BMW2002tii ガソリンタンクの内部コーティング1 ― 2025年04月04日 14時25分55秒
今日は天気もいいので
ガソリンタンクの内部の掃除をします。
インジェクション仕様の2002tiiのタンクには穴が2つある。
でかいほうが燃料の吸いこみ&リターンパイプの取り付け。
小さいほうがフロート式の燃料センダーの取り付け。
まずはここのへこみを直す。
プライヤーでグイグイやって完了^^
内部はご覧の通り。
半世紀も経てばこんなもん。
逆オワンみたいになっているところに燃料の吸いこみ口が入る。
なるべく錆ごみを吸わないために こういう形状になっているのだろう。
でかい穴からなんとかデジカメが突っ込めますので
内部を撮影。
底からサイド
上面のサビ
穴から手を突っ込み、ワイヤブラシやペーパーでこすれば この程度は錆が取れる。
しかし、奥待ったところは無理。届かん。
柄の長いワイヤブラシでも ちと無理。
そこで小石を入れる。ふるびたボルトやナットでも良い。
タンクを抱え、ガラガラと振りまくると、小石が浮き錆を削り取ってくれる。
小石を取り除いた後。
これぐらいにはなる。疲れたから もうやめた(笑)
水洗い。
洗剤も入れてまた振り、余計な油分も落とす。
そのあと、メタルレーディを投入!
錆取りと塗装前の下地処理を兼ねています。
溶液温度20~60度の方が良く処理できるというので
廃油ストーブで溶液を温めつつ、
ときどき振って内部全体が常にメタルディで濡れている状態を保つ。
こんなことを最低でも20分行う。
メタルレディ溶液を別容器に移し替え、(再利用できる。)
内部をよく水で洗浄する
乾燥させたところ。底面からサイド。
錆が良く取れていますね~~。
タンクをさかさまにしておいたら 天井の錆もきれいに取れたたんじゃないかな。
廃油ストーブの上で 内部にエアブローしながら30分乾燥させました。
あとは天日干ししとく。^^
完全に乾燥させるべし。
次回はタンクシーラーで内部コーティングします。
以前レストアした2002Aのタンク内部もこれで処理しました。
この塗料は完全乾燥まで数日かかります。
そのあとはガソリンを入れても半永久的に錆が発生しないといううたい文句の商品だ。
BMW2002tii バルブステムシール打ち込み ― 2025年03月31日 14時36分02秒
BMW2002tiiのシリンダーヘッドを組み上げます。
まずは新しいバルブステムシールを打ち込む。
その前に!
スプリングの座布団ともいうべき スプリングシートを先に置くこと!
そしてオイルをまぶしたバルブステムシールを
バルブガイドの頭にかぶせ はめ込むのですが その前に。
サイズの計測。
スプリングシートからバルブステムシールのトップまで
高さが18.4ミリぐらいになれば ぴったりはまり込んだことになる。
打ち込みツールには 12ミリソケットがぴったり。
シールの内側ラバーには薄くオイルを塗ります。
エクステンションをかまし、8割がたは 手の力で押し込める。
しっくりと手に抵抗を感じつつ。(すんなり入ってしまうようでは いけません)
最期はコンコンと 小さな金づちで優しく叩き込む。
奥まで達すると 叩く音が微妙に変化するものです。
ガンガン叩きすぎて シールのゴムをツブシ切らないように!
ここの高さで確認。18.4~18.0ミリになればOK。
この「打ち込み完了」という判断のために あらかじめサイズを測っておいた。
ご覧のように、バルブステムシールをはめたら
スプリングシートは、後入れはできませんので 注意です。
昔、先にバルブステムシールを入れてしまったことがあり
後で気づいて、1個バルブステムシールを無駄にしたことがあります。
そんな時に限って、シール個数がピッタリの8個しかないんだな。
急遽、1個追加注文という 情けない顛末。
無事8個はめ込んで
バルブとスプリングを入れる準備はできました。
BMW2002tii エンジン回りこまごま修正 ― 2025年03月28日 13時27分32秒
ひと月ほど停滞していたレストアで預かっているBMW2002tii、
レストア再開です。
手始めは エンジンまわりのこまごました修正項目から。
シリンダーヘッドのディバイダ部分。
ここに水温センダやサーモタイムスイッチがねじ込まれ、
3本のウォーターホースを接続しますが。
ご覧のような腐食具合で。
1か所、穴あき。
もう1っか所は かろうじてもっている状態。
ねじ込まれたホースニップル、固着していて緩まない!
