丸テール 燃料リターンラインづくり2023年11月02日 13時20分19秒

燃料リターンラインが殺してあった、というのは 先日ブログに書いたところ。

その後、ブログ記事を見たオーナーさんから
燃料リタ―ンライン作成の注文が入りました。
材料もそろったので 作業に取り掛かります。

まずはボディ側に燃料ホースを通す穴あけをします。
画面中央、白い点が打ってあるところ。


ドリルで穴あけをし、リューターで拡大。
空洞になっている構造の向こう側の鉄板には
もう最初から穴がありました。

防錆のためプラサフ吹き、乾燥後 黒で塗装。


これで外径16ミリのトヨロンホースが通ります。^^


リターン側ホースをタンクから出ているパイプにつなぎ、
この穴から車外にホースを出します。

トヨロンホースの役目は、燃料ホースに傷がつかないようにするための保護材。

6ミリ銅管でこのようなジョイントを作ります。
銅線のハンダ付で 両端に抜け防止を作りました。

タンクから来たホースに6ミリの燃料ホースをジョイント。

ちょうどここはトランク奥側の下。
「サドル」という管を固定する金具でホースを固定します。

今後の防錆のためにすかさずスーパーラストガード吹き。
ワックスなんで防錆性能はいいんですが、これが乾いたら、
オイル漏れしてるようにみえちゃうのが たまにきず。

ここにもサドル打ち。
ホースはデフの上を通って 左側に行きます。


左リアタイヤの側にホースを出します。
赤丸のところでカットの予定。


次に用意するのが 外径6ミリ、厚み1ミリのなまし銅管。

まず 片方に抜け止めの加工
管に1ミリの銅単線を一巻きしハンダで溶かしつけたあと、
やすりでポコチンのように整形加工。
接続するゴムホースがスッポ抜けないようにするための一工夫。
手間かかってるね!!

さてなまし銅管は3メートルほどカット。

左リアタイヤ付近から、エンジンルームのバッテリトレイの下あたりまで3m。
この銅管で、車体下を通るリターンラインを作ります。
「なまし」銅管ですので、手で簡単に曲げ加工できます。
1ミリ厚の銅管は腐食に強いため、今後何十年も、持つでしょう。
一方 ゴムホースはすぐ劣化してひびわれてくるので、短いサイクルでの交換が必要です。
リターンラインを設けるにあたり、リアからフロントまで長~いゴムホースでリターンラインを作るのは、現実的ではありません。ゴムという素材の柔軟性も必要ありませんし。
水に濡れたりして過酷な環境にさらされる車体下には、銅管を使った方が、耐久性があるのです。そして両端には柔軟性のあるゴムホースを使う。


左リアアクスルのところに端っこをもってきます。
ここの部分で、先ほどの内径6ミリゴムホースにホースバンドで接続します。




銅管を手曲げしながら フロントへもっていく。
このルートは、後期型マルニでも同様です。(純正は鉄管ですが)


要所をサドルで固定していきます。
車内側に数ミリほどねじの先が出ますが、シートの真下なんで踏んだりしないし
問題ないでしょう。(配線だけは傷つけないように配慮)
にしても、車体下の防錆塗装、けっこう パリパリにはがれてくるね・・・
ここは新たに、防錆&耐チッピングのボディシュッツを吹いたほうがいいんじゃないかな?


