BMW2002A いろいろ注文品届く2023年03月01日 18時50分37秒

預かってる後期型マルニの2バレル式キャブレター(SOLEX DIDTA)の部品が英国から届きました。
オートチョークのダイアフラムです
これはネットでいろいろ探しましたが すぐにはなかなか見つからず それでもあきらめず
探し続けていたのですが 英国のキャブ専門店でついに見つけました。
2こで送料込みで、72ユーロ。

キャブのここの中に入ってる部品

オレンジ色のは 自分で補修したシリコンがはがれてしまった跡です(補修はうまくいかなかった)
後で気づいたが こちら側に塗ってはいけません。この反対側にぬらなければいけなかった。

そのあとG17ボンドで穴を塞ぎ補修してましたが 今後の運用に不安があり
ずっとネットで新品を探していた

古くなると ここのダイアフラム膜に 穴が開きます。
こうなるとオートチョークが正しく機能しなくなってしまい 冬にエンジンがかりにくい車となってしまいます。
予備の同型キャブレターも2つヤフオクで確保して持ってますが、全部、このダイアフラムは破けてました。
キャブレターOHキットは売られているのですが、なぜかこのダイアフラムは入っていないのです・・・。


穴があいていて空気が漏れる。こうなるとダイアフラムとしてはもうおわり。

これまでなんとかだましだまし使っていた部品を ようやく交換できます。

ついでにキャブのガスケットも自作でカッターで切り出してポンチで穴をあけて複製。
「ドクロ」の耳からあごにかけての部分に液体ガスケットを薄く塗ってあるのがミソです

耳からあごにかけて キャブからのガソリンにじみ漏れが少し認められたが
 これで漏れを防ぎます。(これまでどうもシールが甘かった)
ガスケットを大きめに切って 合わせめから若干はみ出すように作ってあるので もしガソリン漏れがあれば 「にじみ」としてすぐに視認できます。
いまのところれガソリンもれていません。^^


もう1つの届きものはこれ

デスビのオーバーホールをした時の 進角装置のスプリングです。

この進角ガバナーの引っ張りコイルばね

サンプルをばね屋さんに送り

説明画像も送り


出来上がったのがこちら。
半世紀はたらいて へたっているばねを交換です。これだけあれば 今後入庫するマルニの整備にも役立つでしょう。
うち、2個はすこし強度を強めにしてもらった強化品です。エンジンの点火時期がどう変化するか興味があり。

固定クリップは整備中に飛ばしてなくしたらアウトなので この際同じものを作ってもらいました

料金は全部で1万ほどでした

いずれもたいへんこまかい部品ですが
エンジンの調子にものすごく影響するパーツです。

BMW2002A 冷間時始動でエンジンかからないとき2023年01月29日 12時50分14秒

このところ冷間時始動のネタが多いですが もう一つ。

BMW2002 キャブレターDIDTAで
冷間時始動でエンジンがなかなか始動しない時は
チョークバラフライが完全にしまっていないことが多いです。
このスキマが多いと 余計な空気を吸ってしまい 濃いめの混合気が送れないのでエンジンがなかなか始動しません。

その様子を動画にしてみました。
動画は
こちら
https://youtu.be/Mh_fYF07cac


完全にチョークバタフライが閉まらない理由は
バタフライの回転軸に引っ掛かりが有ったりすることが多いですが
チョーク機構の部分を開けてみて 問題がないかを点検しなくてはなりません。

BMW2002A 冷間時始動(コールドスタート)の動画2023年01月27日 14時03分54秒

前回の記事(BMW2002A 寒い日はオートチョークの調整)の補足として、
この2002Aの冷間時始動(コールドスタート)の動画をデジカメなどで撮り
パワーデイレクターという動画編集ソフトで作りました。




年間でいっちばん寒い時の暖気運転は どのぐらいの時間 すべきなのか?
趣味の旧車だから 朝の通勤ごときに使う事もないとすれば 何分ほど ドライブの前に暖気すべきか?
当方の着目点を説明しています。
回転数ばかり気にしていてはいけないという事です。