思いっきりトルクをかけたら、ディバイダの方がバキッと割れそうで、
このまま再使用することにした。
腐食したアルミ部分のデコボコ補修は POR-15パッチパテでぬりぬり。
JBウエルドもこういった補修にはうってつけだが、クーラントに接していると長い時間をかけて軟化してくるとの情報から、使わなかった。
完全硬化には 2,3日かかかるはず。
POR-15パッチパテ完全硬化後に やすりで削っホース接続部を成型しよう。
続いてオイルフィラーキャップ。
これのシールゴムが完全硬化しちまっていたので、ゴム部分だけを交換する。
モノタロウで買ったNBRゴムシート3ミリ厚から
内径40ミリ、外径55ミリのドーナツ形状ををカッターで切り出し。
キャップにぴったり はまります。
ゴムにエンジンオイルを軽く塗って 取り付けます。
うん!いいはまり心地で、これならオイル漏れしなさそう。
オールドタイプ形状の金属製オイルフィラーキャップは 今や貴重ですよ。
ここからじわじわとオイル漏れしてくるという方は
3ミリ厚のNBRゴムシートから切り出してのDIY交換をお勧めします。
続いてエキゾーストマニホールド。
このtii用にと ヤフオク!で購入しておいたもの。
ざっと さび落としをして。
ねじ穴を修正します。
この部分のM6ねじ穴だけは 貫通していたよ。
このあとスレコンを塗ったM6ボルトで穴ふさぎ。
(本来は遮熱板取付用のねじ穴です。)
M10ダイスでダウンパイプ接続部スタッド 3本 の錆取り。
サビを噛んで なかなか硬いですが 奥までダイス掛けました。
取付の際は、M10ナットも気持ちよく通るでしょう。
きれいにしたスタッドはスレコンを塗り込んだら
エキマニ取付まで保管です。
BMW2002A 継続車検合格 ― 2024年11月14日 13時27分23秒
ヘッドライトバルブをLED化した2002A
リフレクタはtiiのアルミテープを貼ったものに換えてみた
冷却水やらエンジンオイルやらをチェックし いざ出発。
冷却水の量は冷間で
ラジエターの狭いしぼり口から液面まで1インチになるように(約2.5cm)
テスター屋に行って測ると、
1週間前にハロゲン+オリジナルリフレクタで100hCd(ヘクトカンデラ)だったのが(150hCd=15000Cd 以上でないとダメ)
LED+アルミテープ貼りリフレクタで543hCdとなった!
まだ光軸調整前に付き、判定はばつになってますが、
このあと調整してもらいOkとなった。
ちなみに光軸の調整は、2つのダイヤルを手で回して行う。
自分でもできるが、テスターがないと車検合格になるかどうかはわからない。
排ガスもまたチェック。
マルニの年式では COはMAXで4.5%、HCはMAXで1200ppmという基準。
CO 2.39% 、 HC244ppmに調整し 余裕で合格範囲内~。
この2002Aのキャブレターは WEBERの32/36 DGEV
車検ではアイドリング時の排ガス検査なので
アイドルミクスチャースクリュを回して調整することになる。
アイドリングが不安定にならない範囲で薄くなる方向(時計回し)に回し。
画像ではほぼ目いっぱいに右回しになっている
画面中央のアイドリング調整ねじも調整し、排ガスのいいところをテスター屋で探る。
ちとアイドリングが下がりすぎてエンストしないか不安だが
車検ラインの間だけなんで。
このテスター屋のニキ達は いつも親身になっていろいろやってくれるなぁ。
毎回めんどくさいことをやってもらってるんでBOSSを差し入れた。^^
テスター屋を出て 陸運で書類を仕上げ(トナリのオジさんに色々聞かれました^^:)、
車検場で2ラウンドのラインにはいる前の最終チェック。
ラインに入ります。
先月からいろんな車を通して 今回でもう5回目だ。
15分後、一発合格!ヨーシ!
