シリンダーのホーニング2008年01月08日 20時05分12秒

BMW2002の4気筒エンジンのシリンダーを自分でホーニングしました。
今回のエンジンオーバーホールではピストンを再使用しますが、ピストンリングは新品を入れますので、擦れ合うシリンダー内壁には細かな擦り傷、潤滑オイルを保持させるための「クロスハッチ」をつける必要があります。この作業をホーニングといいます。普通は内燃機関屋さんに頼んでやってもらう仕事。
私のマルニ、エンジン分解したらクロスハッチはほとんど消えておりましたので、今回、自分でホーニングをやってみました。

その必殺?道具がこのフレックスホーン(FLEX-HONE)という米国BRM社の商品。ワイヤブラシの先に樹脂で固めた砥粒のツブツブが低温焼結された特殊な軸付きブラシです。円筒内壁を研磨する為のブラシです。
このサイズ、大から小まで様々揃っており、マルニのシリンダー径の89.0mmにピッタリのものがありました。実際にはワーク(研磨対象物)内径よりも10mm程少し大きめです。でないと内壁をまんべんなく研磨してくれませんから。
砥粒の材質は固いワーク用のシリコンカーバイト(SC)をチョイス。砥粒の粒度も番手が様々あって、今回のホーニングには240番をチョイス。通常のホーニングでは表面粗さ単位で3s程度に仕上げるらしいので、それに近い2s程度に仕上げられるのが240番でした。
結局、 FLEX-HONE GB-89.0というものをいつものMonotaroでネット注文。8980円也。モノは安くないが、ここは送料無料なのでいつも利用してます。

個人ユース用に工具店等で売られているホーニグンツールと言えば3本の長い砥石が軸に付いた3000円程度のものですが、あれはボーリングした後ならいいでしょうが、今回のようなボーリングしないシリンダーには全面研磨してくれそうにないと思いましたので今回はFLEX-HONEを選択した次第。
FLEXHONEについて。
http://www.yuko-corp.co.jp/flexhone/index.htm
http://www.brush110.com/catalog/105.html
ホーニングについて。今回プラトーホーニングではないですけど。
http://ibg.seesaa.net/article/1742381.html

さて作業前準備としては、コーヒー空き缶でフレックスホーンをブロックから上げたときのオイル飛散防止のカバーとします。また、シリンダーの内壁、ホーンの砥石部にもエンジンオイルをたっぷり塗っておきます。湿式研磨ですね。
さて本番、ほとんど一発勝負なんで気合い入れて!
無段階調節式の電気ドリルにフレックスホーンをセットし、800~1200回転で回しながらシリンダーに突っ込む!(突っ込み始めはシリンダー内壁の摩擦抵抗で回転数がぐっと落ちるのでちょっと速めに回しておくのがコツ)
そのままシリンダー内を下まで回転させながら突き抜けて、次は上に引き戻す、の連続ストローク。1秒に1往復ぐらいの早さがちょうど斜めのクロスハッチの付き具合がよいようです。速い動きですよ。一つのシリンダーあたりに20〜30往復して終わり!ものの30秒ぐらいで終了!!(デジカメで動画撮ったので次回紹介します)

シリンダー内の砥粒の混じったオイルをウエスで拭って、クロスハッチの突き具合の確認、目視ではだいぶ荒れているように見えますが、指先でこすってみたらシリンダー内壁はツルツルです。それほど細かい傷なんです。ボア径が大きくなっているなんて事はないでしょう。
マニュアルに従ってやったので、まぁこんなもんかな?と思います。

このあと、マニュアル通りに熱い湯と中性洗剤でシリンダー内部を洗浄、水分をエアブローしてから、さらに洗浄油でエンジンブロック全体を徹底洗浄しておきました。もちろんホーニングを終えたシリンダー内には保護のオイルをしっかり塗っておきました。
意外とあっさり終わったホーニング。
このフレックスホーン、たぶん二度と使わないだろうなぁ・・・ボア径89.0mm用です。誰か使われるときはお貸しいたします。

シリンダーホーニング動画2008年01月08日 21時40分32秒