BMW2002A ディストリビュータのメンテ2023年02月11日 15時10分38秒

預かっている1975年式BMW2002Aのディストリビュータ(デスビ)です。
デスビキャップとローター、キャップカバーを外しました。

ポイントの接点の点検 これなら綺麗な方です。それもそのはず 交換したばかり。^^

こちらは 比較のため 自分の2002のもの。こっちのほうが荒れていますね。
こちらはセミトラ化してから無交換です。


今後 預かっている2002Aもポイント式からセミトランジスタ化して 点火系を強化しますが
その前に、デスビのメンテです。


デスビを抜き取った。デスビハウジングの穴の中にはエンジンオイルが見えます。


自分の2002のも外し 2本のデスビを並べてみました。どちらも同じ品番です。

後期型マルニによく使用されている、「008(ダブルオーエイト)のデスビ」。


いじくっているうちに、預かってる方のデスビキャップの「パッチン」クリップの曲がり先が折れちゃいました!
でも安心してください。部品取りのデスビがありますから そこからクリップを移植です。^^


デスビシャフトの劣化したオーリングを交換します。

外しているうちに 経年劣化でプチンと千切れちゃいました ゴムの弾性は もはやなかった

新旧比較 新品にバリが目立ちますが・・・

古いものは ゴムが硬い樹脂みたいなものに変質しちゃってました^^;

オイルをまぶした新しいシールリングをはめて、直径をチェック。
金属部のシャフト軸径は27ミリで、シールリングをはめた直径はそれよりも若干0.1-0.2mmほど太い。OK.

このシャフトシールですが、かなり早く劣化してオイル漏れを起こします。
どこからオイルが漏れてくるかというと、デスビのハウジングの下。車体下から見ないと わかりません。オイルのしずくがみえますか。
車検の下回り検査で、スルドイ検査官ならば こんな奥まった箇所でもオイル漏れを発見して車検に落とされます。
エンジンが冷えているときに デスビの刺さっているハウジングの下側に手を入れてそのあたりを触ってみてください。
オイルが手に付けば、シャフトシールの交換時期です。・・・ってか、車検ごとに替えた方がいいと思う。経験から言って、それぐらいこいつの劣化は速いです。ワロスで10個ほど 買っておきましょう。



続いて 中身の方に行きます。
エンジンの負圧で点火時期を調節するバキュームアドバンサーを外しました。
ボディにとめてある2か所のねじを外し、矢印のEリングを外すだけ。

外したEリング バキュームアドバンサーにダイアフラムの破れなどはない。

ベースプレートを 慎重に取り出します。

こういう鉄球が1個あるので なくさないように
ベースプレートを押さえているものです。


ベースプレートの下にある ガバナー進角装置が見えました。
シャフト軸の回転により 遠心力で2つのおもりが外側に開くことで、デスビの点火時期を早める装置です。

にしても 汚いな~ 中になんか 落ちてるし

ガスケットワッシャーみたいなものでした。

ここから先は分解しないで、キャブクリーナーとブラシ筆で中身の汚れを落としました。
ベースプレートも洗浄し、可動部にオイルを打ちました。
きれいになりました。

BMW2002のガバナー進角装置の動きの点検
動画 こちら



本当は 進角装置の戻りスプリング2個を新品に替えたかったのだが (半世紀も使っているしかならずへたってきているはず)、その上に見える長方形のプレートを外すのが難儀でスプリングの交換はしなかった。
このスプリングがへたっていると、本来の点火時期がでず、エンジンの調子が悪くなりますまぁ点火時期の調整をするんだすけど、そうすると今度は AT車の場合 Dレンジでの信号待ちなんかでのアイドリングの安定性に悪影響を及ぼすことになる。
まぁ暫く乗ってみて、どうにもうまくないようだったら、もう一回ばらしてスプリングを交換することにします。
スプリングは新品では出ませんが、ばね屋さんに送って同じものを作ってもらうことになります。



洗浄後は ベースプレートを戻し
矢印のバキュームアドバンサーをベースプレートに固定するEリングをはめます。
そしてポイントを装着。ポイントギャップは0.4mmに調整し、ヒール部分にはグリスを塗ってシャフトの4つのカム山との滑りを良くします。

完成。


コンデンサーもワロスで買った新しいものを使用。
ファクトリーマニュアルでは,2002Aの008デスビの場合、コンデンサの容量は0.2μFプラスマイナス10%の指定となっている。
当初 この車は このコンデンサがパンクしていたため、しっかりした火花がプラグにに飛ばなくて エンジンがとまりそうになり 調子がめっちゃ悪かったのを思い出す。
まぁ今後は セミトラ化するから あんまり気にすることもなくなるとは思うけど。


あとは再び組みこんで 点火時期を調整することになる。

樹脂製のカバーもぼろぼろなんで ヨーグルト系のカップで夜な夜な自作中。(笑)
(あいにくこれの新品は出ないのだ・・中古で探すがなかなかない)

なんとかできた(笑)


同時にヤフオクでセミトラの装置も購入。到着を待っている。

「旧車 ポイント車に タイミングランプ付き 自作セミトラユニット 東芝FET 2SK2967使用 ヨタハチ N360など」

こいつで点火系をグレードアップし、よい火花を飛ばし、始動性向上、トルクUP、アイドリングの安定をはかる。
なんでも スペック重視の手作り品で 使っているトランジスタもとてもいいものらしく、発熱がとても少ないということで思わずポチった。もう永井電子ではセミトラシステムは販売していないですからね・・・時代ですね・・・あとはこういったマニアな方の優良手作り品を買うしかない時代なのです。(ある意味いい時代)
今回自分でまたセミトラシステムを自作しようと思っていたが、より性能の優れたこちらを選択したというわけです。