【さきに結論】
→気温が0℃近い厳冬期でこの車の場合、最低でも3分30秒。できれば4~5分の暖気運転がいいだろうという事がわかりました。
この暖気運転の間のガソリン消費量はわからないが、
当方の勘ですが、ジョージア缶1本分ってところでしょうか?カンだけに(笑)



この厳冬期にしかできないことなので 記録として^^
う~さむっ はやく立春してほしい^^;



10分21秒のその動画は こちら です。
タイトル BMW2002A Cold Start at 4DegCelcius
https://youtu.be/0GhvM6tlNhw




BMW2002A 寒い日はオートチョークの調整2023年01月25日 19時28分49秒

10年に一度クラスという 低温寒波の朝!
う~ 寒っ!

いつもよか 廃油 多めに出して!フタも取って!
あったか~~い


こんな日は 気温が低い日でもちゃんとエンジンかかるか テストします。
オートチョークの設定がキモです。
チョークバタフライの開度で調子が変わりますよ。キャブの中に見える黄銅色のものがチョーク機構をつかさどるチョークバタフライです。
「チョーク」とは、エンジンが冷えているときに わざと濃いガソリン混合気を燃焼室に送ることで
寒い時でも始動性を良くするしくみのことです。

「ソレックス2バレルキャブ搭載のBMW2002A エンジンのかけ方」(コールドスタート時)
運転席に乗り込み、アクセルペダルをまず1回、トンと踏みます。
これをすることで、チョークバタフライを全部閉じにしてやります。(ばねの力で勝手に全閉じになります)
ATシフトはPの一番奥まで入ってるか確認します。
アクセルペダルはいっさい踏まないで、キーを刺し、スターター位置までひねる。
エンジン始動する!(はず)
で、この初期状態でタコメーターは2000回転あたりを指す。(ファーストアイドルという。回転数は調整できるが通常は2000に)※ただし寒い時はいきなり2000に行かず1500当たりから次第に上がっていくことも。
この状態でもうオートチョークがきいていることになる。

これでしばらく暖気していれば エンジンは次第にあたたまってくる。(水温計があがってくる)
2000回転だから少々うるさいですが。
まあ、2~3分ぐらいですか。

さぁ出発します。
アクセルをポンと軽く一回踏めば、アイドルはすっと下がります。
が、まだクーラントの水温が低いので 1500あたりぐらいにしか落ちません。
オートチョーク機構は クーラントの水温によって 制御されているのです。

これでATのギアを入れて 出発しましょう!
エンジンがまだ十分あたたまっていないときはゆっくり走ってください。いきなり全開はいけません。

あとは走行のクーラントの水温の上昇に応じて、運転中に段階的に自動でチョークは解除されていきます。
自動でチョークがかかり、自動でチョークが解除される機構だから、「オートチョーク」と呼ばれている。


オートマのマルニの場合、
最終的にシフト位置がAの場合で(信号待ちなどののブレーキング時)、アイドリングは1000回転より下になります。 


例えばシフト位置「P」でタコメーター1100回転でも、ブレーキを踏んでシフト「A」に入れれば500~600回転あたりに落ちます。(ATのトルクコンバーターの負荷がかかりクリープ状態になる)。






エンジンが十分に暖まれば、水温はこのあたりを指していることでしょう。
(サーモスタットは本来82℃のところ、72℃タイプを使用)
もうアクセルを踏み気味にしても大丈夫です^^

コールドスタートは上記のようになりますが
いったんエンジンが暖まってしまえば、オートチョークは効かなくなりますので
エンジン始動の際は アクセルぺダルをちょい踏みにしてキーをひねってもらっても構いません。