これでまた2年走れる。
50年選手ですが まだまだ現役で 遜色なく走れますよ~~
考えてみれば、マルニが良くできているからなんだね。
ガレージに帰ってから 車検合格の記念に 矢印のパーツを奢った。
オイルキャッチタンクだ。
アマゾンで2500円。
中はこうなっている。もちろん空っぽ。
付属の金タワシをブローバイガス(燃焼室を吹き抜けた高温ガス)が通過することで
ガスに含まれるオイルミストや水蒸気をタワシがキャッチし、
タンクの底に 水とオイルが混ざったモノを ため込んでいくのだ。
スティックつきなので ときどき抜いてみて ヘドロが溜まってないか確認をしてください。
そんなにすぐ溜まるものでもないが、
もしススティックの先に汚いものが付着していたら、下のタンクを外してヘドロを捨ててください。
エンジンのヘッドカバー部からから吸いだされたブローバイガスの流れ。
途中のキャッチタンクで よろしくないものをできるだけ取り除くわけだ。
このキャッチタンクがないと、ブローバイガスホースの途中に
水とオイルが混ざって乳化し、汚れたカスタードクリームみたいなヘドロになっていく。
これがキャブに吸い込まれて トラブルを起こすことになる。
BMW2002A ヘッドライトの片方が暗い LEDバルブ装着 ― 2024年11月13日 19時49分03秒
2002Aの車検の前にテスター屋で指摘されたのが 左側ヘッドライトの暗さだ。
ハロゲンのままだが、合格ラインの7割ぐらいしか光量がでていないというl。
リフレクタの劣化が進んでいる・・・。
対処として、アルミテープを貼ったリフレクタがあったので
これに換えてみる。
実はこれ、預かっている2002tiiのものだ。
ちと アルミテープのシワが多いが。。。
ハロゲンライトを点灯。
やや散光気味か?
リフレクタにシェードの傘がないのが 影響してるんだろうか?
正面から見る。 散光しているかな~
テスタ―屋で計測。
前回の2割増しになったが 、まだ 合格ラインとはならなかった・・・
数値でいうと、150hCd(=15000Cd カンデラ)はほしいところが 124hCdしかないという。
光が散って 集中していないからかもしれない。
ちなみに光が集中しているように見える右側ライトは170hCdあるから合格ラインは超えている。
アルミテープリフレクタ作戦は失敗かぁ?
それともアルミテープをはがしてもういっかいキレイに貼りなおせば光が集中するようになるのか?
そんな研究時間はないので
LEDバルブに交換してみる。
装着したところ
ポン付けしただけではだめで、BMW2002のヘッドライトをLEDにするときは
配線を変更しないといけない。
古いヘッドライトリレーもばいばいする。(検査に関係ないロービームのリレーですが)
いろいろとやり方はあるんだろうが、にしやんはシンプルに
HiとLoそれぞれにリレーをかませて点灯させる。
2002ではLEDバルブをポン付にすると
メーター内のハイビームのインジケーターが点灯しなかったり
点灯しても不安点にチラついたりしてしまう。(配線の問題か)
この問題は自分のマルニのヘッドライトをLED化したときに悩んだところ。
また、ハイビームとロービームのきり替え操作のために、
多少の配線加工が必要になるのだ。
あ~めんどくせ~~
Lo/Hi切替レバーの根元にリミットスイッチを設けることで
物理的に切替のスイッチングをすることにした。
色々やり方はあるんだろうが、にしやんが思いついた方法。
はい、LED点灯!(ロービーム)切替も問題ない。^^
Hi/Lo切替の動画は こちら
ちゃんとメーター内の青いハイビーム・インジケータ(こちらもLEDバルブ化)も
しっかり点灯しています。
配線図、のせときます。
レバーの配線組み換え
リミットスイッチはアマゾンで購入
最終的には こうなります
LEDハイビーム点灯ッ!!
検査はハイビームで行う。
さてテスト結果の数値はどうなるか?
