BMW2002A 電動シート装着2022年10月02日 20時54分02秒

電動シートの困ったちゃん・・・。
E92 335iのシートだが、シートに電源をつないで暫くはシート操作もOKで問題ないが
そのままスイッチを無操作で放っておくと 勝手にスリープモードに入ってしまう機能がついていたため
全く操作を受け付けなくなるというもの。
※元車の3シリーズではこのようなことはありません。むりやりBMW2002につけようとするから、こういうところで躓いている・・・^^; (でも海外では古いBMW車に現代BMWのシートを入れ替えしてるDIYerはいっぱいいるんですよ~)

これではシートを操作したいときに 「シートが動かねえぞオイ!」 という事になっちゃう。

いくつかこのシートは買い集めたのだが、無操作で10秒たったらスリープしちゃうものや
1分ほどたってからスリープしちゃうものなど、バージョン違いでバラツキがある。
※無操作の時間が10秒でスリープ・インという事は、シート操作を9秒以内に続けていれば、永遠にスリープには入らないということだが・・・^^;

なんともはや・・・うちらにとっては 困った機能だ

スリープしちゃう原因はこの中にあった。

CAN レシーバーだ。

このちーさな部品!
この時代の3シリーズはCANという総合管理ネットワークで電装品を管理しているため。
スリープしちゃったならそれを 「起こす・wake upさせる」 信号があるはず。
調べたらあった。
CANラインに一定の電圧パルスを送ると スリープモードが解除されることがテストしてみてわかった。
そのwake upパルスを送る小さな回路装置を装着すればいいのだが、
それよりも簡単で単純な仕組みにすることにした。

まず
穴をあけてエーモンのロッカスイッチを増設。


配線の加工


解決策として 電動シートの電源スイッチを設けた。 
このスイッチをONにしないと、電動シートは動かないようにした。
これをスイッチオンしてから、10秒以上の間隔を開けないで一連のシートの調節操作をする。
シート位置が決まれば、電源ボタンを切る。.....これだけ。

一度シートの位置を決めてしまえば そんなにしょっちゅう操作するものではないのがシート位置。
シートの調整をするときでも、前後→高さ→リクライニングや座面の傾き、などを手元スイッチで操作するのだが、ほとんどの人は、操作の間隔前後高さ→リクライニングや座面の傾きなどの、→の部分)が10秒以上になることはまずないと思う。

もし電源を切り忘れてしまったり、10秒以上の間隔をあけてしまったりして スリープモードにはいってしまっても、電源ボタンをOFFにし、しばらくたったら普通に戻っている。(すぐには復帰しないんだなこれが・・・)

いちおうこれで まずは良しとする。
暫く乗ってみて 問題があれば またそれから考える。
今後スリープちゃったときのために 回路を作って wake upボタンを設けても良い。

---------では取り付け。
電動シートの電源は常時12Vとした。(キーを刺していなくても シートは操作可能)
その+電源はヒューズボックスの1番ヒューズから取った。(空の端子に刺した)


1番ヒューズは常時12Vだから、このシガーソケットも共用のラインである。
1番は本来赤色の16Aヒューズだが、電動シート増設のため25A(青色)に変えた。
実際は左右シート同時に操作しても16A以上にはならないことを確認している。

常時12Vの2スケアコードを室内に引き込み。

カプラー加工など こまごまと...

重たいシートを載せて 固定。 取りつけ完了


電動シートは 電源ボタンをONにしてから操作することになる。そして終わったら必ずボタンをOFFに。


実際はこのあたり暗くなるだろうから 強烈なブルーのLED照明で電源ONを知らせるロッカスイッチを設置した。
これを切り忘れて車を離れるとこのLEDはつきっぱなしだから バッテリ上がりの原因になるかもしれない。
ただ、ドアを締めるときに この強烈な光が点灯しているのは嫌でも目に入ると思うから 切り忘れないと思うのだが・・・


シート電源をOFFにした状態。  もちろんLEDは点灯していない。
ドアを閉めた状態でも  操作する手は ちゃんと入ります。不都合はありません。



そうそう
先日加工したシートベルトキャッチも いい位置に来た。


このE92 335iクーペのシート。
シート前後、リクライニング、シート高さ、シート傾き、の電動調節はもちろんのこと
脇腹のサイドサポートのふくらみも電動調節が可能です。
さらに腰の支えの前後の電動調節もできちゃうというこの革シート。腰に問題ある人にはおすすめ。
クーペ用シートだから 背もたれは手動で前に倒せます。
いいシートですわ~
着座位置は ハンドルのセンターにも来て 違和感なしです。
ヒートシーターも もとから組み込まれているので、今後、配線をつなげてスイッチを作るつもり。