つまりクーラントの水温によってオートチョークが制御されますので
出かけた先でエンジンを切って長時間停駐車し、エンジンがまた完全に冷えきってしまえば 自動でオートチョークがきくようになります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結局 チョークバタフライの開度設定はだいたい6mmとした。
最初にエンジンがかかったときの(ファーストアイドル時の)バタフライ開度です。
アイドリング中に このように6mmの棒を差し込んで測る。
これよりも開度が小さかったり 大きかったりすると 混合気のバランスがくずれ
エンジン始動ののっけから アイドルが不調になりますよ。(実験済み)

まぁ、ふだんはこの部分、エアクリーナーボックスに隠れてて チョークバタフライなんて見えませんが^^;
ただし
運転手には 上記のことはいちおう 知っていてもらいたいことです。

BMW2002A キャブOH2022年11月18日 16時54分18秒

キャブを徹底オーバーホール。

これまで交換していなかったアイソレーションプレート(分離板)のガスケットを交換。

オイルストーンあて

新ガスケット

こういった小さいなオリフィスにススが溜まっています

詰まらせないように掃除



M8ボルトを4本差し込んでからビスで合体。


破けて補修してたオートチョークのダイアフラムを新品に交換。
ダイアフラム膜の形状が若干違うので ちょっと作動量が少なくなったか。→チョークバタフライの開度が少なくなり初期始動に影響あり。

でもその後 やっぱり元のダイアフラム(補修済み)に戻しました。
やっぱりチョークバタフライの開度が少なく 始動直後のチョーク時のアイドリングが濃くなりすぎましたので。う~ん この立体成型のダイアフラムシート、パーツ出ないかな~~


この装置は機能しないようにバルブコーン外してしまいます

そしてここからの無駄なエア吸いを防ぎたいので オーリングやパッキンを追加

取付。機能しないよう殺した部品ですが。


セカンダリのダイアフラムロッドの2mmEリングの交換


オートチョーク機能の調整


インマニにも 余計なエア吸いがないようにオイルストーンあて

ガスケットも新しく切り出し。

取り付けました。

エンジンをかけて点火時期調整。
効果は ばっちりで
ヤル気にさせる吸気音に、
長時間でも安定したアイドリングとなりました。^^

BMW2002A キャブレターOH2022年08月28日 12時20分29秒

ソレックスDIDTAキャブレターを改めて点検、未着手のところも OHもします。
まずはクリーナーキャブで各ポートに吹きかけ、エア通し

この車がやってきたころに かんたんなOHもしたので 今回はそのまとめも記載。
いったんばらばらにし、各部の点検、各ポートのエア通しもしています。

ガスケットキット

お疲れの加速ポンプダイアフラム膜を交換
仮装ポンプはアクセルをぐっと踏むと ピュッと一時的にガソリンをキャブに増量して吹き出す装置です。
これで加速も良くなるかな


ガスケットも交換  …笑うドクロみたいだねぇ~
各ジェット類はクリーナキャブを吹きエア通しのみで、交換などしない。

フロート室に 沈殿ごみや 脱落物など なし!


これは知人のマルニのキャブを始めて開けたときの画像だが
こんな風にミクスチャーチューブが脱落していることがあるんだよ~ ほんとにホント


燃料カットオフソレノイドの動きも12V印加して動きを確認。OK



ニードルバルブは必ず交換。
ガソリンがオーバーフローするときは ここを疑う


フロート室のガソリン液面は 天井から19ミリに設定。
19ミリに達したら フロートがニードルバルブの弁を閉じてしまうので ガソリンがこれ以上フロート室に入ってこなくなる仕組み。これで油面の高さを一定に保っている。


次にオートチョーク機構。
チョーク回転数の設定ロッドで 長さを設定
この長さ超セルで コールドスタート時のアイドルの回転数を決定できます。2000回転ほどになるように。


