BMW2002A オートマミッション3HP12のオーバーホール2 クラッチ編1(取り外し)2022年10月26日 10時02分19秒

ZF 3HP12のベルハウジングを 13ミリボルトを外して 分離します


本体側ケースはプラケースにでも入れて立てたほうがいい。
ファクトリーマニュアルでは専用工具で本体を固定するとあるが、そんなものは無い!ので


いきなりA/Bクラッチセットが見えているので これを上に抜きます。すんなり抜けます

外したA/Bクラッチセットです

これがなんと、金属ケースにがっちりカシメてあるんですよ~・・・
これじゃあ分解できないじゃないか。

中には湿式多板クラッチ(フリクションディスク)が何枚も入っています。


上下でこのようにケースのふちを曲げてカシメてあるので 分解はあきらめ。
工夫してカシメを曲げても、「ケースは一度曲げたら再利用はするな」とファクトリーニュアルに書いてあるので・・・ また、もと通りにカシメ直す自信がない


さて A/Bクラッチセットを抜いたらこうなっています。「シリンダ」というパーツが見えています


ここで、先に 下側の4つの矢印個所を作業します。


輪止めとスプリングがあるので スナップリングプライヤでこれを取り外します。


スプリングの自然長が決まってます

飛ばしてなくさないように。
一応書いておくと、線径1.0mm 外径7.5mm 自然長25mm29mm 巻き数はご覧の通り

スプリングの向こう、ゴムのチューブがあります。
スプリングはこれを押さえていたのですね


このチューブを4つ外します 油圧保持のパーツだね
それぞれの位置を確認してちゃんと保管。


ゴムスリーブはこのようにひっかけて抜きます
ファクトリーマニュアルでは木ねじのような特殊工具をねじ込んで抜くとありますが、こちらの方が確実と思う
サイズをかいておくと 外径10mm 全長7mm 内径4~5mm
NBR素材のゴムチューブから切り出して 代用が効くのではないだろうか


ひっかける工具は 古びたドライバーの一つから ディスクグラインダとヤスリで削りだして自作しました
直径5㎜に削ったあとで、先端をここのような形状に削る


ゴムスリーブを抜いたあとこうなっています
これはバルブボディからクラッチシリンダへのATFの通り道です


さて ここからは分解図を見ながら行きます。


さて中を覗くと シリンダの左右にこんなのがあるので2こ外します


こういった特殊工具を作ります。6mm厚の平鋼22cm、M8*90mmボルトを2本、M8をねじ切りする下穴ドリル6.8mm径とM8タップが必要です
セットして、見えている「シリンダ」をできるだけ押し下げます。数ミリ下がります。

ここに大きなサークリップが有るのではずしたいのです

外れました

サークリップを外したら「シリンダ」を抜き取ります。
簡単にいってますが、なれがなかなか直径ぴったりで上に抜けにくいですよ。
幅がぴったりで真上に抜かないと 側面にななめになり ひっかっかかりやすいです。
こういうきついのを抜くときは、ATFをケースのフチにかけながら滑りを良くして 少しづつ振動させるようにしてやると抜けやすいです。なお、内側の輪っかはオイルシールなので傷をつけてはいけません。

先ほど抜いたゴムスリーブの穴のうち 2つはこれなんですね
シリンダの中にATFを送り込んでいる。
組むときはこの方向でいれなきゃいかんということ


裏を見ると ディスクが2枚 ATFの粘りでくっついてきました。分解図の6と7です(クラッチC)。

シリンダを取るとこうなっています。 茶色いフリクションディスク(クラッチC 分解図8)が見えます

はいここまで、いいですか~?


フチのピンとスプリングを取ります

分解図9のギアを抜きます リングもありますね 分解図には書いていないようだが・・


茶色いフリクションディスク(クラッチC 分解図8) 摩擦材が表面に張り付けてあります。
これ、先日 ヤフオクに1枚3800円で出ていたなぁ・・・

とりました ディスクにひどい摩耗などは無し。

つぎに外側の輪っか。

外側の重たい輪っか(クラッチCとクラッチC’の間、分解図10)を取ります。

上下あります

こうなっているんですね フリクションディスクがギアにかみ合う


さて次に、これより下(クラッチC’、シリンダ、プラネタリーギアセット)はシャフトをつかんで、
ごっそり上に引き上げます。


これが誉れ高き プラネタリーギアか~~! またシリンダがくっついてますけれど
プラネタリーギアの華麗な動きの動画は こちら

シリンダの下にまたもやディスクが1枚くっついてきました。クラッチDの分解図7のディスクプレートです


クラッチDが見えました。 バックするときに働くやつね。


クラッチDのディスク群を取ってチェック。一番上のフリクションディスクだけに2か所のはがれあり。
交換したいが パーツ欠品^^; う~ん まぁこの程度なら いいだろ

またスプリングがあるので6個とります  スプリングは合計12個ってことですね

さいご、分解図の20を取ります


とれました これまた真上にぬくやつね


ロックのパーツがあるので2個とります

もうこれ以上は分解できません。このギアは後端のアウトプッッとシャフトとつながっている。
ここまでです。中心にローラーベアリングが見えます


因みに、シフトレバーをPに入れたときに、
ここがかみあって、車輪が回らないようにロックしています・・・じつに「か弱い」でしょ。
何が言いたいかっていうと、駐車するときは、シフトをPに入れるだけじゃなくて、必ずサイドブレーキも引いてね、ってこと。でないと ATのギアに無理がかかっちゃいますよ。


各部洗浄に回します。

以上クラッチ分解編でした。

次はクラッチ各部の点検、などです。