2002tii エンジン降ろし2024年02月09日 09時50分09秒

さて~ じゃ~ 
レストアのために預かってるBMW2002tiiのエンジン、降ろします。


しまってあった エンジンスタンド登場。


エンジンを吊るために ワイヤーを使うんですが
それをひっかけるための「シャックル」をエンジン前後の2か所に取付



シャックルにワイヤーを通します。
後ろの部分、4番シリンダのインジェクターとデリバリーパイプにワイヤがあたるので
損傷を避けるため ここだけ外しときました

フックの位置調整をして・・・



納屋ガレージの鋼鉄製の梁に チェーンブロックをひっかけ、
その真下にマルニを手押しで移動。

ワイヤに若干のテンションを与えます


もうエンジンが落ちることはないので
最後に残ったエンジンマウントのボルトを外せば
エンジンはボディと分離します。


ここから先の
エンジン吊上げ状態の写真は 集中してて撮り忘れ~~^^;



ということで、エンジン降りました。
すでにエンジンスタンドにセットされています。


いますぐエンジンをオーバーホールはしません。
ボディワークを先にやってからになります。
でも ある時点でばらして、エンジン内部の交換すべきパーツを見極めて
はやめに注文しとかねばなりません。モノによっては数か月待ちになることもあるので。
もしかしたら、シリンダーのボーリングとか必要になる場合もありますので(現時点ではその必要はないと判断しているが)

今はギアボックスとともに しまっておきましょう。

左右のエンジンマウントは やはり切れはじめていましたね

どうりで エンジンアイドリング状態で 振れるんだな・・・
BMW2002tii レストア前のエンジンアイドリング状態の動画は
エンジンが ぶるぶると振れているのがわかります。


エンジンのなくなった2002tii
海外ではここにホンダS2000のエンジンを積んだり
ボディも改造してレクサスのV8を積んだりするマニアもいらっしゃるようです。^^

は~い じゃ~ お決まりの記念撮影。(セルフタイマー)

あとは 再びジャッキアップして
ブレーキ一式と ステアリング関係を外したら
左右ストラット&サブフレームをまるっと落とす。
デフを含めたリアアクスルも落として、
左右ドア、そして内装品を外してドンガラ状態に持っていくことになります。
ボディだけのドンガラ状態にしたら、ボディ板金リペアのためのカーベキューのフレームをセットして、レストア第1章おわり、という流れですかね。
そしてボディワークの第2章へと。

2002tii 取外し3 エンジンいろいろ外し、クランクプーリーナット緩め2024年01月18日 12時00分47秒

トランスミッション取外しの前に 
エンジン部品をいろいろ取り外し、ちょっとやっていきたいことがあります。

まずはウォーターポンプ外し。
エンジンブロック内に残った水が出てきます。

ウヒャー すげぇ錆

ベアリングの異音が出てなくても 再使用する気には・・どうにもなれんなぁ
ウォーターポンプは 既にワロスで昨年に18000円で購入済み。  今は24000円ぐらいに値上がりしているね。
ウォーターポンプも高くなったなぁ・・・自分のマルニをレストアしてた2006年の頃は1万ぐらいだった記憶があるよ

エンジン側


そしてこのクランクシャフト・プーリーの中心にある でかい30mmナット。
大トルクで締まっているので これを エンジンを降ろす前に、緩めておきたいのです。
プーリーもだいぶ錆が・・・・ブラストして塗装して 再使用できそうだが・・・・


クランクプーリーをまわして TDC(1番シリンダの圧縮上死点)出し。
錆びたクランクシャフト・プーリーに かろうじてTDC刻印(刻み)がみえましたから
カバーの印と合わせます


クランクシャフトとカムシャフトはタイミングチェーンによって連動して動きます。
4サイクルガソリンエンジンでは
クランクシャフトが2回転(吸気→圧縮→爆発→排気)すると、カムシャフトは1回転します。
カムシャフトとデスビシャフトは同回転なので、
クランクシャフトが2回転すると、デスビローターは1回転します。

1番シリンダの圧縮上死点(TDC)位置では 
デスビローターの向きは デスビのボディに刻まれたキリカキの位置より
やや時計方向に進んだところを差す。(TDC位置より角度にして数度前に点火するので)
もしローターが この位置(水色の方向)を差さないときは、
それは排気上死点である。
多分この位置の反対(180度)を向くはず