オートチョークのカム機構の設定

古びたガスケットは捨てて 新たに切り出して製作


バイメタルコイルを通電で温める接点のつけ替え。 緑青さびふいてるし~

この部分、オートチョーク稼動時 12V来るので 誤って触れてショートしないよう ちゃんと端子を絶縁

チョークダイアフラムの穴あき発見!補修する 

ゴム系接着剤で補修 ここが破けるとオートチョークが効かなくなるんじゃないかなぁ


取付面のガスケット交換


スターティングバルブのバルブコーン外し
極寒地でのコールドスタート用の燃料増量装置だ

日本では不要なデバイスですから バルブコーンを外してしまって 機能しなくしちゃいます。


クーラーのための アイドルアップ装置のステー溶接は 先日お話しましたね


これで ちゃんと「いい混合気」を生み出してくれますように。


BMW2002A インテークマニホールド取付2022年08月26日 06時15分53秒

インマニを取り付けます。





インテークポートの詰め物を外しました。半年ぶり。

インマニ、ドッキング


こちらの画像は約20か月前、2020年11月の様子です





8つのM8ナットを締め・・・


下部の1か所 ボルトナットをステーに緊結
画面の上の部分、オイルディップスティックのバーを固定するためステーでインマニに緊結


インマニとクーラントホースを接続


ここの接続部分ですが 漏れやすいんです。クーラントが。


口金がさびて痩せてきているため、ちょっとホースのサイズにぴったり来ない。
液体ガスケットを塗っておき

押し込むようにホースを接続しました。漏れてくれるな。


こちら側もホースをつけます。
いったんキャブレターを載せて スロットルリンクと干渉しないように取り付け

このホースはバルクヘッドを通って ヒーターコアの出口と接続


キャブのオートチョークのバイメタルを温めるクーラントホース2本も長さを考えて接続




エンジンルームも完成に近づきました。

あとは燃料jホース系統やバキューム系統、 電装品の配線作業を丁寧に進めます。

BMW2002A キャブのリンクロッドの摩耗ガタツキ修正2022年07月29日 19時33分35秒

キャブレターの修理に入る。

もともとこの車BMW2002Aについて居たキャブレター ソレックス2バレルの DIDTA
キャブのスロットルへのリンクロッドのマル囲みの箇所

ロッドから突き出した直径4㎜の丸棒に
スロットルのリンクアームひっかけてある。
アクセルペダルを踏めば この丸棒がスロットルを回転させるのだが
この4mm丸棒が すり減っていってしまうのである。

スロットルのアームと 丸棒が接触する部分を見ると
丸棒がすり減っているのがわかる。


すり減ると、当然、スキマができ ガタツキが起こる。
その数ミリのガタツキが、原因不明のアイドリング不調を引き起こす。
特に、「アイドリンガ回転数が高くて 1300回転あたりから落ちない」というようなトラブルを引き超こしてしまう。



これは自分のマルニだが、やはり同様にロッドの丸棒が摩耗していて、
もともとなにやらアルミスリーブのようなものをかぶせてあった。


もっとも簡単な応急処置としては、スプリング(ひきばね)を買ってきてスロットルリンクにひっかけて 上方向にひっぱってやること。
これでスロットルは完全に閉じるようになるので アイドリングは1000回転以下に落ち着く。


こちらは知人のBMW1502だが、やはり丸棒がすり減っていたので
スプリングで引っ張ってスロットルを完全に閉じる応急的処置をしたことがある。
しかし、そのうち、スプリングの端をかみこんだりしてしまい、やはりアイドルが落ちなくなったトラブルがあった。
もう根本的にここを修理しなくてはいけないのである。



つまり、キャブのマルニは、遅かれ早かれ、このロッド丸棒はすり減ってしまうのである。


ということで、前置きが長くなったが
今回はこの摩耗した 2002Aのロッド丸棒ガタツキ問題を修理する。


ご覧のようにかなりすり減っている。
直径4ミリが2ミリぐらいにまでなってきている。
この差し引き2mmのガタツキが 1300回転あたりからアイドリング落ちないというトラブルを招いていた。