ペダルボックスのわきを通って、エンジンルームのバッテリトレイの下あたりへ。


ちょうどバッテリトレイの下あたりで銅管をカットし、端を抜け止め加工します。


使う燃料ホースは やっぱり大野ゴムで!
新品のゴムは やわらか~い^^


このあたりで、ホースバンドで接続します。
あとはエンジンルームでの作業です


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さてエンジンルームの燃料ライン。
現状はこうなっている。燃料ポンプでどんどんガソリンを送っても、行き止まりになっております。
2つのキャブに燃料が消費されるとはいえ、たとえばアイドリングが続くときなどでは消費量も少なく、それでいて ホースの先が行き止まりでは、エンジンルームの熱で、どんどんホース内やフロート室内のガソリンが熱くなっていきます。
そして真夏などの酷暑下では、最悪 ホースの中でガソリンが沸騰して泡が発生、エンストにつながるぺーパーロックを起こします。
にしやんの実測値では、だいたい摂氏60度近くになってくると、ガソリンが沸騰しだして
キャブのフロート室内でぐらぐらと煮立っています。
こうなるともう最悪だね。キャブ車の宿命、真夏の悪夢です。
エンストしちゃって、ボンネット開けて道路わきで頭カキカキ悲しい炎天下立ちんぼう~
他車ドライバーから嘲笑の的。恥ずかしいよね、あれ。


そこで今回、リターンラインを作るとともに、ぺーパーロック対策も行う。
まずは既存の燃料ホースを外しちゃいます。

でもなんか 太いんだよ、このホース・・・

ジョイントはただの銅管か・・・。フッ・・・ポコチン化してないね。
そして、青いアールズ風のジョイントも、単なるお飾りの、
ホースバンドを使った なんちゃってアールズ風。(笑) 本物はねじ接続だかんね。
俺はぜったいに こんなこざかしいことはしないね。

しかもだ!
このホース、内径9ミリが使ってあった!
キャブの口金は8ミリなのに!!


タンクからくる樹脂ホースも外径8ミリなんだよ?
そこになんで 内径9ミリホース使う??? 燃料漏れするでしょ!
え?ホースバンドで締めればいいって?それが実際は、うまくいかんのよ。(経験済み)
にしやんはきっちりホース径、合わせます。
少なくとも、かぶせるゴムホース側は計の小さい内径7ミリでもなんとか行けますが、だぶだぶの9ミリホースは絶対に使わん!
別に自慢することでもない・・・こんなん、整備するうえで 基本中の基本じゃん。


さて今回登場するのがこれ。
WIXフィルター!(ドラえもん風に)
リターンラインを作るために作られたような ちょっと変わった燃料フィルターだ。
これはイーベイでアメリカから以前買ってあったもの。1個2000円ほどかな。
これがスグレモンなのよ。


このように接続します。
キャブより 高い位置にあるのがミソ。


つまり こうなっている現状行き止まりのラインに。。。

キャブ配管をいじらずに 
簡単には燃料ラインを分岐してリターンラインを設けることができます。
下に向かう黄色いリターンラインは、
なまし銅管で作ったリターン配管にホースバンドで接続すれば
この車のリターンラインは完成だ。^^



それよりも、このWIXフィルターの何がいいかって、
このように酷暑で発生しちゃった場合、泡を上側に集めてくれて、
リターンライン側から燃料タンクにどんどん押し戻すことできることだ。
電磁ポンプとの組み合わせで、その効果はMAXになります。^^
これ一つで、酷暑下でのぺーパーロック(エンスト)が解消できた!というユーザーは多い。
YouTubeで 「Vapor Lock」で検索すれば、ひげもじゃのアメリカ人のキャブ車のおっさんたちが こぞってこれを称賛している動画が沢山出てきますので 見てください。

丸テール キャブ取付その他2023年09月13日 15時23分21秒


丸テールのウエーバーキャブ45DCOE用のインシュレータが届いたので
キャブを取り付けます


その前にいくつかやっておくことが。
キャブの下になってしまうスターターのメンテ。
30番端子に太い配線をバッ直で接続し、コネクタを赤色カバーで被覆。

14スケアのコードは バッテリーの+に接続。

つぎ
緑色の矢印の 冷却水ホースのとりまわし。
ヒーターコアからウォーターポンプに行く経路ですが
スターターの上でかつキャブの下を通っていたため熱がこもりそう。
さらにこのホースが邪魔でキャブを取り付けにくいし、
ホースのつぎ足し接続部分がスターターの上を通っているので万が一水漏れしたときが怖い。