ローターを取ったところ


根元の10ミリボルトを取り、デスビを真上に抜くと デスビはズポッと抜き取れる。
抜きとったときに、デスビのシャフトは 勝手に反時計回りに約90度回る。
(先端のギア歯がナナメにかみ合っているから)
差し込むときは この逆手順で行う


油圧センサーを外す
これも小型タイプに交換かなぁ。

このあたりスッキリしました。
デスビなんかのでっぱりがなくなったので
エンジンを前後に振っても 大丈夫


スロットルリンクを外していく

エンジンとヒーターコアをつなぐクーラントホースも取る
まだ痛みは少ないが・・・

うっく・・・パイプの接続部が さびてなくなってる・・・
とにもかくにも 冷却系がアカンわ、このマルニ。

これ買わなきゃ 高いのぉ


ヘッドカバーとエアクリーナーをつなぐ エアホースも外す

インマニの取り外し開始




スロットルのリンクロッドの連携が 複雑やねぇ~ 
設計の苦労がうかがえる。
アクセルペダルの踏みを 
スロットルバタフライの開閉に、そしてさらにインジェクションポンプの開閉にと、
2系統に分岐させてる。


インマニ、取り外しました
インジェクションのラインがよく見えるようになりました
とはいえ まぁ・・・美しいレイアウトのエンジンではないわな。
やっぱマルニはキャブ仕様の方が、エンジン・レイアウト的には美しいわ。




エンジンをOHして 次にボディに載せるときも
こんな状態で載せたほうがいいのかもな~


さてスターターを外します。
スターター後端を固定するナットが ぜ~んぶ ユルんでいた(笑)
いろいろユルんだクルマだなぁ~  「ルーズ号」と呼ぶことにしよう。


スターターの取り外し。


フライホイールのリングギアがようやく見えた。
穴を見て左側、ここに適当なソケットをかます。
緑のバインド線は ソケットの固定と転がり落ちるのを防ぐため
これでフライホイールの「回り止め」とする。

黄色矢印の2か所を しっかりかませること

何をしたいかというと
最初に述べた、クランクシャフト・プーリーのナットを緩めるために
クランクシャフトが回らないようにしたのだ。


クランクシャフト・プーリーの30mmナットに 

30mmソケットとブレーカーバーをかける

このナットを緩めるために 
邪魔になるウォーターポンプも最初に外したわけだ

70㎝ほどあるブレーカーバーをさらに単管パイプで延長し、ぐいっと緩める。
すんなり、ナットは緩んでくれた。^^
このナットは エンジンを降ろしてから緩めようとすると 硬くて大変なのだ。
トルクをかけると エンジンスタンド自体が転がろうとするので 苦労したことがある・・・。
エンジンがボディにマウントされているこの段階でナットを緩めておけば あとの仕事が楽なのである。


頭でっかちなインマニも外したので
エンジンを吊るワイヤも掛けやすくなった。


次はようやく トランスミッション下ろし。

丸テール こまごまと調整、交換、仕上げ2023年12月24日 07時45分53秒

納車も近いので こまごまと仕上げ。

まずは
ボンネットの閉まり具合調整。

ここの巻きスプリングが適切に取り付けられていないためか

このボンネット押さえバーの位置が悪い。
発し子は午後7時あたりを指しているが 8~9時あたりを指していて欲しい

いろいろ位置調整をしたが、しっくりこない。

ここのヒンジにも問題があるのだが
関節部分がフェンダにあたってしまう。
あたるので、アルミ板が貼ってあった

ワイヤーの張りも調整。

いろいろやったのだが 結局、ボンネットを閉めるときは、
ボンネットのここを下に押さえつけつつ
もう片方の手でレバー操作をしてください。これをしないとボンネットがうまく閉まらないときがります。