この丸棒に溶接で肉盛りて もとの4㎜にしようかも考えたが、この丸棒はロウ付けでつけられている感じなので余り溶接の高温をかけたくない。
そこで、横に別の棒を新たに溶接でつけることにした。
M6のボルトをやすって幅4㎜としたものを溶接する。ロッドとの接合面は丸く削ってあるのでぴったりだし、ボルトが溶接するのにうってつけだ。

バイスでがっちり押さえつけ 全集中で一転集中アーク溶接・・・ 一瞬で勝負はきまる


溶接後。うまくついた


スロットルのアームにはめ込んでみる。
ばっちりだ。これでガタツキは起こらない。



距離を走ればまた摩耗していくのかと思うが それは何十年か後の話である。。
少なくとももともとの4mm丸棒よりは 幅があるので頑丈だとは思う。



防錆処理をして塗装をしたものを キャブに組み込んでみた。
簡単な修理だが、溶接機がないとできない ディープな修理だ。




もう一つ、キャブレターで 修理というか、グレードアップしたいところがあるので
それは後日紹介する。

BMW1502 アイドリング不調治る。(キャブレター整備)2022年06月01日 19時36分33秒

知人の1976年BMW1502インカオレンジ、アイドル不調治りました!
アイドリングが2000回転ぐらいに上がってハンチング気味、そして本来の1000回転以下に落ちないというトラブル。

やっぱり原因は SOREX DIDTAキャブレターのスターディングバルブデバイスからのエア吸いでした。
オーリングをつけてなかったのが根本原因。
バルブコーンも外して、もう永遠に仕事できないようにしてやりました。



・・・・・・・・・・・・・・・・

さて アイドリングは すごく安定するようになった。
エキゾースト音も一定で変な咳き込み音もない。
エンジン自体が不規則に振れる(振動する)こともない。

最終的にキャブ調整。
スロットルストップスクリューとミクスチャースクリューの調整で
まず回転を基本の750rpmまでに落として。

エアスクリューを4分の3回転ほど開けて、アイドリングをオーナー好みの1100rpmまでに上げた。
好みでアイドル回転数を上げたり下げたりしたいときは このエアスクリューを回してもらうのが一番わかりやすいでしょう。
大きいスクリューだし、エアクリーナーを装着していても 見えやすい。
30cmほどの長いマイナスドライバ―をトランクの工具箱に1本常備しといてください。

あとプライヤーも。エアクリーナーを外すときにヘッドカバーのホースバンドを緩めるときに使います。


にくいほど 安定したアイドリングになった。(メーターはLED照明に替えています)


それと、キャブレターの吸い込み口に耳をかざすと聞こえていた「ジュバ ジュバ・・」といった不規則なガソリンの吸い出される音がかすかに聞こえていたが、それも皆無となり、
「スーーーーーー」という いつものアイドルポートからガソリンが吸い出される音のみとなった。

アイドリングがおちついたせいか バルブ機構のタペット音が気になるようになってきた。(笑)


まとめ。
BMW2002キャブ車のアイドリングが高い場合の考えられる原因
~キーワードは「エア吸い」と「余計なガソリン供給」~
 A:安定した高いアイドリングのとき
  ・スロットル関係のリンクに なにかが噛み込んでいないか。触れていないか。
  ・オートチョーク機構がちゃんと解除されているか(オートチョークハウジングの中のアイドルカムが ひっかかりで戻っていないこともあった)
  ・デスビにつながるバキュームホースが破けたり外れていないか。
  ・デスビを進角させすぎていないか
  ・エアスクリューの点検(スクリューにゴムのオーリングがはまっていますので破けて無いか)
  ・キャブとインマニがつながるあたりのバキューム取り出し口が開いてたりして余計なエア吸いをしていないか
  ・キャブのガスケットが破けてそこからエア吸いをしていないか。
 B:ハンチングするような不安定な感じでアイドリング高い場合
  ・今回のようにスターティングバルブの取り付け口から余計なエアを吸ってガソリンが供給されていないか(キャブのインテークに耳を澄ましていつもと違う変な音がしていないか)
  ・キャブのインテークをのぞき込んで余計なガソリンがスロットルにぽたぽたと落ちていないか