このホース経路を若干変更する。
スターターの上ではなく、横を通ってもらおう。
そのために、ホースを少し延長する。

ヒーターコア出口にホースを接続


バルクヘッドから出たホースはいったん下に向かい、
スターターの横を通って、ウォーターポンプへ向かう。
ブレーキパイプとこすれないように、パイプ側に保護のゴム管を巻いた。




では キャブ装着にとりかかる。
まずはキャブの掃除。ガソリンのにじみあり

インシュレータを装着

ちなみにこれが 以前破けてたインシュレータですわ。
推測だが、キャブの調整をしているうちにバックファイアなどが起こって こうなったっぽい。
インシュレータの樹脂部分、熱で黒く焦げてるもん。


Weber 45DCOEキャブを装着


インシュレータにずれがないか 確認 OK


キャブのアクセルロッドをつなぐ

アクセルペダルのロッドとのリンクに若干のガタツキあり

ワッシャの厚み変更で ガタツキをおさえる


新品の戻りスプリングの装着


このスプリングはもともとついて居たものは軽すぎたので
純正のオリジナルスプリングをスプリング屋さん(大阪市の冨士発条製作所)に送って
今後のためにも 何個か複製してもらった。3個で1万円。
手で引っ張った感覚だが、オリジナルと比較して 複製品はほんの少し弱い9割ぐらいの張力であった。
複製なのに張力が違うのは、材質の違いだと思うが、
ほぼ同じ張力に近づける場合は、現在の線径1.6mmからもう少し太くした方がいいだろう。1.8mmぐらい?
3個作ったうちの1個を装着。
これでかなりアクセルペダルに 本来の「踏みごたえ」が出るだろう。

以前は アクセルペダルがとても軽すぎて、たいへん乗りにくかった!

いつもの農道サーキット試乗コース(笑)



燃料ライン、エアフィルターベースの取り付け


K&Nエアフィルターに若干のつぶれ・・・なんで?


ははあ、そういうことか・・・
ブレーキブースターが フィルタに当たってるんだ

なるほどね・・・ それでカバーもこの部分、けずれてるわけね

しゃあない。
あたってるけど これで装着するしかないよな~~
あるいはもう少し エアフィルタの下側をつぶすか。

つい先日 ヤフオクで 350万円近くで落札された(すげ~)
同じくDCOEツインキャブのブラック・マルニはどうしてたんだろ・・?
よく見ると、スポンジ式のエアフィルタ、装着してますね。
なるほど。これならあたってもガチガチ言わないわけだ。
将来これにした方が いいかもね~

丸テール キャブのインシュレータ破けてます2023年09月01日 17時13分19秒

丸テールの方も修理します


3番シリンダのインテーク、キャブのインシュレータからエア吸いがあります
アイドリングで シュコ、シュコ 吸ってる音がします


邪魔なホース類なども外し
燃料ラインとスロットルリンクを切り離し、キャブの1つを取り外します

WEBERキャブ  メイドイン スペイン

DCOE45  152
45ミリ口径で 燃焼室にドカーン大量のと混合気をぶち込み、
ものすごい加速を味わえるマルニとなっております。
え?燃費?そんなの、この気持ちよさと 引き換えです。



キャブを外して現れたOリング型のインシュレータ
インマニも口径45で DCOEと合います


3番シリンダのほうが Oリングが切れて 破損しています。
ここから 余計なエアを吸っていた。
なんでこうなったんだろ??


