BMW2002A ディストリビュータのメンテ その22023年02月12日 13時52分39秒

デスビをエンジンに取り付けます。


この穴に 差し込みます

ハウジングの下、きれいにしとこう^ー^

まずエンジンのTDC出しをします。
Top Dead Centerのことで
シリンダー1番を 圧縮上死点の位置にすることです。(4サイクルエンジンの圧縮排気工程参照)
クランクプーリーを 車の正面から見て計回りにチェーンバイスで回して TDCを出します。

TDCはエンジンのフロント、この方向でクランクプーリーを見る ライトがないとみえにくい

矢印の先あたりにあるTDCの突起と クランクプーリーのTDCマークを合わせる

この位置にあっても、圧縮上死点と 排気上死点のどちらかがありますから 注意してください。
デスビを外すときにもTDC出をしますが ローターの先がデスビbodyのキリカキの方向を向いています。(ローターの先が若干左側にあるはずです BTDC )


デスビをこのように持って ローターの先をデスビbodyのキリカキ線の一つ「右側」に合わせます




そのままヘッドにシャフトシールのところまで差し込んで ここからさらに20mmほど押し込むのですが
シャフトシールにはオイルを指しておく。


新品のシールなので抵抗があり やや押し込みにくいので
デスビBodyに木端(モクバ)をあててコンと打って入れていきました。


デスビの先っちょの歯車が カムシャフトの歯車と かみ合うのを手ごたえで感じたら
ローターの先の位置を再確認の上、デスビを下に押し込みます。
スコン!と20㎜程 デスビが沈むとともに、ローターが時計回りに少し回って デスビボディの左側のキリカキ(TDCマーク)に合います。
デスビのコンスコン押し込み動画は こちら

あとは根元の10ミリナットを締めるのですが、これから点火時期を調整するので きつく締めないように。
デスビが手に力で回せるような強さでナットを締めこみます。



いいですか、デスビを入れるときは モクバで コンから スコンですよ。
どうか忘れないでください(笑)。




ローターの抵抗も測定。真ん中と先端部。
5000オームあたりならOK

デスビキャップは内部が綺麗なことを確認し、ガタツキがないように取りつけます




このあとエンジンを始動して 点火時期を確認します。

タイミングライトを使い フライホイールに埋め込まれたスチールボールをATベルハウジングの上の穴からタイミングライトを当ててのぞき込みます。
デスビを微妙に回して遅角と進角のいいバランスを探る。
マニュアル通りの1400rpmで25度(ベルハウジングののぞき穴からスチールボールが見える)では 調子がうまくいきませんでした もっと進角させる必要がありました。
半世紀もたって 各部がやはりへたってきているから、新車の時とは調子が違うんで、いまの実車に合わせての 点火時期調整となります。
タイミングライトがなくても 調整は可能ですが、いちおう今の現状がどんなのか知っておいた方がいいと思います。(マニュアル通りなのか、ずれているのか)

もうちょっと点火時期を進める必要がある状態の動画

点火時期の調整ですがデスビのボディを反時計まわりに回すと 点火時期を早める(進角させる)ことになります。
デスビの根元にマーキングを入れて 微調整していきます。
アイドリングやアクセルふかしたときのエンジンの具合はMT車と同じ調整ですが、ATの場合は、発進の際にまずフットブレーキを踏んでDレンジにシフトをいれますが、そのときこの時代の車は回転が300~500回転ほどぐっと落ち込みます。(その後の車はコンピュータ制御で点火時期を変化させているから回転の落ちこみがない)そのときにエンストしないような点火時期を探る必要があります。実際にはアイドル回転数も併せて調整していって、信号待ちの時に回転落ち込みによるエンストをしないように、500~600回転ぐらいにしなければなりません。これはマルニAT車ならではの 微調整です。
子の微調整、ほんの数度の点火時期のちがいで 「乗りやすさ」が段違いになります
(No Vac とはデスビのバキュームアドバンサからバキュームホースを外してそのホースの穴を塞いだ状態です)
実際は少し 進角させてやると Dレンジでもエンストせず 調子が良かったです。

動画はこちら

上記の状態でPや0(N/ニュートラル)レンジでのアイドル回転数は1250~1300rpmあたりにしました。ちょっと高めかな?と思いますが、信号待ちのときに、「もしかしたらエンストするんじゃないか?」という「不安」がおこらないように回転数のマージンを多めに取りました。

でもアイドル回転数を下げたいなと思う場合は このでかいエアスクリューを回して調整してあげてください。
時計回りに締めこむと アイドルは下がります



最終的に調子のよいところに 自分でわかるように 刻みを入れる
マジックはオイルでやがてきえてしまうので これがいいでしょう。


アイドリングは1200rpm程度としました。デジタルタイミングライトで確認。
動画は こちら

デジタルで見てみると コンピュータで制御しているインジェクションと違って
やはりキャブの回転数は一定ではないですね。メーターではこんなに動かない。
でも体感的には 問題ありません 一定のアイドリングに思えます。

あとは乗ってみて 加速 減速 パーシャル走行 定足から高速 信号待ちなどをやってみての 微調整です^^




後、前回できなかった デスビの進角装置の分解です
自分のマルニのデスビです

長方形プレート外れました スプリングが見えました
2本のドライバで こじるだけで とれました

スプリングへ立ってるようにも見えないが 見た目ではわからない

止め輪


プレートは シャフト先端部と一緒になっていました

これをばね屋に送って 複製してもらいます

やっぱりきたないんで・・
洗浄です

以上
気分転換に 映画館いってきます
あの TITANIC 25周年記念3Dリマスター版を いま劇場で上映中なんよね~~^^