1ミリ鋼板でエキマニのヒートシールドを追加した

プラグコードを エキマニの熱から守ります




経年劣化してたブレーキフルードのリザーバータンク。
新品に交換した。





ステアリングもオーナーさんが用意したものに交換の依頼がありましたので

この見慣れないホーンにしてほしいとのことだが こいつが曲者だった・・・

元のものとは径が違う・・・つまりすんなり ステアリングにはまらない。

しかもナルディのリング径に 合わんのだわコレ・・・
コレにはコレ専用のステアリングをつけなさい、という事なんだな~。
しかも2端子とは・・・配線も追加・・・


まぁいろいろ苦労して 工夫して なんとかつけました




内装屋で作り直してもらったというシートをとりつけて

はい、ほぼ終わり。

8月上旬入庫で 約5か月かかりました。(実質4か月のレストア作業)
雪もとけてきて 道路も黒く戻ってきたようなので 最終テストランして納車です。

丸テール エンジンマウント(右側)交換2023年12月10日 19時39分03秒

このマルニ、アイドリングでけっこうエンジンが振れるので 
信号待ちではちょっと不快なのだ。
なので、エンジンマウントを交換する。
とりあえず よく振れている右側のみ交換だ。


山下オートパーツから届いたエンジンマウント 右側のみ
BMWジャパンに残り在庫2個だったそうだ。 送料込み8000円。

エンジンを支え、マウントのねじを外していきます


取り外し


新品と旧品を比較  旧品は約4ミリつぶれてました





取付部分の錆をチェック


新品のマウント取付の際は もう一つの油圧ジャッキでエンジンを微妙にリフトアップして
ボルトを取付。
前のマウントのつぶれていた分だけ リフトアップしなければボルトが入らないということだ。

交換完了


交換前エンジンの振れ 動画

エンジンマウント右側のみ交換後のエンジン 動画

比較してみると だいぶ良くなったかなと思います。^^
もう片方も交換すれば もっと振れなくなるのだろうか?

丸テール ステアリングギアボックスとエンジンのオイル交換2023年09月08日 13時12分43秒

オーナーさんの要望で ステアリング・ギアボックス・オイルを交換します。
赤いキャップをとります。

細いチューブを20cm差し入れて シャンプーの空き容器からとった
手動ポンプで 吸い出していく。


約250ml 抜けました。
本来、食用油みたいなはずの色が 黒蜜みたいになってます


チューブを逆にして こんどは新油を 注入します


カストロールの 80W-90
デフオイルもマニュアルミッションも、ギアボックスも
みんなこれで事足ります。

新油 注ぎ終わり


赤いキャップをして終了。
横のナットでの ステアリングの遊びはちょうどいいと思うので調整はしません。


次。
要望のあった エンジンオイル&フィルタの交換。
まずはエンジンオイル抜き。

結構汚れてるな・・・・
この中には、シリンダボーリングまでしたエンジンOH後の金属カスが
結構混ざっているはず・・・なんか そういう系の 色合いだ。

オイル交換履歴をオーナーさんにラインで聞いたら
エンジンOH後、300km走行で1回交換した。その後、500~1000kmは走っていると思う、との返答。
う~む、そんないい加減な管理じゃ、アカンと思うな~!
しっかりメモシールを貼るなり、人にオイル交換やってもらったとしても、ちゃんとオイル管理をしっかりしておいてほしいと思います。
特にいまはエンジンOH後の 大事な慣らし中であるlことを 忘れないでほしい。
今の管理を怠ると あとあと 影響してきますよ。



ドレンプラグのオーリング・コレクションから、ひとつチョイス。
今回は 銅ラウンド・タイプでいこう


銅は柔らかいので 締め付けるとつぶれて しっかりシールします。
オイル交換ごとに、必ず交換すること。


エンジンルーム上から オイルフィルタをゆるめて外します。
このMANNのW712/6フィルタは、対辺74mmフィルターレンチで外せます


一応覗いてみて チェック。ガスケットに当たる円周部分に
オイル漏れの原因となる「傷」などがないかをみる。ないね。OK
オイルの油圧って結構高くて、この締め付けにミスると、
それはもう、凄い勢いで エンジン始動直後から ピュ=====ッと!
ここのスキマからオイルが吹きだすんですよ。
一度メルセデスの整備で経験済みで そのときは
ガレージの天井までオイルが吹き飛んだよ。
もちろんエンジンルームはオイルまみれです(笑)