外では電線に赤とんぼ。  暑いころはツバメがとまっていたがみんな南に渡っていった。
秋だな~

BMW2002A 足回りの1G締め2022年10月03日 13時42分45秒

足回りの1G荷重締めをします。
シートも全部載ったし、本来ここでボンネットを取り付けてから 全部の荷重がかかった状態で
ボルトを締める箇所がいくつかある。

ボンネットはまだちょっと手を入れてないので
かわりにサンドブラストの砂やオイル缶をいくつか載せて荷重をかけた

ボンネット分は十分に 荷重がかかっているだろう。

ノーマルサス、しかもショックアブソーバやストラットマウントベアリングが新品なので
十分に車高がある。
車検後に数百㎞ほど慣らし運転をすれば もう少し馴染んで落ちてくるかもしれない。



赤いビニルテープが巻いてある箇所が 1G締めするところ
忘れないように 足回りをやったときに巻いておいた。


矢印の部分を締めます。


まずはラジアスロッドの前側。
22ミリレンチ使用。ここはボディが近くて ソケットかかけられなかった・・・仕方ない。
人間トルクレンチで69Nm ^^; 
締めていってブッシュがよじれるくらいに締めて それでOK.

確かに しめましたよ~~のマーキング。 

続いてラジアスロッドの後端側。
こちらはトルクレンチで69Nm

右。左とも。


続いてトラックコントロールアームのインナー側。
24ミリソケットで152Nm。しかし手持ちのトルクレンチは115Nmまでなので、
さらに20度の角度締めをしておいた。


締め終わったトラックコントロールアーム。


むむ~~ 下回りから這い出るたびに見えちゃう フロントバンパー内側のサビ・・・。
車検通したら じっくり錆取り塗装してやるから 待ってろな~。



リアにまわって リアショックの下側ボルトも1Gじめ。
17ミリで。50Nm。



1G締めは完了。



次。
フロントを上げて・・

ATシフトポジションスイッチの交換にはいる。
つづく

BMW2002A ATシフトスイッチ交換2022年10月05日 20時10分49秒

矢印のこいつを交換します。


ATFクーラーホースをまず外し・・・

スイッチ直下のATFオイルパンの一つを緩めます。
スイッチ直下のATFオイルパンのねじの頭がでっぱっていて 邪魔になるからです。

27ミリソケットと溶接で作ったレンチ

ソケットの奥は このように削って加工

4つある端子のうちの2つが当たってしまうからです。

このように使います

ご覧のようにベルハウジングが邪魔をして狭く、普通のラチェットレンチが入らないため。

外れました。

パッキンも見えます


奥の方にあるのがスイッチを押しているレバー

周辺をウエスで拭きました

スイッチの新旧比較。
旧いほうは 半世紀お疲れ様。


スイッチの導通を確かめる。
50番端子同士で導通していること。


大事なのが ここのパッキンの厚み。
いろいろ試行錯誤して厚みを決める。


もとからあったパッキンを砥石でフラットにけずったうえで、ガスケット紙を追加で挟む。

これでちょうどいい厚さかな

ATにスイッチを取り付けて


P位置でSWの先端が押されていないこと。そして、50番端子同士で導通していること。

かつ シフトレバーをR位置にして、15番端子同士で導通があること。


PとRでの導通をそれぞれ確かめて完了です。
★ Pで50番端子同士が導通→スターター始動可能になる。
★ Rで15番端子同士が導通→リアのリバースライトが点灯。
このバッキンの厚みで、導通したりしなかったりするので、微妙な調整なんです。



シフトPやNの位置で キーをひねってスターターが回ることを確認。
これにてATシフトスイッチの交換は完了ですが・・・・


別件トラブルにて
3HP12のバルブボディ(ATの頭脳といえる部分)を
分解しなきゃいけないことに・・・^^;




後日 説明します。^^;

