巣から落ちたツバメ2009年07月23日 21時40分18秒

巣から落ちたツバメのヒナ
夕方帰ると、嫁が「ツバメの子が巣から落ちていた」という。
ああっやはり落ちたか・・・。
モニタで見ていても、小さなヒナが危なそうだった。
4羽いるうちの1羽が落っこちた。
助けなきゃ!

にしやんは昔、巣から落ちた2羽のツバメを助けて巣に帰し、無事に親に引き渡して巣立ちまで育ってくれた経験がある。
(3年前だったかな〜)
だから、そんなに慌てない。

ツバメが巣から落ちることはわりとよくあること。
数羽のひなが押し合いへし合いしているうちに、何かの拍子で落っこちてしまう。育ちの悪い小さな子が、わりとよくおっこちてしまうような気がする。
地面に落ちたヒナはそのまま身体が冷えて死んでしまうのが普通。

今回、レスキューしたヒナは幸い、なんとかまだ息があった。
万が一のために巣の下に引っ掛けておいた透明カサにポンと落ちていたらしい。嫁がモニタを見ていて4羽居るのに3羽の頭しか見えないので、巣を見に行って発見したそうだ。
落ちていたヒナは体温はなんとなく温いという程度で、呼吸も弱々しくぐったりしていたそうだ。
正常なヒナなら、体温は40度近くあって手に受けるととかなりアツく感じるもの。そしてからだ全体で動いて呼吸をして、手に受けるとかなりじたばた暴れるもの。

さてここから、巣から落ちたツバメの助けかた。
巣から落ちたヒナがいて、息があり、助けたい場合です。

・まず冷えた身体を温めるのが最優先。
にしやんの方法は、濡れないようにヒナの身体を透明ビニルに包んで、「42度ほど」のお湯(ちょうど、熱いお風呂のお湯程度)に首から下のからだだけを浸ける。即効性の暖めです。
ちなみに両手で受けていてはだめです。手では鳥には暖かくないのです。

・次にエサやり。
ハチミツを薄めたぬるま湯を作る。味はちょっと甘いかなという程度に。これを補液(ほえき)という。補液を筆にしませて、くちばしの合わせ目にあててしゅっと吸わせる。(毛細管現象で口の中に入りますので口を開けなくてもいい)
これが即効性のエネルギー源となる。(ただしあまり吸わせすぎると、そのうにカビを生えさせる原因となるそうなので、あくまでレスキューの初期段階のみに使用)

・ペットコーナーのあるホームセンタ等で「ミルワーム」という甲虫の幼虫を買ってくる。ワンカップで200円程度。
ピンセットでミルワームの硬い頭をプチッとつぶし、ヒナの口に合わせて裂いたりして、口を開いたタイミングに合わせてピンセットで口に押し込んで食わせる。
お湯の暖かさとと補液である程度体力が回復してきていれば、口を開けるはずなので、ミルワームを飲み込めば、助かる可能性は高い。
口を開かないとなかなか難しい。このときはしばらく補液で対応する。

・暖かいベッド作り。
お湯はすぐに冷めるので、温度管理が難しい。
小型ホッカイロにて小さい暖かい巣を作る。おわんにカイロとティッシュで寝床をつくってやり、そこで保温しながら、口を上げたタイミングを狙ってピンセットでミルワームを与え続ける。
餌をねだって口を開けるようになれば、ほぼレスキューは完了。
しかしその晩はしっかり餌をやって体力をうけさせる。
温度管理もたいせつ。暑すぎず、寒むすぎず。

・翌朝体力も回復したら、もとの巣に親に見つからないようにそっと戻す。ただし2日以内に。早ければ早い程いい。戻すのが遅れると、(そのヒナが最後のヒナの場合)、もう子供はいなくなったと思うのか、親が巣に戻ってこなくなる。
親が戻ってきたら。様子を観察して、ちゃんと親が餌をやってるか確認。ここもひとつの生死の分かれ目。
親が餌を与えていれば、レスキュー完了です。

最後まで人間が育てる事は出来ません。やがて巣立つのですが、巣立って飛ぶようになっても、10日程は親から餌を貰わねば自力で餌を取れません。これはヒトには出来ない事ですから・・・。

落ちたヒナは拾わない方が良い、自然の摂理にまかせなさい、という人も居ますが、ツバメは人の居ないところに巣は作らない。そういうことを考えて、にしやんはレスキューする派です。