今回はワロスから届いた ALCOというメーカのものを使用。
しかしこのフィルタ、フィルタレンチが はまらない形状です。
いろんなメーカーのオイルフィルタと互換性


オイルフィルタに書かれている手引きどおりに
両手で最大に締め付け。

交換日と距離をはっきりと見えるようマーカーで記入。
次回交換は、400km走行後の、96000kmがいいだろう。

エンジンオイルは自分でもマルニに良く使う 鉱物油系のこれで。
5w-は守ります

4L全部 入れます

注いだなり、1分も経たないうちのゲージ差し入れ計測。車体は水平。
暫くすると オイルも全部オイルパンに落ちて ゲージのMAXとMINの真ん中ほどに達するだろう。
エンジンをかけたら、空っぽのオイルフィルタに200ccほど回って、
もう少し下、MINあたりに落ち着くだろう。
範囲内であるし、どうせまた次の400km走行ですぐ交換するから、
これで良しとする。

はい ではオイル管理の予定表。
今回交換で 95600km、フィルタも交換済み。5W-40 4L入れた
次の交換は 400km走行後、96000km時、フィルタも交換。
そのつぎは、1000km走行後、97000km時。フィルタも交換。
そのつぎは、1500km走行後、98500km。フィルタなし。
そのつぎは、1500km走行後、100,000kmでフィルタも交換。
その後は オーナーさんのお好みで、3000~5000km走行後ごとでいい。
このころには ならしもほぼ終わりの頃だろう。

丸テール シリンダーヘッドカバー洗浄2023年09月05日 11時47分20秒

ヘッドカバーのふちからオイルにじみ

こちらも。

ヘッドカバーパッキンは 新しいものに交換したそうで
現在は油にじみは止まっている。
このにじみ跡は むかしのものがそのまま残っているのだ。


それと、塗装仕事の関係なのか、カバーが全体的に白っぽいホコリまみれである。
結晶塗装になってるので ほこりがかんでしまっており、ウエスなどで吹いてもとれない。
ヘッドカバーを外して 洗浄するしかない。

外しました

シリンダーヘッドの中。
ヘッドはステムシール打ち換えなど、オーバーホール済みとのこと。

エキマニのスタッド、内側のねじから外側にオイルがにじみ出てこないように
ちゃんと液体ガスケットで止めてある。 いいね。
実際、にじんでくることがあるので これは有効だ。


蓋のされた燃料ポンプの取り付けねじにも 同様の処理済みであった。


このヘッドボルト周辺に漬けてある白いペイントマーカーは、
2段階のへッドボルトの角度締めの確認ペイントと見た。
このあたりはちゃんとしっかりやってあるね。


カムシャフト傷等無くて問題なし、バルブjクリアランスも範囲内。
OK!

ヘッドカバー裏側。きれいにしてある。

あとは表側の洗浄。
灯油にシンナーを混ぜた洗浄液でブラッシングする。

細かい埃も洗い流され きれいになりました。

組み付けて、トルク締めして完了です。
もうにじみ跡は 見えません。
油は、油で制す。^^




BMW2002A シリンダヘッドからオイル漏れ修理2023年06月12日 13時29分01秒

エンジンのシリンダヘッド後端のデスビハウジングあたりから
ほんの少しですが オイル漏れしている。
ウエスで拭くと エンジンオイルがつく。


原因はここのシールワッシャがシール不良となっているからだ。
ここから漏れてくると、下に伝って落ちていき、
ちょうどATベルハウジングとエンジンブロックとの境目を流れていって地面に滴下する。
排気管に落ちるとオイルが熱で焼けてやがて煙が出るだろう。


見にくいので 鏡で見る。
ここは普通のハウジング取り付けねじとは違うところ


ねじを外したところ
ねじを外したので、ヘッドの中のオイルが流れだしている。
シリンダヘッドに貫通しているため
シール不良だと ここからオイルがじわじわと漏れてくることになる


デスビハウジングのここ


15番がシールワッシャ。現在、ワロスでは欠品中。


純正でついているシールワッシャにもオイル漏れ止めのシールゴムがついて居るが
ここは新品に交換しなかったため、オイルが漏れてきたようだ
しかしシールのためのゴム部分が 小さいよな~~


こういったゴム部品は 日本製、武蔵オイルシールに限る
みよ この全面 NBRゴムを!