635CSI ユーザー車検2022年10月06日 17時03分06秒

10月21日の車検有効期限がせまってきました。


日ごろから整備してるので最終チェック。


パワステポンプにオイル漏れなし。
このポンプはイーベイでオーストラリアから買った中古品だったな~


エンジンにのオイルのシミはふき取り。
フロントカバーとのパッキンからね・・・


ATFのにじみがホースにあり、パーツクリーナー併用でふき取り
このホースもパール出るうちに交換しておいたほうがよさそうだ。

さびの出始めた足回りリンクなどをシャシブラック塗装

マフラーの遮熱版も耐熱塗装


マフラーハンガーが切れていました。ワロスで買ったこいつは2年持たないですね。
まぁ安いから消耗品です。マフラの向こう側にももう一つあります。

ジャッキでマフラーを多少持ちあげて、交換。

リアマフラーの出口。排気漏れはないものの御覧の通りで


耐熱塗装を吹きました


E24 635CSIの車台番号 打刻位置はここです。


原動機型式の打刻位置はここ。
スターターの取り付け場所です。



では出かけます。
まずはテスター屋で事前チェックをします。
この時代の車はハイビームで検査します。また、排ガスは旧規制ボタンを押して計測すること。
トナリに並んだ軽自動車の兄ちゃんが
 「E24クーペですか!僕はE30に乗ってます!」と声をかけてきました^^
「お互いがんばって維持していこうな!」と答えたら、「う~ん もう限界っす!」とな^^;
テスター屋の兄ちゃんも「いいっすねぇ~6シリーズ!」とのお言葉。
テスター屋フルコース4000円

富山陸運支局に到着。
書類をカキカキ・・・せずとも、ネットで予約してあれば、車検証をバーコードリーダでよ読み込むだけで検査票などが必要事項が印字されてプリンタから出てくるので楽でしたね。
自賠責24か月20010円 
重量税50400円 
検査登録手数料2200円 


検査ラインに入ります。
いま検査員の休憩時間らしい。まもなく4ラウンド開始。


灯火類やホーン、ウオッシャ、エンジン始動、車台番号などOK
原動機の型式(エンジン打刻)は読み替え対応してもらいokでした
排ガスは旧規制ボタン押して試験してOK
サイドスリップはOK
スピード検査はメータ読み43kmでパッシング、OK(テスタ屋で事前に確認したとおり)
ハイビーム点灯し検査を受けますが、途中で検査機がフリーズしちゃって検査官を呼びました。
ということで ヘッドライト検査はOK(ロービームには紙を貼っておきます)
前後ブレーキ、サイドブレーキ制動力OK
下回り検査OK(足回りをかなり揺さぶられました。ガタがあればすぐわかっちゃうだろうな~)
いっぱつごーかーく!

この2年間で走った距離は3600km
現在オドメータ117,500km。
1988年製なので 車の実年齢は約33歳です。
あと10年乗るには何したらいいだろう?
RESPECT YOUR ELDERS!
11月はこいつでまた新潟に行きます!

BMW2002A ボンネット裏汚れ取り2022年10月23日 21時51分45秒

久々にボンネットを出しました。


裏側、結構汚かったりする

こういった錆も 今のうちにとっておかないと。

あとは、スポンジが貼ってあったのだとおもうが その名残

ボンドがべっとり残っています。


こういうのにはクリーナーキャブで溶かす。

柔らかくなったとところを スクレーパーで!

こっちも!

結構ごっそり取れるので きもちいい

だいたい取れました。

あとはいくつかの錆とりと塗装ですな~

BMW2002A 3HP12のバルブボディOH2022年10月24日 00時02分55秒

オートマのシフトをRやD(マルニではAと記載されていますが)に入れたときに
どうにもZF 3HP12のATの変速ショックが ドンと大きすぎるのでバルブボディをチェックしてみることにしました。

3HP12のATFオイルパンを外しバルブボディを外す前。
十分に油のしずくを落とし切ったつもりでも バルブボディの取付ボルトをゆるめたら またドババとATFが出てきますので注意。 


12本のボルトを取り、バルブボディを外しました。
このうらがわのほうにある・・・

アクセラレータユニットの方を3本のマイナスボルトを外して外します

これはアクセル開度によって油圧を変える部分であり
クラッチのダンパーを受け持つ箇所です
飛び出ているのがピストンで、アクセル開度によって押し込まれます

分解すると スプリングとピストンで こうなっているはず 3がピストンです

1のカバープレートを外し、12のクリップを外し、5,7,21を取り出し

ところが!
4,6,20の方ですが、何と 6のスプリリングがバラバラになっていた!

なんじゃこりゃああ!