インマニから インテークバルブが見えました。
オーバーホールしたというだけあって、ポートにカーボンなど
ついておりません



インシュレータが届くまで ほかのことをしましょう。

丸テール スロットルリンクのスプリング試験2023年08月29日 14時16分31秒

先日書いた キャブレターのスロットルリンクのスプリング。
どうも張力が弱く、チョンとペダルに足を乗せただけで回転がグワん!と上がってしまう件。

どうもこのスプリングが弱い。


自分のマルニからスプリングを外して 交換してみることにした。
上が丸テールについて居たもの。
下がにしやんのマルニのもの(BMW純正品)こっちの方がはるかに 張力があります。(スプリングが伸びにくい、ということ)



こんなふうについた

これでエンジンをかけてみた。
アクセルペダルを踏んだところ 前のように過敏ではなくなり、多少の踏む力を加えないといけないように変化した。(踏みごたえが出たということ)
やはりスプリングが弱かったのだ。

ただ、ちょっと、気持ち、アクセルが重いかな?という気もしたので
線径を変化させるなどして踏みごたえを調整すべく、いくつかの種類のスプリングをモノタロウに注文した。

BMW2002A 暑さ対策の効果 まとめ2023年07月14日 03時09分13秒

気温30度越えでの夏場ののろのろ走行を1時間もしているとエンジンの調子が悪くなりエンストする症状・・・熱さ原因の べーパーロックとパーコレーション。
その対策として一連の対策を施してきまして、ようやく効果が出たといったところです。
今回は 暑さ対策のまとめ。


まずはその結果から。

キャブのフロート室側面でいつも測ってますが
気温25度での1時間走行後の測定ですが 40℃台!ひえたわ~~~
50度以下なら おんのじ!
今度 猛暑日にまた テストしてみます。


かつてはこんなに上がってた (ガソリン沸騰) この時は気温32度


キャブに結露してました
ベンチュリ付近はエアの流速で冷えて 湿度高いからね~

この時 水温計根元85度ぐらい





デスビは68度!あつい。
シリンダヘッドの熱が伝わるし エキマニの上にあるからね


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今回施した暑さ対策をふりかえる

エンジンルーム内では90度近くあり、ガソリンが気化しているのが見えた。^^;
トランク内は40度程度。
夏場はなるべく 燃料満タンを心がけましょう。
燃料残が半分になる前に 給油!


なまし銅管を使用して燃料ラインを延長し クーラーの冷気を利用。
冷え冷えのエバポレーター前に燃料ラインを経由させたことで
ガソリンを5~6度は冷やしてくれます。

エバポの前を通過することで 多少ガソリンが冷える


2002A純正のSOLEX DIDTA → WEBER32/32DGEV
パーコレーションを起こしがちで ガソリンをポチョポチョとスロットルに滴下させていたSOLEXを外し、WEBER32/32DGEVの中古に交換。
もうガソリンは滴下していない。^^

キャブに合わせ燃料経路も変更し、ホースに断熱材も巻いた
キャブとインマニの間には ささやかなアルミの遮熱板を設置

結果、エンジンサウンドも若干ワイルドなものに変わり(エアクリの形状のせいかとも思う)、
パワーアップし、明らかに速くなった^^(その分ガソリンは消費していると思われ)
踏み込むと あっという間とは言わないが スピードメーターの針がぐいぐいと上がっていく。
これはSOLEXキャブには 無かったフィールだ。


にしやん号のマルニから おさがりのミツバ電磁ポンプ
どんどん 冷たいガソリンを循環させてやります

こののち、ブラシレスDCファンで 電磁ポンプの冷却も施した
ここでガソリンを温めても 悲しいしね (冬場はファンは切ります)

もとの機械式ポンプは取り外して蓋


インマニからキャブに伝わってくる熱を なるべく断熱したくて。
最初、5mmにしようかと思っていましたが、贅沢に10mmにしました。
ビフテキと一緒です。^^

混合気の流路に段差がないように 微妙なポート形状加工済み。
この加工、結構よかったんじゃないかと思う。
断熱ですが キャブ直下のインマニが80度なのに対し
キャブ根元が50度ぐらいでしたので
効果はあったと思います


アイドリング中、熱がこもりがちなエンジンルームでどんどん熱くなるキャブ・・・
これを強力に冷やすダクトファンの風!クーラーと連動させてます
ダクトでキャブにダイレクトに外気の風をあててる
これまでアツアツだったキャブが 手で触れるぐらいに冷えてます
ファンの音も 室内に居れば かすかにしか聞こえません