BMW2002A リアブレーキ整備 ― 2024年11月10日 11時50分38秒
車検に向けた総合テストで指摘された事項
右のリアブレーキ。
左右で差が大きい。右リアブレーキの利きが弱い。
左右の総和で308。左右差で46の数値。
コレで車検が通らない可能性ありとのアドバイス。
この左右差でブレーキ検査に合格しないことが多いらしい。
何とかせにゃならん。
ガレージで整備します。
ブレーキドラムを外し・・・
まずはシューのスキマ調整。
裏側にある17ミリ調整ボルトを回して
(これが固着しているマルニの何と多い事よ!
メガネレンチかけられないので、硬いボルトをオープンエンドレンチで回すときなめないかと緊張します)
シューの穴にぴょこんと出ているでっぱりを
穴の外側にあてるように、偏心ボルトをどちらかに回す。
左右それぞれにあるので、左右ともに調整。
この調整でドラムとシューのスキマを最小限にしたい。
シューを外側に押し出しすぎると、今度はドラムがはまらなくなったり、
ブレーキの引きずりが起こるので注意。
現代車のドラムブレーキは自動でシューのスキマを調整してくれる機構があるんだけどね~
マルニは手動です。
シューは減っていくものなので、2年の車検ごとに、というよりは、走行距離管理(何キロ走ったか)でここのスキマ調整をしなければならないですね。
そして本丸、ホイールシリンダーを外す。
あっ、固着してる。
もう、手で触っただけで分かるわ。
左右のピストンが固まって動かないもん。(もちろんブレーキの油圧では動くが、指では動かない)
なんとかピストンをまわしてねじってこじって分解。
シールに損傷ないレベルだが。
このシリンダーの内側に錆つきなどの段付きがあってスムーズにピストンが動かない。
余り車に乗らないでいると シリンダーの中の動きが渋くなってしまう傾向にあるね。
錆が出てきてしまうんだね。
他のマルニも同様だった。半年前の1502の整備でも同様だった。
せめて1週間に一度は乗ってあげて ここがさび付かないようにしたい
あるいは 毎日ブレーキだけを踏むか?
ホイールシリンダーは、もちろん、新品に交換。
ネット(パーツのパルカ)で購入、6000円しない。ヤフオク!で売ってる。
新品はもう、指でピストンをいじってるだけでスムースにぴょこぴょこ出入りする。
いじっているうちに、片側がピュンと勝手に飛び出しちゃうぐらいに。
新品の動きは こちらの動画
ラバーグリスを塗ってまた挿入し、組み込みます。
シュー機構を組み込み。
戻りスプリングを引っ張る。このツール必須。
そしてブレーキラインのエア抜きをします。
エア抜きでペダルを踏む際は、ブレーキドラムを装着するのをわすれちゃならないよ!
忘れたら、どんな悲惨なことになるか わかるよね?
いつもの スネークカメラでエアの抜け具合を見ながらの 一人エア抜き作業。
こいつは便利だよ。
しっかりエアも抜いて踏みごたえも出たので右リアはok^^
このあとホイールを組み込み。
ついでに 問題の無かった左側も このノリでやる。
やはり、ピストンの動きがスムースでないので メンテする。
動きが渋い場合は シリンダーの内壁を耐水ペーパー1500番で磨き。
内側の薄いサビなどを取りたいだけ。
内壁をぴかぴかにして洗浄。
ピストンのシールには損傷がないか確認したうえで
専用のブレーキグリス塗って組付け。
前よりは動きがスムーズになった。^^
ブレーキ組んで、ホイール組付け。トルク締め忘れずに。
う~ん リアタイヤ、寿命ですよ~。溝の中にもヒビが。
後輪はデフにつながってるので軽くは回らないですが
シューのスキマ調整後は、スキマを詰めすぎてドラムの引きずりがないかだけ、手で回して確認します。
もし引きずりがあれば、手ごたえで重く感じ、すぐにわかります。
はい、okですね。
そのほかの整備もして(後述します)
翌早朝、パトカーの先導のもと(笑)、テストランに出る。
ブレーキの踏みごたえ、かな~り改善した~!