しかも、6だけじゃなく、別な細いスプリングも二重で入っていた!しかも真ん中で折れてるし!
このスプリングは 油圧ダンパーの仕事をするので
ショックは大きくなるわな~



折れたスプリングが中のシリンダーを傷つけてた!まぁここは体勢に影響なしの部分だからいいけど


折れたスプリングはパーツが出るはずもないので
大阪のスプリング製作会社にサンプルを送って製作してもらうことにしました。いいところですよ。


5営業日で届きました!
いちおう細いほうの謎のスプリングも製作してもらいましたが・・・マニュアルに記載が無いので使わないつもり。


こっちの方だけ使います。
オリジナルのばねの素材は不明でしたが、
ばね屋さんのおすすめで最良のSWP-A(ピアノ線の仲間)にしました。
バネレートも近いと思います



さっそく入れて組みます。自然長90mmを65mmに圧縮する感じ
これでシフトショックが ドン!じゃなくてトン。 程度にマイルドになってほしい。
これは試乗してみないとわからない。


★追記:
このスプリング、実は、親子ばね状態で2本入っていることが正しいことがわかりました。
ほかの3HP12を 色々調べてみてわかった事実。
つまり、ファクトリーマニュアルの方が違っている。・・・いやはやなんとも。


自然長はそれぞれ、太いほうが87mm、細いほうが95mmです。


その他の部分もばらしてみます。

異常はない。


小さい部品、間違えないように。

樹脂製の直径5ミリのボール5個。劣化は見られなかった。



紙ガスケットもまだ持ちそうだが このあたりで交換したい・・
はい、ガスケットシートから手作りで同じものを作りたい。大変だろうけど、いちおうスキャナーで等倍スキャンしておいた。0.3ミリぐらいのガスケットシートから 半日ほどかけて切り出せばいいだろう。


バルブボディのスラッジなどを灯油で徹底洗浄

ゴミや糸くずなどつかないように組みます

上下に 2分割したバルブボディを合体


フィルターのメッシュに小さな穴があったんもんで
ウルトラカッパーで穴埋め補修。

このフィルター、替えがないのよ。メッシュに絡んでいるから これで問題なかろう


組みあがり。
バルブボディはこのようにオイルパンにすっぽり入りような位置にあって、ATFにどっぷりと浸かっています。
オイルパンの中はATFだけが溜まってて がらんどうの空間だと思っている人、それ間違い!

AT本体に組み付け。
もうわかったから 次からは取り外しから分解清掃、取付まで1日かからないだろうな。
クラッチダンパーのスプリングの具合は後日様子見て 必要ならまたスプリングの長さなどで変化せても おもしろいかも・・・


ここのピストン、組付けするとき気を付けて!(って誰も やらんか)
※この画像は組付け失敗の例です

これが正しいっちゃ


ちなみにマルニに搭載されている 3HP12はZF製としては初の乗用車用オートマチックトランスミッションと
いうことです。

BMW2002A オートマミッション3HP12のオーバーホール1 ポンプ編2022年10月24日 20時05分26秒

BMW2002A の3速オートマミッション、ZF 3HP12のオーバーホールをします。
最も初期の頃のATなので 複雑な機構はなくいたってシンプル。


一番のネックは、パーツが出ないことだ。でもそこは探せばあるもの。
イーベイではオーバーホールキットが出ている。円安なんで15万程度。送料込みで18万ぐらい。買ってないけど。(笑)
写真を見るに、ガスケット、オーリング、オイルシール・・・これらは国内で用意したりガスケット自作(複製)もがんばればできる。
困るのは、摩耗したフリクションプレート(摩擦材が貼ってある茶色い丸いやつ)や金属製のディスクプレートだ。ディスクプレートはめったに摩耗することはないので、なんとかフリクションプレートが用意できればと思う。これらもイーベイで探せば出てくる。


今回扱うATの番号


ディップスティックのパイプはとっておく。ひっこぬくだけです


差し込み根元のオーリングも交換します。オイル漏れがしやすいところなので。
Oリングドットコムで購入。NBR-70-1(1A)線径3.55mm、内径18.00mm  1個130円



これがピッタリなんだわ
スティックのパイプを押し込むときはすべりが良くなるよう オイルを塗ってやってください
ここがからオイル漏れしてて、手っ取り早く液体ガスケットを外側から塗りこめてでオイル漏れ止めしてある2002Aをよく見かけますね...。



トルクコンバータ(トルコン)を抜く


ベルハウジングの13ミリボルトを外す (ナットの場合もあり)