また、こっちからも 走行中は風が当たるようにしました
ホームセンターで売ってる エアコンのダクト、1本300円です。(冬場は外してください)



カークールシート設置
これはパーコレーションに関係ないが 
ドライバーの体感的には最も涼しい^^ なにより腰や背中がムレないのがいい
これも冬場は外してしまった方がいいと思います。
本来のE92革シートの座り心地をスポイルしているので。




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冬場外すもの/稼動させないもの
・エンジンルーム内のキャブ冷却ダクト
・トランクルーム内の電磁ポンプの冷却ファン(配線を抜く)
・室内のクールシート(外して時には革シートの手入れを)
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見返してみると ちょとやりすぎ感もありますね・・・
でも真夏の路上でエンジン止まるよりはいいか!

でも一番いいのは・・・・
猛暑日はマルニに乗らないこと!
乗っても、長いことアイドリングしないこと!
もしそれでも止まったら ボンネットをあけて エンジンしばらく冷やすこと。

BMW2002A 暑さ対策その7 キャブ冷却2023年07月13日 12時51分33秒

キャブ自体を冷却するためのインライン式


75mm直径のダクトホースを取り付けて 水抜き穴をあけて


このファンが強力にフレッシュエアをエンジンルーム内に送り出します


バッテリトレイの下に ちょうどいい開口部があります。

ここに冷却ファンを押し込み ここからフレッシュエアを吸いこませる


エアは75ミリダクトを通って エンジンルーム内へ
オイルフィルタのそばを通ります

キャブに風が当たるようにします
クーラーの冷却ファンの配線と共用にして配線
つまりクーラーをONにしたら それと連動してキャブ冷却ファンもONとなる


もうひとつ、こちらの開口部も使用してキャブに風を当てました。

BMW2002A 暑さ対策 その6 キャブのインシュレータ追加2023年07月12日 13時05分12秒

パーコレーション対策として
キャブのインシュレーターをつくります。
インマニからあがってくる熱を キャブに伝えないようにするための
断熱材みたいなものです
キャブはなるべく熱くなってほしくない。
エンジンルームの熱さもありますが、けっこうインマニからの熱伝導がパーコレーションを引き起こしているのではないか。
実際、気温30度で1時間走ってインマニを計測してみると、70~80度ありますよ。
フロート室はこの時60度近くで、確実にパーコレーション起こしてます。
理想はフロート室で45度未満です。

別名 ベークライト といって 耐熱120℃の樹脂です。

ベークライト板とは耐熱性、強度、電気絶縁性などに優れた、性能バランスのいい熱硬化性樹脂です。 現在は樹脂単体ではなく、樹脂に基材(紙または布)を織り交ぜて成形した積層板として流通しています。 耐熱性や電気絶縁性に優れる点、強度が高い点、射出成形で加工できる点などは、ベークライトのメリットです。


加工性は抜群  かなり繊細な加工ができます

インマニの穴径と キャブの穴径が数ミリ違うので

加工してぴったりに合わせました



インマニとインシュレータに若干の段差があるので インマニ側を少し削ってやりました
たいした変化はないと思いますが^^;



余計なエア吸いがないように 厚めのガスケット紙でインシュレーターの上下を挟みます。
左のアルミ板は インマニの熱がキャブに伝わらないようにする遮熱板です。


10mmでどのぐらい断熱性があるのか テストランして 今後 検証してみます
まぁ4本のねじを伝ってくる熱は 防ぎようがないですが
これで少しでも パーコレーションが起こらなければいいのですが
海外ではキャブ車用に17ミリほどのインシュレータも
売られていますからね(マルニ用ではないですが)