踏み始めからじわぁ~ッと
踏み始めからじわぁ~ッと
踏んだら踏んだだけしっかり効くようになりました。^^
これはシューのスキマ調整が かなりきいていると思う。
ガレージにもどってからブレーキフルード漏れがないか、点検して 完了です。
左右差がなくなったかは、週明けにまたテスター屋で計測してもらいます。
→ 計測したところ、左右差は縮まり、(0にはなっていないが)、合格範囲になりました。^^
BMW2002A ブレーキディスク交換2 ― 2024年11月09日 13時23分57秒
車検整備中で預かった2002A(オートマチック)。
ホイールベアリングの保護用のオイルシールがモノタロウから届きました。
古いものはこのように 変形しちゃっていましたのでシールプーラーで外します。
新しいものに交換です。オイルシール400円也。
下の画像の1番がオイルシールです。
黒くなっちゃった古いグリスも掃除しなきゃ
フロントのホイールルベアリングは2番と5番で 2個入っています。
2番のローラーベアリングを点検。
OKだったので 新しいグリス封入。
ではオイルシールを打ち込みます。
優しくツライチに。
純正のオイルシールは内径40,外径52,厚み7mmですが、日本に無いので
内径40,外径52,厚み8ミリで代用しましたが問題ありません。
ハブと新しいブレーキディスクをハブボルト4本で合体。
トルク66Nm。
シャフトに慎重に入れ、ハブナットを仮締め。
取り外すときは黄色→位置で合いマークをつけましたが
今回ハブナットをもう一コマすすめて赤矢印で固定しました。
コマ一つ分、締めこんだことになります。
ステン割ピンで緩み止め
ハブキャップ、キャリパーの取り付け。
ブレーキペダルも踏んで パッドが当たるかも確認。
ホイールをはめたら、ちゃんと問題なくスムースに手で回るか確認します。
異音もなし。
では公道に出て試走。
5,6回ブレーキを踏んたあとでこんな感じ。ディスク表面の防錆コーティングが剥けてきてます^^
もっと走り込んでブレーキを踏んでパッドとディスクの当たりを
馴染ませないといけない。
もうしばし走ります。
これぐらいになれば、パッドの当たりもでてきて
ブレーキングのタッチも良くなりました。^^
明らかに 交換前よりは、ブレーキ制動力が出ていると感じました!
実際、テスター屋に行って、ブレーキ制動力を測定してもらいましたが
じゅうぶんに車検合格ラインをクリアしていました。^^
しかし、リアブレーキの制動力に問題があることがテスターで判明。(ヘッドライト光量にも・・)
次はリアブレーキのメンテをしなければなりません(´;ω;`)。
BMW2002A ブレーキディスク交換1 ― 2024年11月05日 10時47分49秒
にしやんとこでレストアしたBMW2002Aの車検を頼まれた。
ブレーキの利きが悪いとのこと。
このマルニはうちでレストアしたもので、キャリパーのOHやブレーキライン交換、ブレーキホース交換、マスターシリンダー交換、パッドはDIXCELに交換までしてあるが、ブレーキディスクだけは交換していなかったのだ。
今回 未着手だった左右フロント ブレーキディスクを交換する。
だいぶ劣化しているね・・・見ただけで もう・・・
キャリパーを外したら クランプでピストンをめいっぱい押し戻しておく。
あとで厚いディスクに かぶせなきゃいかんからね
このとき押し戻されたブレーキフルードがリザーバーに若干戻るので
フルードが溢れてこないか 注意しておく。
ハブキャップを外し。はまってるだけ。
中はこうなっている。
ハブナットの頭にマーカーでペイントを入れ
ハブナットの頭と ハブのトップ間の 距離をノギスで測っておく。5.6ミリだった。
締め付けの際の参考値になるので外す前に計測しておくのだ。
ハブナットの回り止めの割ピンを抜いて ハブナットを外す。24ミリソケット。
というか、軽く 手で出回った・・・。
ディスクとハブは一体になっているので
ホイールベアリングとともに抜き取る。圧入されてはいない。
ホイールベアリング。(ローラーベアリングです)と特殊形状のワッシャ(図の6)
ローラーの当たり面(ベアリングのアウターレース)が荒れていないか、確認。
大丈夫だね。
もしここが荒れてたら、走行中にゴ~という異音が出るだろう。
そうなったらベアリングを交換するしかなくなる。
ちはみにハブは新品ででるものの、めっちゃ高いんだぞ!
