BMW2002A エンジンが温まるとエンストする原因は2023年07月19日 16時51分38秒

暑くなってからここ一か月 納車に向けてダメ出しのテストランを繰り返しているが
暑い日に30分も走って水温が90度になるあたりで アイドリングが不安定になってしまう症状が続いていた。
アイドリングがだんだんバラついてきてエンジンが振れだし、
どんどんひどくなっていって そのうちにエンストする。
そしてキーをひねっても 再始動はできない、というもの。
しかし10~20分もボンネットをあけてエンジンを冷やしていると エンジンがかかる。
でもまたボンネットを締めてまたエンジンルームが熱くなると、アイドリングが不安定になる。
アクセルをふかしても、ババババ・・・とばらついた状態で どうもいい燃焼が得られていない感じ・・・やがてエンストしちまう・・・。
このエンストまでの経過が、いきなり来るのはなく あるときから始まって1~3分でエンストに至る。

最初 これが 暑さによるべーパーロックとパーコレーションのせいだと思っていた。
それでここのところ いろいろとその熱さ対策を打ってきた。
それでも、やはり、上記症状になってしまうのである。
これは燃料系統ではないなと思い至り、今度は点火系に絞って
日々あれこれとテストしていた。

今日その原因らしきものが分かった。
結論から言って、点火系統のトラブルで、
センターコードのリークなのであった。




デスビのセンターと点火コイルをつなぐ センターコードの抵抗値を測ると
無限大!(0Lの表示)

しかし コードをくねくねと曲げると 5.14kΩの抵抗値が出る。
微妙に断線して 曲げたら接する状態なのか。
ちなみにほかのプラグコードはどれも5kΩあたりの抵抗値がすぐに出るのだ。

コードをしっかり差し込んで縛ってみた

さらにヒートプロテクタを巻いて エンジンを30分ほどアイドリング。
このとき気温30度。

ボンネットを開けて アイドリング 
エンジンが冷えているときは全く問題ないのだが

水温はこれぐらい。90度オーバーになった

そして またアイドリングが不安定になりだす。
このときの点火コイルのてっぺん温度は80度近くであった。

そして アイドリングが不安定になったとき、
プラグコードのコイル付近を手で振れると ピリピリ、チクチクと感電する!
(コードをいったん逆に取り付けています)

ここだ。ピリピリ来る!微かなものだが 異常である。

反対にした時 ここに来る!


そこで自己融着絶縁テープを半分巻いてみた。

それでもやはり かすかにピリピリくるかな。もっと頭まで巻かねばいかんのか
この後エンスト・・・。も~う ーー;

結局全部に絶縁テープを巻いても リークは収まらなかった


エンストしたら まずエンジンの再始動は何度セルを回してもできないのはわかってる。
ここでスパークテストをすればいいのだが、どうせ火花は飛んでない。
熱が原因ならはと、点火コイルのてっぺん周辺をブロワーで冷やしてみる

点火コイルのトップが50℃台になるまで冷やしたら(3分ぐらいで)、
あっさりエンジンがかかるのだ。
点火コイルを冷却しなければいけないのか、
あるいは、プラグコードの断線が疑わしき箇所を冷却しなければいけないのか?

今度は この点火コイルのトップ付近をブロワーで冷却し続けてアイドリングさせる。
点火コイルのてっぺん温度は50℃台をキープ。

すると どれだけでも 長時間アイドリングは安定している。
実際、30分間、ぶっつづけでも アイドリングは安定していた。(クーラーオン状態)
多分このまま ガソリンがなくなるまで アイドリングし続けるだろう
これだよ、この状態になってほしいんだよ!

クーラーオンでアイドリングしてたから、これだけの水が排出された。
国産車ではコンビニ駐車場でよく見ますが マルニは珍しい光景?

そこで今度はボンネットを閉じてみてアイドリング。
エンジンルーム内の温度上昇がきつくなったのか
10分でアイドリングが不安定になり エンストした・・・。

やはりこのとき コイルのトップ周辺は 80度近くになっていた。
プラグコードもそれなりに冷えているのだろう
ボンネットをあけておくのと閉めるのでは だいぶ違うんですね。


夏場は ボンネットをロックしない状態でスキマから
放熱しながら走るってのも いいかもししれません




やっぱ エンジンルーム内の温度情緒に伴う 点火系トラブルだ。

以上でわかったこと
・点火コイルのトップ周辺(センターコードの接続部分)を
ブロワーで冷やし続けておよそ75度以下をキープするとエンストしない


自分としては センターコードのこのあたり、
点火コイルとの接続部分が怪しいとみている。
75度近くになる熱がかかると 膨張するかなんかして内部に変化が起こり 
断線気味になり うまく4つのプラグに良いスパークが飛ばせなくなり、アイドル不安定が始まり
さらに80度近くにまで上昇すると もうスパークどころではなくなり、エンストになると想像する。
エンストしたらエンジンの再始動は何度セルを回してもできないのは、火花がほとんど飛んでいないからだろう。
そしてこのあたりに触ると ピリピリするということはもう リークしているという確かな証拠ではないだろうか。
リークの原因となる傷みたいなものも見えないのだが・・


一方、点火コイルの方は、同型のBREMIの新品に交換したが、
エンストする症状は変わらなかった。
デスビキャップやローター、コンデンサも新品に交換してみたが症状は同じであった。

点火プラグもチェックした。
BOSCHのWR7DC+
今回のレストアで新品をワロスで買った。
メイドインロシアってのが どうも嫌なんだが。。。

焼け具合も 4本とも こんな感じで 理想的だ
プラグギャップも0.6-0.7mmであることを確認。


ということで、
数日後の到着を待って 交換の上 検証してみたい。 
リークしないプラグコードで 完治となるのか?
もうこれで治ってくれ~~
それでもだめなら 点火コイルの冷却対策だ。(熱でパンクするということもあるそうだ)


このULTRAの8mmプラグコードは 当方入庫前に オーナーさんが交換されてそんなにたってないものだ。コルゲートチューブはにしやんが巻いたものだが
オーナーさんも これに替えたら調子スゴク良くなった~ とおっしゃっていたので
まさかこれが悪いとは思いもしなかった・・・それの思い込みが いけなかった。
実質3年ぐらいの使用か?(そのうちのほとんどは2年半のレストアで動かしてないが)
入庫間に 点火系のトラブル(コンデンサのパンク)があったので それが影響しているのか?
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とにかくこのエンストするトラブルは この1か月ずっと悩まされてきた症状で 
くじけそうになっていただけに ようやく原因らしきものが分かったので 
今日はすっきりした。
(まだ100%わからないが)



今朝 ボンネットに納屋ツバメのウンチ がついて居たのでムムっと思ったが
「運が向いてきた」という事かと思い直し 拭き取らないで置いたのが良かったか。(笑)

納車予定日まで あと6日。
にしやんは 巷の報道されてるような BIGモーターみたいな不正は行わず
正直に 毎日 悩み 泣き 歓び 喜怒哀楽で マルニと対話しながら 
地道に大汗をかきながら レストアしているのである。
暑さでハァハァしてる 子ツバメと同じである・・・