夜に計測 バルブクリアランス2011年10月20日 21時49分13秒

エンジンは納屋ガレージに引き込んだので、仕事から帰ってから
ちょっとした整備です。
きょうは前バンク(5~8番シリンダ)のヘッドカバーをはぐり、バルブクリアランスを測定します。

と!・・・その前に!

エンジン降ろしのさいに1個落としていたキャブ関係の小さなビスをついに発見!
コレがどこに行ったのか、ずっと悩んでいたんです。
タイベルの間、こんなところにくっついてた!オイルベットリで接着していました。(笑)
ともあれ、ヨカッタヨカッタです。


ヘッドカバーをはぐるために、デスビカバーやら、なにやら、外していきます。
ついでにオルタネータとスターターも外してしまいました。
てなことで、カバーをはぐった前バンク。
固着もしておらず、わりと簡単でした。中はキレイなもんです。


で、バルブクリアランスを測定。
以下はその結果。
前バンク
 8番  7番  6番  5番
IN  0.20  0.20  0.20  0.20 (基準は0.20-0.25)
EX 0.25  0.25  0.30  0.20 (基準は0.30-0.35)

排気側5,7,8番がつまり気味かもです。5番が気になる。
バルブシートがしずんでいなければいいのだけれど。

次はバルブタイミングや~と前バンクの圧縮上死点をさがす。
このように1-5-3-7-4-8-2-6の順でプラグが点火する。
クランクは2回転して燃焼サイクルを終えます。
いまは後ろバンクの1番シリンダの圧縮上死点を出してあるので、
たとえば、前バンクの5番シリンダの圧縮上死点を出したいときはクランクをいまから90度回転させればよい。前バンクの8番シリンダで圧縮上死点を出すときは今から450度(1回転と90度)回転させることになる。
どこのシリンダでバルタイとっても同じなんですが

とにかく準備

注文しておいた0-10ミリの幅で計測できるダイヤルゲージも届きました。
さっそくマグネットスタンドを出してブロックに固定しようと思いますが
やはりアルミブロックにはつかないナァ。。。
で、転がっていた鉄のアングルをインマニにボルトオンしてそこにマグネットベースをつけることに。


そんなことをしていたら眠くなってきたので今日はココまでと言うことに・・・
バルタイ計測はまた後日・・・

おやすみなさい。









バルブタイミング測定2011年10月26日 14時20分09秒

T師のフェラーリ308GTBにはハイカムが組み込まれています。
今回はそのバルブタイミングを計ってみます。

バルブタイミング測定に用意するもの
マイクロゲージ(1〜10ミリ計測レンジ)、これにくっつける測定子エクステンション
マグネットスタンド
360度全角度板
でかい鉄製L型アングル(フェラーリはアルミブロックなのでマグネットスタンドがくっつかないので)

さて、普通は後ろバンクでは1番シリンダ、前バンクでは5番シリンダでバルタイを計測します。ほんとは、どこでもいいんですが、1、5番シリンダは圧縮上死点(TDC)のマークがフライホイールに刻んであるのでTDCが出しやすくわかりやすいのです。

そして今回、前バンク(5〜8番シリンダー)のうち、6番シリンダのバルブクリアランスが規定値内におさまっていました。
IN 0.2mm  EX 0.3mm (6番シリンダ バルブクリアランス現状)
IN 0.2-0.25mm  EX 0.3-0.35mm (バルブクリアランス規定値)
よって、6番シリンダにて、バルブタイミングの測定をします。

ただしフェラーリの整備マニュアルによると、バルタイ測定の時はバルブクリアランスは0.5mm基準に持って行け、と記載があります。



しかし今は調整シムがないので、バルクリ現状で計ってみる事にしました。

手順
6番シリンダのTDCを出す(これは1番シリンダのTDCからクランクを1回転と270度回した位置になります)

鉄製Lアングルをインマニのボルトなど適当な所に固定し、マグネットスタンドとマイクロゲージ(測定子エクステンション付き)を取りつける。

測定子エクステンションの先をIN側のバルブのリフターの一部に当て、ゲージの目盛りを0にあわせる。このとき、バルブの方向となるべく平行になるようにし、カムが回って来てもエクステンションにあたらない位置にあることを確認する。また、バルブリフト量以上、ゲージを押し込んでおく。(今回はバルブリフト量は7〜8ミリなので9ミリほど最初に押し込んだ位置で位置決めをしました。カムがバルブを押せば最初に押し込んだ分だけゲージ目盛りが振れることになります)