テストランで温度を見てみました。
気温33度、湿度80% 水温計付近で94度のとき
キャブ直下インマニ 75℃

インシュレータをはさみ キャブの一番下 55℃。
20度も違う。

もっとも ベンチュリの部分では 45度と、エアが通る部分故、インマニよりは冷える部分ではありますが



キャブが10mm上がったので
スロットルリンクの軸受けも上げます

それに連動して アクセルリンクのスプリングの張りの長さも変わるので
(アクセルのふみごたえが変わってしまう) 
こちらも新しい穴をあけて 従来のふみごたえをキープしました。


もうほどんど 暑さ対策はやりつくしました。
あと 残る方策は一つ。
キャブ自体を冷やしてやることです。
つづく


BMW2002A 暑さ対策 その3 キャブをWEBERに交換2023年07月07日 15時13分48秒

パーコレーションで ガソリンをおもらしする ソレックスキャブ・・・

もう交換したくなって
WEBERのダウンドラフト キャブをパーツ棚から引っ張り出します。
WEBER 32/32 DGEV といいます。
マルニのキャブ車の交換用キャブとして よく使われるものです。
過去に程度の良い中古を ゲットしておいたものですこの際、分解清掃して この2002Aに取り付けてみます。


スロットル部分。

上下分割しました


ガソリンが溜まる フロート室内 きれいです


2バレルのベンチュリ―。
最も狭まった箇所が32mm直径


アクセルリンケージ。
プライマリと セカンダリの連携が ギア式で わかりやすい


フロートの高さ確認。ガスケットなしで41mmでOk

ニードルバルブ

加速ポンプのダイアフラムの点検。問題なし


バイメタルを使用した オートチョーク機構
これまでと同様、オートチョークリレーを介して加熱します


取り付けました。
特に加工も必要なく、ポン付できます。

アクセルとのリンクロッドも 加工なしで取付できました
ただし クーラーのアイドルアップ用のステーは 製作しなきゃ なりません


リンクロッドの調整


 燃料ラインも繋ぎました



ではエンジン始動!
空のフロート室にガソリンを送り込んだ20秒ほどのクランキングのあと、
2発目のスタートで ちゃんと かかりました!

エンジンかかったら
ファストアイドル回転数や チョークバタフライの開度調整


アイドリングの ミクスチャースクリュの調整をして ととのえます


新しいキャブの具合 いいですね~

ちゃんとアイドリングもして ふけ上りも良好です。(当然か)
動画は こちら


エアクリも小さいものに 変わりました


エアクリは丸くでかいオードブルパックから
四角いステンの弁当箱に なりました(笑)

気温は30℃。
30分もガレージ内で クーラーつけっぱなしで長時間アイドリングしていると
ガソリンは50度を超えて やっぱり、沸騰してきました。
う~ん 30度越えの気温では やっぱり来るか~~
でも プライマリ側に ガソリンは漏れていませんね。^^

上から フロート室がかすかに見えるので 温度を測ろうと温度計を突っ込みました。
55℃!
50度未満では アイドリングがラフになることはないのですが。
アイドルジェットの通路の中で ガソリンの気泡が発生してるのかもしれません
となると、もっと、キャブ自体の温度を下げる対策をしなければならんのかも。

 温度計でフロートを押し込んでしまったらしく、ガソリンがどんどんフロート室に流れ込んで、ぐつぐつ煮えたぎったガソリンを オーバーフローさせちゃいました。(笑) →エンスト。
迂闊だった・・・

キャブ交換は やっぱり パーコレーションの解消の 決定打にはなりませんでした。
もともと、30度超えの気温のなか
クーラーつけたままでの30分超のアイドリングして パーコしないのが無理なのか?