これに交換して 漏れてこないかどうかを様子見する。
ゼッタイ漏れないはず。
画面で見えているオイルプレッシャSWの茶色の銅ワッシャなども
新品交換してるので ここからの漏れはない。


このあたりからのオイル漏れで
ほかに考えられる要因は、デスビのシール不良だ。


ここは良くオイル漏れするところ。
古いものは熱で硬化しており 外すときに切れた

新品に交換 .パーツ図の7番


シャフト径よりも太くならなければいけない


デスビの刺さる穴。向こうにオイルが見える。
この穴をシールしている。


シール不良だとこのあたりから漏れてきて、
やはりエンジン下に流れていくことになる。


ということで エンジンルームを開けたら ときおり
狭いところですが デスビの下あたりをきれいなウエスでふいてみて
オイル漏れしていないか チェックしたほうがいい。
(画像のようにデスビを抜く必要はありません)


ついでにヘッドカバーの 袋ナット6つを 新品に交換しました^^


BMW2002A エンジンオイル&フィルター交換2023年02月20日 13時41分56秒

エンジンOH後300kmを走ったので エンジンオイルとオイルフィルタを交換します。

ジャッキアップし オイル抜き。

OH後にはカストロールのウルトラクリーン5W-40 ¥3000を入れていた。
今回、Mobil1の金缶(Ultimate Performance)0w-40 ¥6000を用意。
マルニにはもったいない?いや この2年間、こいつのレストアで苦労してきたんだから これぐらいはいいでしょ
5w-40 か 0W-40の 「40」の表記があるものをチョイス。
「30」はこの時代の車には柔らかすぎと思うので避ける。
一度自分のマルニに5w-30を使ったことがあったが、実際の走行に問題はなかったが、油膜の不安がぬぐい切れず すぐに40に交換した


ドレンボルトのワッシャー 内径22ミリであればOK



ワロスから買った海外製オイルフィルター。対角74mm14辺のフィルターレンチが合う


一晩かけて オイルを完全に落としました


オイルフィルタを交換する
このオイルフィルタには 対角74mm14辺のフィルターレンチを使用 車体下からアクセス

外したところ 
中心のねじ山に損傷ないか ゴムシールの密着する幅10ミリの周縁部に傷などないか よく見る


オイルシールのゴム部分にオイルを指先で一塗りしてから フィルタをゆっくりねじ込む。
手でもう回らない!ってところまで締めこむ。


締め込みのトルク指定は20Nmだが、にしやんのか弱い手ではこんなに強いトルクは出ない。
(腕力のある方ならいけるかもしれない)
試しにトルクレンチで測ってみたら 10Nmにも達していなかった

トルクレンチで指定通りに締めよう。
実際、20Nmに達するまでに プラス半回転以上回りました。

フィルタには横行距離と交換した日付を記入。
次に誰が交換してもわかりやすいように。
こういった消耗品は、次回の交換用に いくつか箱に入れておいてトランクにしまっておきますね。


新しいワッシャをはめて オイルドレンプラグを締めます、30Nm


抜けた量を計測。

新油を注ぎます




ここまで入れれば あとはエンジンをしどうしたらオイルフィルタの中に200ccほど持って行かれて
ちょうどレべルゲージの中間ぐらいになるでしょう。

交換の記録をエンジンルームの目につくところに貼付 (室内に貼れる適当なところがマルニには ない)

エンジンをかけて 油圧が上がるのを確認。
また、オイルフィルタからオイルが漏れだしていないこともちゃんと見る。
エンジン停止後、レベルを確認して、もういちど下回りをオイル漏れがないかを確認して終わりです。


オイルフィラーキャップも新品に交換しております。













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今回エンジンオイルを交換しましたが 全く交換しなかったりすると・・・・こうなる!
スラッジの堆積で潤滑不良が始まる

どんなにオイルポンプが仕事しても そのオイル経路がスラッジ詰まってるんじゃあ
各部にまともに油圧がかからなくなり油膜でほごできなくなる
茶色っぽくなるのは まぁいいとしても・・・