ベルハウジングがとれます。 おっと本体側(クラッチ側)のワッシャーもついてきちゃいました


13ミリボルトは外し、その穴から向こう側へATFポンプユニットをピンポンチでコンコンして均等に押し出す

外れたポンプユニット。歯車が向こうについたままだ・・・


歯車セット。異常摩耗などは無かった。


ベルハウジング側 異常な摩耗は無し


周囲のカスを取る。
ここにはオーリングが乗るので。


ポンプユニットは洗浄。組み付け前にATFまぶし
中央の歯車は表裏があるので注意


本当は線径3ミリのオーリングが欲しいのですが、ないので仕方ない

これが規格品で最も近いサイズ モノタロウで発見


ウルトラカッパー(液体ガスケット)も使い 線径の細さをカバーする

合体させます。
中央歯車には表裏の向きがあるので注意する

茶色のステータシャフトのオイルシールは交換済みです。

 以前ここからオイル漏れしてました。



オイルポンプ取付ボルトのトルクは10Nm  


ガスケットは石摺りをとり 自作する

ガスケットシート0.5mm厚

ピンポンチで穴あけ 細かいところはデザインナイフでカット加工


こびりついた古いガスケットはパッキンはがしを使用
このあとケース洗浄の時に 合わせ面を軽くオイルストーンでさらう
中身のクラッチディスク類は すでにとり外してあります


あとはガスケットをのせてベルハウジングと合体

23Nmでベルハウジングを締め付け
オイルポンプ編は終わりです。

次はメインの本体側、クラッチ編です。


BMW2002A オートマミッション3HP12のオーバーホール2 クラッチ編1(取り外し)2022年10月26日 10時02分19秒

ZF 3HP12のベルハウジングを 13ミリボルトを外して 分離します


本体側ケースはプラケースにでも入れて立てたほうがいい。
ファクトリーマニュアルでは専用工具で本体を固定するとあるが、そんなものは無い!ので


いきなりA/Bクラッチセットが見えているので これを上に抜きます。すんなり抜けます

外したA/Bクラッチセットです

これがなんと、金属ケースにがっちりカシメてあるんですよ~・・・
これじゃあ分解できないじゃないか。

中には湿式多板クラッチ(フリクションディスク)が何枚も入っています。


上下でこのようにケースのふちを曲げてカシメてあるので 分解はあきらめ。
工夫してカシメを曲げても、「ケースは一度曲げたら再利用はするな」とファクトリーニュアルに書いてあるので・・・ また、もと通りにカシメ直す自信がない


さて A/Bクラッチセットを抜いたらこうなっています。「シリンダ」というパーツが見えています


ここで、先に 下側の4つの矢印個所を作業します。


輪止めとスプリングがあるので スナップリングプライヤでこれを取り外します。


スプリングの自然長が決まってます

飛ばしてなくさないように。
一応書いておくと、線径1.0mm 外径7.5mm 自然長25mm29mm 巻き数はご覧の通り

スプリングの向こう、ゴムのチューブがあります。
スプリングはこれを押さえていたのですね


このチューブを4つ外します 油圧保持のパーツだね
それぞれの位置を確認してちゃんと保管。


ゴムスリーブはこのようにひっかけて抜きます
ファクトリーマニュアルでは木ねじのような特殊工具をねじ込んで抜くとありますが、こちらの方が確実と思う
サイズをかいておくと 外径10mm 全長7mm 内径4~5mm
NBR素材のゴムチューブから切り出して 代用が効くのではないだろうか


ひっかける工具は 古びたドライバーの一つから ディスクグラインダとヤスリで削りだして自作しました
直径5㎜に削ったあとで、先端をここのような形状に削る


ゴムスリーブを抜いたあとこうなっています
これはバルブボディからクラッチシリンダへのATFの通り道です


さて ここからは分解図を見ながら行きます。


さて中を覗くと シリンダの左右にこんなのがあるので2こ外します


こういった特殊工具を作ります。6mm厚の平鋼22cm、M8*90mmボルトを2本、M8をねじ切りする下穴ドリル6.8mm径とM8タップが必要です
セットして、見えている「シリンダ」をできるだけ押し下げます。数ミリ下がります。