だけど、ぽたぽたと ガソリンが滴下することはなくなったので
このままWEBERのキャブで乗ってもらいます。

後記:
その後、100kmほどこのWEBERキャブでテストランしました。
明らかに速くなった!
同じペダルの踏み込み量でも WEBERがSOLEXよりも早いと感じます。
特に、3速での時速50kmから上が 踏めばそれなりにグワ~~とパワーが出て速くなりました。
見通しの良い道で踏んで 時速80㎞に達するまでが 早くなりました。
あと、エンジン音が変わりました。よりワイルドになったというか、男らしくなったというか
一言で言って、ワイルドスピード!です。
より ガソリンを多く エンジンにぶち込むようになった、という感覚です。
燃費はまだ計測してませんが、良くなってはいないですよね^^;



パーコレーションの次なる対策。
あきらめず、続きます。

BMW2002A 暑さ対策 その2 燃料クーラー2023年07月06日 19時36分40秒

暑い夏!
エンジンルームが熱くなってくると、パーコレーションしてしまいます。
走行中はいいのですが、
信号待ちでエンジンのアイドリングが不安定になり、エンストの可能性も。
先日キャブを覗いてみると ガソリンが沸いて スロットルに滴下していた・・・。

対策その2として
何とかガソリンを冷やしたいので 燃料クーラーを作ってみた。
先日のロックアイスでの冷却法ではないが、
燃料ラインをクーラーの冷気で冷やせばよいのではないかとの発想。


普通のゴムホースではなく、熱伝導の良い銅管を使う。
モノタロウで買った なまし銅管6.35mm径。
やわらかく この直径なら手曲げも可能だが 下手に曲げて管の「つぶれ」には注意。


1.8m分をこのように曲げ


クーラー室内機の横に穴をあけ、銅管を入れる。


一番冷えるところの エバポのまん前に 銅管を持ってくる。


燃料ラインは トランクからきて 室内のここを通っているので
途中でカットし・・・。

この銅管に接続する。
エンジンルームに入る前に なるべく冷やしておこうという作戦。
こうすれば、クーラーを使用するような暑い日は ガソリンも冷やしてくれる。
とりあえずはエバポの前の銅管60cm分だけ冷やしていいるが、
コルゲートチューブをもう少し太いものにして
エバポの中に入るまえから 管の中を通り冷気で少しづつ冷やしていけば
1.5mほどの冷却ラインができるだろう。


実施に温度を測ってみた。
エンジン始動前、ガソリンタンク底の温度は 25度。
30分アイドリング。
上の写真のレッドの接続部分で35℃。
ブルーの接続部分で30度となり、この対策でガソリンが5度冷えた。
なにもしないと、どんどん上がる一方だから、結構冷却しているのではないだろうか。
キャブのフロート室の温度も40℃題で、50度以上には上がりにくい感じ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※後日再計測した
@気温33度、湿度90%
ガソリンタンク:36度
燃料ポンプ:36度
赤色矢印部分銅管(冷却後)30度
やはり 5~6度ほど 冷やしてくれてました
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※また別の日にも計測
@気温35度 湿度85%
ガソリンタンク:40度
冷却後の部分 銅管36度



・・・とはいえ、完全とは言えず、
アイドリングを長く続けていると、やはりエンジンルーム内部の温度が上がり、
インマニもキャブも熱くなるわで、やはり時間がたてばパーコレーション気味(アイドリング不調)になる。
今回の対策は ちょっとパーコレーションになるのを遅らせたという程度であった。

そのそも クーラー効かせればきかせるほど
電動ファンでコンデンサーを通過したあったかい空気が
エンジンルーム内に送り込まれているからね~~・・・




次なる一手は、ソレックスのキャブから
熱で ガソリンが滴下してしまうのを
何とかしたい、ということで キャブ自体を対処する。






BMW2002A 暑さ対策その12023年07月04日 17時04分33秒

真夏の走行を想定し 
クソ暑い中の 田んぼ道を ノロノロ走っては止まり、10m進んでは止まり、
の繰り返しで低速テストラン中。
渋滞にはまったことを想定してのテストランだ。