ピストンリングに スラッジはギッシギシに詰まってほしくない

やがてはクランクシャフトのメタル(軸受け)が摩耗しちゃって・・・


今回ここまできれいにしましたので 今後 この状態、保ってほしい

ピストンのミゾ掃除、どんだけ大変だったか!
ピストンリングと溝でシリンダ内側のオイルをかき落とし、かつ、ピストンをオイルで冷却する。
そんな大事な役割があるのに 溝がスラッジで詰まっていたら・・・すぐ水温あがります

クランクシャフトのメタル(軸受け)は交換した。赤っぽいのはヌルヌルの組付け専用の液体。初期潤滑のためね。
それぞれの溝に見えるちっさな穴から オイルポンプで油圧のかかったオイルが吹き出し クランクの軸(ジャーナル)をオイルの膜でコーティングして保護しているから どんなにクランクが速く回転してもジャーナルは摩耗しない。言ってみれば、うす~いオイル油膜にクランクが浮いているような感じになる。
という事は、オイルが劣化して油膜がお粗末あるいは穴がスラッジでつまりだすとだと オイルで十分保護してもらえないから 先にみたようにメタルとジャーナルが接触しはじめて 柔らかいメタルの方が徐々にすり減っていく・・・そして最悪、焼き付き、ジ・エンド。


往年のジャーマン・レディともに気持ちよく走るためには
エンジンオイルには気を使って こまめに交換しましょう。
最低でも1年に一度、あるいは5000km毎のどちらか早いほうでグレード40で交換しちゃう。
今後10年 車の調子にかなり影響が出ます。
オイルの銘柄は人の好みですが、「安いから」という理由でテキトーなオイルを選ばないほうがいいと思います。

BMW2002A ディストリビュータのメンテ その22023年02月12日 13時52分39秒

デスビをエンジンに取り付けます。


この穴に 差し込みます

ハウジングの下、きれいにしとこう^ー^

まずエンジンのTDC出しをします。
Top Dead Centerのことで
シリンダー1番を 圧縮上死点の位置にすることです。(4サイクルエンジンの圧縮排気工程参照)
クランクプーリーを 車の正面から見て計回りにチェーンバイスで回して TDCを出します。

TDCはエンジンのフロント、この方向でクランクプーリーを見る ライトがないとみえにくい

矢印の先あたりにあるTDCの突起と クランクプーリーのTDCマークを合わせる

この位置にあっても、圧縮上死点と 排気上死点のどちらかがありますから 注意してください。
デスビを外すときにもTDC出をしますが ローターの先がデスビbodyのキリカキの方向を向いています。(ローターの先が若干左側にあるはずです BTDC )


デスビをこのように持って ローターの先をデスビbodyのキリカキ線の一つ「右側」に合わせます




そのままヘッドにシャフトシールのところまで差し込んで ここからさらに20mmほど押し込むのですが
シャフトシールにはオイルを指しておく。


新品のシールなので抵抗があり やや押し込みにくいので
デスビBodyに木端(モクバ)をあててコンと打って入れていきました。


デスビの先っちょの歯車が カムシャフトの歯車と かみ合うのを手ごたえで感じたら
ローターの先の位置を再確認の上、デスビを下に押し込みます。
スコン!と20㎜程 デスビが沈むとともに、ローターが時計回りに少し回って デスビボディの左側のキリカキ(TDCマーク)に合います。
デスビのコンスコン押し込み動画は こちら

あとは根元の10ミリナットを締めるのですが、これから点火時期を調整するので きつく締めないように。
デスビが手に力で回せるような強さでナットを締めこみます。



いいですか、デスビを入れるときは モクバで コンから スコンですよ。
どうか忘れないでください(笑)。




ローターの抵抗も測定。真ん中と先端部。
5000オームあたりならOK

デスビキャップは内部が綺麗なことを確認し、ガタツキがないように取りつけます




このあとエンジンを始動して 点火時期を確認します。

タイミングライトを使い フライホイールに埋め込まれたスチールボールをATベルハウジングの上の穴からタイミングライトを当ててのぞき込みます。
デスビを微妙に回して遅角と進角のいいバランスを探る。
マニュアル通りの1400rpmで25度(ベルハウジングののぞき穴からスチールボールが見える)では 調子がうまくいきませんでした もっと進角させる必要がありました。
半世紀もたって 各部がやはりへたってきているから、新車の時とは調子が違うんで、いまの実車に合わせての 点火時期調整となります。
タイミングライトがなくても 調整は可能ですが、いちおう今の現状がどんなのか知っておいた方がいいと思います。(マニュアル通りなのか、ずれているのか)