クランクプーリに、ドーナツ型に切り抜いて自作した360度全角度板を接着剤で貼付ける。ドーナツ型に切り抜いてるのは、クランクナットを回す為に36ミリボックスレンチを差し込む必要があるからです。

ハリガネなどをクランクプーリ付近のねじに取り付け、360度板のTDC位置を指すようにする。

これで準備はOK,測定開始です。

ゆっくりと工具でクランクを時計回りに回して行く。カム山がバルブリフタを押し始めたところから、マイクロゲージの針が振れだします。この時点でのクランク角度を読み取ったところが、IN開き始めになるのですが、バルブタイミングの読み取りは、通常、(おもに日本では)「バルブが1mmリフトした時点での角度を読み取る」ことが通例になっておるようです。例えば、IN open BTDC17度というと、吸気バルブが圧縮上死点(TDC)の前(Before)17度でオープン開始という意味ですが、実際はこのときバルブは既に1mm開いてしまっているのです。そしてバルブが閉まるときは、完全に閉まりきる前、1mmの時点で読み取ることになります。
このことが、フェラーリの整備解説書には「1mmリフトで読み取る」などとはどこにも描いてなかったのです。だとしたら、まさに開き始め時点で測定するのかもしれません。
ただひとつ、「timing clearance 0.5mm」とありました。timing clearanceって聞き慣れない言葉なのですが、これってバルタイ測定時のバルブクリアランスが0.5mmってことなのか、バルブリフト0.5mm基準ってことかな?とT師と悩みました。(多分、バルタイ測定時のバルブクリアランスが0.5mm、という意味と思います)

結局悩んだ末、0.5mmリフト時/1mmリフト時の2つで読み取ってみようということに。

で、結果が以下のようになりました。

IN
OPEN/0.5mmリフト時BTDC28度/1mmリフト時BTDC21度
CLOSE/0.5mmリフト時ABDC65度/1mmリフト時ABDC58度
ロブセンター108.5度

EX
OPEN/0.5mmリフト時BBDC64度/1mmリフト時BBDC57度
CLOSE/0.5mmリフト時ATDC25度/1mmリフト時ATDC19度
ロブセンター109度

上記から、バルブオーバーラップは
0.5mmリフト時_28+25=53度
1.0mmリフト時_21+19=40度
マニュアルではノーマルのバルブオーバーラップで16+10=26度

最近流行りのバリアブルカムシャフトタイミング機構。
トヨタではVVT、ホンダはVテック、BMWではVANOSと言われる機構ですが
回転域によってこのオーバーラップ量を変化させ、最適な吸排気効率をあげています。
アイドリング時はオーバーラップを少なくし、中速域では増大、高速域ではまた減少させているそうです。

いずれにしてもエンジンパワーの重要な決め手になるバルタイ。
とてもディープでかんたんに素人が触れる所じゃありませんね。




前バンクヘッド降ろし2011年10月28日 15時54分09秒

バルタイをとった後カゼで寝込んでしまいました。
ようやく回復してきたので休みだった28日に前バンクのヘッドをおろしました。

すでにタイミングベルトが外されている前バンク。
この後カムキャップ、カムシャフト、リフターなどをはずしていきます。
そして、それぞれのシム厚(mm)を計測しました。
5番 6番 7番 8番
3.70 3.80 3.85 3.75 吸気バルブ シム
3.35 3.35 3.45 3.25 排気バルブ シム

以下は参考にバルブクリアランス。
 5番 6番 7番 8番
IN  0.20 0.20 0.20 0.20 (基準は0.20-0.25)
EX 0.20 0.30 0.25 0.25 (基準は0.30-0.35)

比較して、必要なシムがわかりますね。

そしてヘッドナットをゆるめ、外したヘッド。
前バンクは、きれいなもんでした。
オイル下がりがないから、ピストンもヘッドもバルブも乾いています。





心配されたバルブの沈み込み(バルブシートのへたり)もないようです。
排気ポートから見たバルブの傘もキレイなもんでした。

残ったエンジンブロック・ミッション・デフ。