信号待ちが延々と続く想定で シフトはAに入れっぱなし。
アイドリングの様子や水温計をの動きなどを観察

あがってきたね、水温

水温が上がってくると アイドリングがラフになってきた・・・!
タコメーターの針が微妙に振れ 斜体に振動も加わる・・やだね~~

エンジンルームどうなっているか。
30分も走れば エンジンルームはアツアツである

なんとキャブのフロート室は60℃度以上!
これはガソリン煮えたぎってるわ

燃料フィルタ付近 エンジンルームは80℃以上・・・

そんなあっついエンジンルームのど真ん中、
燃料ポンプの直前に取り付けていた燃料フィルター。
いつもこんな風で空気が抜けきらないのであるが、
問題なのは 気泡が燃料ポンプの方に吸い込まれていくことだ。
これは周囲温度が熱くてガソリンが沸騰、気化しているのだ
矢印のところに気泡があるのがみえる、こいうのが連続してポンプに吸い込まれていくのが見える
エンジンを止めてみても。燃料フィルターの中で ポコ、ポコ・・・と気泡が発生しているし
ガソリンの表面は 沸騰した水みたいに かすかに踊り沸いている感じだ
海外ではVapor Lock (べーパー ロック)といって、キャブ車乗りの夏の悪夢である


こうなるとエンジンはたちどころに調子が悪くなり、(ふけなくなる)
エンストしてしまう。エンジン始動もままならない。
こういうときはあきらめて ボンネットをあけ 最低でも30分~1時間は エンジンを冷やすしかない。
とにかくガソリンを冷やすことだ。

早く何とかしたい場合は、右ドアの下、サイドシルに沿って
ガソリンがエンジンルームに向かう樹脂チューブがあるので、
カーペットを剥いて、チューブを少し引き出し(手で触るとお湯のようにあったかいはず)、それをコンビニで買い求めたロックスアイスをあてて強制的に冷やすことだ。(エンジンをかける)
氷が溶けだしてロックアイスの袋の中に水が出てくれば、狭いところにも袋が追随するので
なお冷えてよい。1時間以上は冷たい状態を持つだろう。
40~50度近いガソリンがある程度は冷えるので、エンストもなくなんとか家にたどり着くことができる。
(先日、実験済み)
ただしこの症状も、エンジンが冷えてしまえば
何事もなかったかのようにエンジンはかかり、普通に車は走るのが
パーコレーションの現象だ。
また、気温の高い時だけにおこる。



ということで真夏の走行、べーパーロックとパーコレーション対策その1。
あつあつになるエンジンルーム内の燃料フィルタは外す。

燃料ホースだけにして

断熱材を巻き、コルゲートチューブで保持
バルクヘッドから燃料ラインが出てくるところから キャブまでがっちり巻いた。
これで少しは熱対策になるだろう


そして外した燃料フィルタは トランクルームへ

燃料タンクから出たばかりのところ、ここに設置
周囲温度は上がっても この周辺は40度程度であった。
周囲温度が90度のエンジンルームと比べたら ここは断然涼しい。
もうフィルタの中でガソリンが湧くこともないだろう・・・



アイドルがラフな原因はキャブにもある。
キャブのプライマリー側をじっくり上から見ていると、
メインジェットからガソリンのしずくがぽた・・・ぽたと スロットルバタフライに滴下している
これがラフなアイドル不調の原因だ。
いわゆるパーコレーションだろう。
余計なガソリンが滴下するために アイドリングの燃調が狂い、時間がたつにつれ、アイドリングは調子が悪くなっていって やがてエンストする。
すでにOH済みのキャブだが・・・
原因が熱にあるなら、その根本原因の熱対策もしなければならない。
パーコレーションが起こっているなら、ガソリンを冷やすようにしなければならないし、キャブ自体も熱くならないよう対策を講じる必要がある

ガソリン滴下のようすは こちら


外国では キャブがとても熱くなってしまう事を HEAT SOAK といって、
キャブレターがアツアツになっていろいろなトラブルを引き起こす。
YOUTUBEで
CARB    HEAT SOAK    VAPOR LOCK 
などのワードで検索すると
海外の方々はいろいろDIYで対策しているのがわかる
米国はキャブ車も多く走っており、それの対策パーツもどんなものを使っているのか、非常に参考になる。