シャフトも傷一つない いい状態。
BMWのマニュアル図解ではボールベアリングになっているが、実際は
ローラーベアリングである。
裏側にはオイルシールあり。
状態は問題なしってことで再使用。
中に詰めてある古いグリスを 指でかきだす。
ディスクを万力で固定し 8ミリHEXでハブボルトを4本緩める
するとハブとディスクが分離する
分離したディスクとハブ。
新しいブレーキディスクの登場
ワロスで買ったッス。
ついでにホイールベアリングもこのさい交換してしまう手もある。
しかし今回は異音も出ていないので再利用だ。
新しいブレーキディスクの厚みは10ミリであった
MIN TH 9.0mm と側面に刻印アリ。 「最低の厚み9.0mm」の意味。
THICKNESS(厚み)が9ミリを切るまでになったら 交換しなさいということ。
外したディスクは
・・・なんと7ミリ!
とっくの昔に限界に来ていたわけやな。どうりでブレーキの利きもイマイチなはず。
この差。どうよ?!
なんでここまでやせ細る?答え:50年たってるから。
新ディスクにハブをハブボルト4本で結合する。
ハブボルトの締め付けトルクは66Nm
中に新しいグリスをつめる。
取付準備OK。そっと挿入し、ワッシャーを入れ、ハブナットを締める。
はい 今日の一番大事なとこ~
ハブナットは締めこみすぎるとベアリングに負担がかかってフリクションが増すし、
緩いとガタが出てしまう。気を遣わなければいけない箇所。
外す前はナットの合いマークは黄色矢印の位置であったが、
少々ゆるいかな?とにしやんのゴーストが告げたので 割ピンの入る穴位置も考慮しつつ
ハブナットのコマ一つ分だけしめこんで、赤い位置で止めることにした。
この締め付け位置で
ハブとディスクを手でまわしてみて スムーズに回るか確認。
異音や振動もない。周りもスムーズ。OK!新しいステンレス製割ピンでゆるみ止めの固定。
要らんとは思うが ハブキャップ内にもグリスいれて はめ込み。
ブレーキキャリパーを取り付けたら、ブレーキペダルを何度も踏み込んで
ブレーキパッドとディスク面がしっかり当たることを確認。
ホイールを取り付けたあとも、
手でまわしたり タイヤをもって思いっきりゆすったりしてガタや異常がないか
よくよく確認することだ。
前輪は 車検時下回り検査で思いっきり機械でゆすぶられて
ガタがないかを検査官が確認するからだ。
パッドがディスクに触れるか触れないかの位置にあるので、
タイヤを回すと シャーとかすかに接触で擦れる音がする。これでOK
左側、終了。
ゆっくり丁寧にやって2時間というところ。
右側にうつる。
一回やっていると スピードアップするものだ。
オイルシールに変形アリ。幸いハブには損傷はない。グリス漏れはわずかだった。
最初からこうだったみたい・・・BMWのファクトリーで組付けの圧入時にミスったのかな?
