、このゴムブーツ、単品でパーツが出ない。
クラッチマスターシリンダーやクラッチスレーブシリンダーごと買う事に。
FAGというメーカ品でですが、パーツリスト見てもこのゴムブーツの番号はない。当然、うちのぼろマルニはゴムブーツが裂けちゃっています。
ということで、国産品で流用できるものを探していたのです。
ミヤコブレーキパーツhttp://www.miyaco-brake.co.jp/index.htmにてサイズ等を問い合わせて近いものを探してもらい、代理店から取り寄せたのがCK4902という品番のクラッチレリーズキット。ホンダレジェンド用だそうです。税込み700円ほど。中にはゴムブーツの他、スプリング、ゴムシール組み込み済のスライドピストンが入っています。
ブーツを取り付けてみると、マルニのクラッチマスタ、レリーズともにピッタリ!いいですね〜〜 国産品流用。

クラッチマスターシリンダー2007年10月09日 20時21分25秒

僕のレストア中の車は4速マニュアルギアボックスの’74BMW2002左ハンドルです。今では軽トラでも5速は当たり前の時代。このマルニが完成して乗り出したら、絶対オーバードライブが欲しいと思うはず。富山のこの近辺は一般道でも流れに乗っていたら70km/hは平気で出ていますんで。

とはいえ、久々のマニュアル車、ブレーキのパーツも整備終わったしクラッチ関係のパーツの手入れに入ります。
まずはクラッチマスタ−シリンダーから。
クラッチペダルを踏むことでこのクラッチマスターシリンダーから油圧が生じます。この油圧がホースを介してクラッチスレーブシリンダー(ギアボックスに取り付いている)に伝わってクラッチを切るような機構になってます。

中身はブレーキのマスターシリンダーに似ており、ゴムのカップによって油圧がシールされているわけなので、シリンダー内壁をチェック、カップのチェックで錆を取り、外装塗装でOK。ただ、ゴムブーツ(上の画像、左側の黒いもの)が破れてしまっており、新品に換えたいが、クラッチマスターごとの部品でパーツリストにはゴムブーツの品番設定無し・・・。(クラッチマスターごとだと1万ぐらい)
国産車ではクラッチマスターインナーキットなんて名前でゴム部品が出てくるのですが・・・。マルニはATEのコンプリート品のようですね。
う〜ん、しょうがないので国産車のもので代用しようかと思い部品を検索中。とりあえずは初代ロードスター用のものでいいかと思っているのですが、この車のがピッタリという情報あれば教えてください!(見つからなくても、ゴム手袋の指部分で代用出来そうですけど)
ついでにクラッチスレーブシリンダーのゴムブーツもちぎれちゃってます。