もうちょっと点火時期を進める必要がある状態の動画

点火時期の調整ですがデスビのボディを反時計まわりに回すと 点火時期を早める(進角させる)ことになります。
デスビの根元にマーキングを入れて 微調整していきます。
アイドリングやアクセルふかしたときのエンジンの具合はMT車と同じ調整ですが、ATの場合は、発進の際にまずフットブレーキを踏んでDレンジにシフトをいれますが、そのときこの時代の車は回転が300~500回転ほどぐっと落ち込みます。(その後の車はコンピュータ制御で点火時期を変化させているから回転の落ちこみがない)そのときにエンストしないような点火時期を探る必要があります。実際にはアイドル回転数も併せて調整していって、信号待ちの時に回転落ち込みによるエンストをしないように、500~600回転ぐらいにしなければなりません。これはマルニAT車ならではの 微調整です。
子の微調整、ほんの数度の点火時期のちがいで 「乗りやすさ」が段違いになります
(No Vac とはデスビのバキュームアドバンサからバキュームホースを外してそのホースの穴を塞いだ状態です)
実際は少し 進角させてやると Dレンジでもエンストせず 調子が良かったです。

動画はこちら

上記の状態でPや0(N/ニュートラル)レンジでのアイドル回転数は1250~1300rpmあたりにしました。ちょっと高めかな?と思いますが、信号待ちのときに、「もしかしたらエンストするんじゃないか?」という「不安」がおこらないように回転数のマージンを多めに取りました。

でもアイドル回転数を下げたいなと思う場合は このでかいエアスクリューを回して調整してあげてください。
時計回りに締めこむと アイドルは下がります



最終的に調子のよいところに 自分でわかるように 刻みを入れる
マジックはオイルでやがてきえてしまうので これがいいでしょう。


アイドリングは1200rpm程度としました。デジタルタイミングライトで確認。
動画は こちら

デジタルで見てみると コンピュータで制御しているインジェクションと違って
やはりキャブの回転数は一定ではないですね。メーターではこんなに動かない。
でも体感的には 問題ありません 一定のアイドリングに思えます。

あとは乗ってみて 加速 減速 パーシャル走行 定足から高速 信号待ちなどをやってみての 微調整です^^




後、前回できなかった デスビの進角装置の分解です
自分のマルニのデスビです

長方形プレート外れました スプリングが見えました
2本のドライバで こじるだけで とれました

スプリングへ立ってるようにも見えないが 見た目ではわからない

止め輪


プレートは シャフト先端部と一緒になっていました

これをばね屋に送って 複製してもらいます

やっぱりきたないんで・・
洗浄です

以上
気分転換に 映画館いってきます
あの TITANIC 25周年記念3Dリマスター版を いま劇場で上映中なんよね~~^^

BMW2002A 冷間時始動(コールドスタート)の動画2023年01月27日 14時03分54秒

前回の記事(BMW2002A 寒い日はオートチョークの調整)の補足として、
この2002Aの冷間時始動(コールドスタート)の動画をデジカメなどで撮り
パワーデイレクターという動画編集ソフトで作りました。




年間でいっちばん寒い時の暖気運転は どのぐらいの時間 すべきなのか?
趣味の旧車だから 朝の通勤ごときに使う事もないとすれば 何分ほど ドライブの前に暖気すべきか?
当方の着目点を説明しています。
回転数ばかり気にしていてはいけないという事です。

【さきに結論】
→気温が0℃近い厳冬期でこの車の場合、最低でも3分30秒。できれば4~5分の暖気運転がいいだろうという事がわかりました。
この暖気運転の間のガソリン消費量はわからないが、
当方の勘ですが、ジョージア缶1本分ってところでしょうか?カンだけに(笑)



この厳冬期にしかできないことなので 記録として^^
う~さむっ はやく立春してほしい^^;



10分21秒のその動画は こちら です。
タイトル BMW2002A Cold Start at 4DegCelcius
https://youtu.be/0GhvM6tlNhw