今日の作業はここで中断となる。
パソコンからモノタロウで適合するオイルシール(内径40 外径52 厚み8mm(本来は7mm))を1個オーダー入れ。
明日には届くであろう。
助かる~モノタローちゃん^^。
モノタロウで買うには、確か個人ではだめで 屋号が必要だよ。
にしやんは「BMHouse」という屋号だ。将来はDIYで一軒家を建てることもしたいと思っているので「ナントカ・ハウス」というのにしたかった。
BMW2002tii サイドシル修理14 右側5 ステアリングギアボックスのオイルシールのサイズ確認 ― 2024年09月20日 13時15分57秒
マルニのレストア再開。
ちょっと溶接関係消耗品を切らしちまったので
今日は防錆塗装と
外板パネルパーツの型紙づくりのみ。
4枚で外板を作ります
ステアリングギアボックスに使われているオイルシールのサイズを
レストア中の2002tiiのギアボックスで確認します
仕様工具。
32mmのメガネレンチはアームを締め付けているナットを外すため。
24mmのメガネレンチ2本はギアボックス直下にある足回りのアーム片側を外すため。
これは車載状態の写真ですが
ステアリングギアボックス直下には足回りアームがぎりぎりにあって
このアームの締め付けボルト(24mm)を外さないと
ステアリングアームを締め付けている32ミリナットにメガネレンチをかけることができません。
(オープンエンドのレンチではナットを確実にナメるので やめましょう)
ステアリングシャフト側は すぐにサイズがわかりました。
オイルシールに17.6-30-7 と記載があります。
内径17.6ミリ 外径30ミリ 厚み7ミリ と判断
オイルシールに記載あり
モノタロウで注文したのは 内径17ミリ(17.6というのが無い) 外径30ミリ 厚み7ミリ
のダブルリップのオイルシール。
内径は0.6mmほどきつめだが 問題ないだろうと予想。シャフト径は実測17.9mmほど。それでオイルシール内径は17.6mmなのか。
注文した内径17mmのオイルシールは... はたしてどうだろう?ややきついかな?
下部のアーム側のオイルシールですが
手持ちのツールではアームが硬くて抜けませんでした。
スプラインにがっちりはまり込んでいるみたいです・・・。
大きな32ミリナットで締め付けてあるからなぁ・・
しっかりした2本爪のプーラ―が無いとこのアームはどうも抜けそうにありません。
(3本爪プーラーでは うまく爪がかかりませんでした)
なんとか読み取れました。
28-42.5-8 と 読み取れました。
内径28ミリ 外径42.5ミリ 厚み8ミリ ということか
モノタロウで注文したのは 内径28ミリ 外径42ミリ(42.5というのが無い) 厚み8ミリ
ダブルリップのオイルシール。外径が0.5mm小さいが、さてどうなるか。
置いてみて外径のはまり込みがユルそうに思ったら、シールテープでも巻いて対応しよう。
シャフト径をノギスで計測してみる
アーム側シャフトの直径28.5ミリ。
なるほど、オイルシール内径は28ミリでいいという事か。
こびりついた半世紀分のゴッテリ油汚れを
パーツクリーナーと歯ブラシでさっさとふき取りしときました。
ステアリングギアボックスの2つのオイルシール及び2本爪ギアプーラーを
モノタロウで注文ずみです。
BMW2002A オートチョーク調整 ― 2024年05月18日 14時20分41秒
クーラーの修理を終え
納車前のBMW2002A(オートマチック)
さいごに したいこと。
オートチョークの調整とオートチョークリレーの設定。
ウェーバー・ダウンドラフト・キャブレターのエアクリカバーを開ける。
2枚の黄銅色のチョークバタフライがみえる。
オートチョーク機構とは?
エンジンが冷えている冷間始動時に エンジンが一発でスムーズにかかるようにしてくれる装置。
キャブレターのここにあり、このなかに温度で動くゼンマイみたいなコイルが仕込まれている。
こいつの位置設定がチョークバタフライと連動しており、設定のキモだ。
ゼンマイみたいにぐるぐるになっているのが バイメタルコイルだ。
これが熱で動き、チョークバタフライを動かす。
さて今回は
水温が45℃以下の冷えているとき時だけ
バイメタルコイルに通電させて過熱させるように オートチョークリレーを組み込む。
通電させているとき(=オートチョークが効いているとき)には、ハンドルコラムの脇にあるチョークランプも点灯するようにする。
4極リレーを使いこのような回路を組む
水温45度センサーはリレーの85番ラインにいれて
水温45度以下(エンジンが冷間時のみ)でオートチョークが働く仕組み。