ここに大きなサークリップが有るのではずしたいのです

外れました

サークリップを外したら「シリンダ」を抜き取ります。
簡単にいってますが、なれがなかなか直径ぴったりで上に抜けにくいですよ。
幅がぴったりで真上に抜かないと 側面にななめになり ひっかっかかりやすいです。
こういうきついのを抜くときは、ATFをケースのフチにかけながら滑りを良くして 少しづつ振動させるようにしてやると抜けやすいです。なお、内側の輪っかはオイルシールなので傷をつけてはいけません。

先ほど抜いたゴムスリーブの穴のうち 2つはこれなんですね
シリンダの中にATFを送り込んでいる。
組むときはこの方向でいれなきゃいかんということ


裏を見ると ディスクが2枚 ATFの粘りでくっついてきました。分解図の6と7です(クラッチC)。

シリンダを取るとこうなっています。 茶色いフリクションディスク(クラッチC 分解図8)が見えます

はいここまで、いいですか~?


フチのピンとスプリングを取ります

分解図9のギアを抜きます リングもありますね 分解図には書いていないようだが・・


茶色いフリクションディスク(クラッチC 分解図8) 摩擦材が表面に張り付けてあります。
これ、先日 ヤフオクに1枚3800円で出ていたなぁ・・・

とりました ディスクにひどい摩耗などは無し。

つぎに外側の輪っか。

外側の重たい輪っか(クラッチCとクラッチC’の間、分解図10)を取ります。

上下あります

こうなっているんですね フリクションディスクがギアにかみ合う


さて次に、これより下(クラッチC’、シリンダ、プラネタリーギアセット)はシャフトをつかんで、
ごっそり上に引き上げます。


これが誉れ高き プラネタリーギアか~~! またシリンダがくっついてますけれど
プラネタリーギアの華麗な動きの動画は こちら

シリンダの下にまたもやディスクが1枚くっついてきました。クラッチDの分解図7のディスクプレートです


クラッチDが見えました。 バックするときに働くやつね。


クラッチDのディスク群を取ってチェック。一番上のフリクションディスクだけに2か所のはがれあり。
交換したいが パーツ欠品^^; う~ん まぁこの程度なら いいだろ

またスプリングがあるので6個とります  スプリングは合計12個ってことですね

さいご、分解図の20を取ります


とれました これまた真上にぬくやつね


ロックのパーツがあるので2個とります

もうこれ以上は分解できません。このギアは後端のアウトプッッとシャフトとつながっている。
ここまでです。中心にローラーベアリングが見えます


因みに、シフトレバーをPに入れたときに、
ここがかみあって、車輪が回らないようにロックしています・・・じつに「か弱い」でしょ。
何が言いたいかっていうと、駐車するときは、シフトをPに入れるだけじゃなくて、必ずサイドブレーキも引いてね、ってこと。でないと ATのギアに無理がかかっちゃいますよ。


各部洗浄に回します。

以上クラッチ分解編でした。

次はクラッチ各部の点検、などです。

BMW2002A オートマミッション3HP12のオーバーホール3 クラッチ編2(クラッチ各部点検)2022年10月29日 13時11分18秒

3HP12の各部点検編です。

まずはA/Bクラッチケース。カシメタイプ。

洗浄しても特にごみなどは出なかったしこれで良し。

後端側には2本のオイルシールがはまっている。

ファクトリーマニュアルにはこの金属ケースのカシメを外すBMW専用工具の記載があった
分解したらこうなるんだっって感じで見ておく


3HP12には(たぶん初期のものには)金属ケースでカシメてないA/Bクラッチケースもあるみたいだ。

それはサークリップを外すだけで 分解できる。たぶんケースカシメタイプに変更なったのだろう。コストの関係?


C,C’クラッチのフリクションディスクは問題なしと思う。

Dクラッチの方も 2か所の摩擦材のはがれが認められたが このまま使う。



次はシリンダと呼ばれるパーツだが
クラッチDno7(プレート)との間にスラッジだまりあり。

もちろん洗浄

こういったバリも取っておく。摩擦が激しいのだろうか?

さてシリンダとよばれるゆえんは、上下に2枚の皿状のピストンが入っていて、油圧によって動くからだ。

手を押し当ててみて、軽くエアを吹きいれると、手ごたえで、皿ピストンが動くのがわかる。
油圧がかかるとクラッチディスク群を押し付けてギアをつなぐ役目のようだ。

エアを入れて開けてみた。手にしているのがピストン。内側と外側にシールリングが入っている。
このあとシール傷めないようにシリンダに戻しました。

プラネタリーギアセットは分解もできるのだが、動きはスムーズなのでこのまま洗浄だけとする。

次は組立編です。