オートチョークが働いている間は、ランプが点灯してドライバーに知らせる。
キャブレター直下のインマニの下部に、水温45度センサーがある。
ちょうどここが、冷却水が通っているところ。
水温45度以下ではON、45度を超えるとOFFとなる温感スイッチだ。
これはパーツ的に欠品なので 大事にしたい。でも他の車種のものが使えるかも。
ではエンジン始動してみよう。
エンジンが冷えているとき前提である。
車に乗り込みアクセルを1回踏んで離すと、チョークバタフライがパタンと閉じるはずだ。
このときバタフライが画像のように「全閉」になっていないと、冷えているエンジンは一発でかかりづらい。吸い込む余計な空気をカットし、混合気を濃くリッチにさせる。
イグニッションキーを刺し、1:ACC → 2:イグニッション・オンの位置にすると、
下の画像のようにハンドルコラム脇のオレンジのチョークランプ(LED)が点灯する。
同時に、トランクルームに設置した燃料ポンプが動き出して「コココココ・・・」と音が聞こえるだろう。
5秒ほどこの状態にしてポンプからキャブにガソリンを送り込ませ、あまり長いこと時間を置かないでスターターを始動。(このときアクセルペダルを踏まないこと!) 一発でエンジンがかかり、1600回転ほどになるだろう。
ただし1週間ほど乗らないでいて 久しぶりにエンジンをかけるときは ガソリンがキャブ内部に十分にないので、最初エンジンがかかりにくい傾向にあるから、いったんエンジンを切り、再度始動するといい。
エンジン始動後は チョークバタフライをみるとこれぐらい開いている。
エンジンが動き出すとその負圧で5~6mm自動で開くようになっている。
このときのエンジン回転数はあまりうるさくならないように、1600~1800回転に設定した。
このファスト・アイドルの回転数は自由に設定できる(バイメタル部の裏にあるねじで調節する)。
通常は2000回転にしろとよく言われるが、ちと音がうるさいので、1800だ。
オートチョークが働き始めると バイメタルコイルに12Vが通電し、ぜんまい状コイルが加熱しだし、その熱でぜんまいが開き始める。
このとき、ここに振れると熱い。やけどするぐらいだ。熱に強い樹脂みたいだが劣化が心配。
しばしガレージ内で暖気。
もしチョークランプが消えたら、水温は45度に達したということ。
これでオートチョークの終わりとなるので アクセルをポンと踏んで
アイドル回転数を落とし(自動で1100回転ぐらいにおちる)、ギアを入れ、ゆっくりと走り出そう。
5月のこの時期は水温が45℃になるのも早いが、
気温の低い冬などは水温計がここまで達するのに ゆうに4~5分はかかりそうだ。
アクセルを一回でも踏めば、オートチョークは自動解除され、アイドリング回転数が落ちる。
チョークバタフライも アクセルを踏んだことに伴って さらに少し開くだろう。
このバタフライは最終的にはエンジンの熱で ほぼ垂直に近いところまで開くことになる。
さて出発。
いきなりアクセルを踏みまくってグワワ~~と走り出さないで
やんわりと、ギアなどを温めるつもりで最初はゆっくり目に走りたい。
エンジン始動後はピストンもそのリングもすべてのパーツが熱で膨張中なのだ。
水温が徐々に上がってくるから、それに伴って速度を上げていくように心がける。
今回、気温30度ということで 修理したクーラーの確認もする。
1時間走ったあとのチョークバタフライ。いい具合である。
コイルへの通電は水温45度になったら切れるので コイルはもう熱くなっていない。
かわりに、エンジンルームの熱が伝わり、その熱でコイルは開いたまま(連動するチョークバラフライも全開に近く開いたまま)になっている。
このバタフライの開き加減は、3つのマイナスねじをゆるめて円形樹脂のコイル部分を動かすことて調整することができる。
このバラフライの開き加減を 微調整して 今回の調整は終わりだ。
クーラーもガンガン冷えていてOK。
ガス漏れもしてないしリキッドタンクのサイトグラスには液化した冷媒が踊っているのが蛍光色で見える。
いまのところ白い粉も出てこない。
気温30度近くで 時速70㎞走行でクーラーの最大冷却能力を試してみたが、実際、寒かった。(笑)
ちなみに、最大に冷房を効かせたいときは、暑い空気を室内に入れないように
空調レバーは, 窓吹き出しも 足元吹き出しも 全部閉じにしてくださいね。
ともあれ 2002Aはこれで納車の運びです。
5月末までにお返しいたします。
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