※ エア吸いの疑いに関しては、パーツクリーナーを怪しげなところにブシューと吹きかかてアイドリングの変化をみて探ってください。(これはエンジンの調子が良くても清掃もかねて有効)
※古いバキュームホースはトラブルの原因。とっとと新調しましょう。
※普段から、状態の良いエンジンの音を注意深く聴いて覚えておきましょう。(特にキャブ)
※キャブのスロットルなど、金属同士がこすれあう可動部分にはグリスをつけましょう。

ほんとに旧車の維持は 五感をフル稼働にしておくことですね。味覚は・・さすがにないか。(笑)

BMW1502メンテ 下回り点検とアイドリング高めな原因2022年05月31日 19時53分44秒

では点検をしていきます。

まず、バッテリー。
平成27年からの使用で5年目。そろそろ早めに替えたいところだがオーナーさんはまだ使うとのこと。
燃料ホースの繋ぎめも漏れがないかチェック。OK

ジャッキアップして下まわり点検。
フロントシールからのオイル漏れなどなし。ベルトの張りOK

おっと!
ウォーターポンプとサーモスタットをつなぐホースのバンドがずれてる・・・
この後ちゃんとした位置で締め直し。

ラジエターのフィンにクーラント跡あり・・・

かすかに漏れだしてきているのか?
今特段ぶれたところは無い。もう止まったのかも。
今後はちょっと気を付けてほしいところ。

もう一つ、クーラント漏れ跡がオイルパンに。
どこかエンジンの上の方から落ちてきている感じ。

漏れ箇所はココ。インマニへ入るホースの繋ぎめ。
このホースは確か、4年前のオーバーホールしたときに再使用したホースだ。
ホースつなぎ目真下に穴があり、そこから下に落ちていった跡が。

インマニ裏の45度Cセンサー(オートチョーク制御用センサー)にじわじわ伝わり・・・

コードのコネクから直下のブロックのアースポイントに落下。そのままオイルパンとのつなぎ目を後方に移動していき。。。

そしてオイルパンの肩に落ちるというわけだ。

じわじわと漏れ続けているのだろうか。
とりあえずホースバンドを増し締めし、漏れ跡をふき取ったうえで
今度エンジンかけたときに漏れ箇所を観察だ。それでも漏れるならばホースと接続部のコネクターを交換だ。

クーラントで言えば、汚いサブタンクを除去。このサブタンクがあると クーラーのメンテにとても邪魔になるのだ。

通常の仕様にした。溢れたらここから落ちるだけ。

バッテリトレイ下の燃料ホースのリターン側 具合をチェック。

ステアリングシャフトのラバー。油にじみをブレーキクリーナーで洗浄。
ゴムディスクに亀裂なしOK

ブレーキホースのライン問題なし。

エキマニのナットに油にじみ。

全部のナットを増し締め。

上の方も。それなりに緩んでるもんです。

エキゾーストパイプ付近の遮熱アルミの痛み。

このあたり油にじみ

リバーススイッチの周辺も洗浄。
ゴムのフレックスディスク OK

センターベアリングサポート問題なし。

ペダルボックスのぶあついカバー、限界に近い。
パーツが出るうちに交換したいところですね。ワロスからの送料込みで15000円ぐらいです。

交換したら、こんな感じになりますよ^^


この後 クーラーの効き具合とクーラントのにじみを確認したく 試乗に出た。


帰ってきてガレージに入れた。あれれ・・アイドリングが2000回転から落ちないぞ。。。。
1800~2000回転でハンチング状態 (昨日は1200~1000回転だったのに)。
エキゾースト音も 時々咳き込みが混じる感じの音。なんだぁ???
燃料系、点火系のリーク、バキュームホースなどを見ていくも変化なし。
アイドリングが2000回転と高めでハンチング気味ではあるがエンジンが止まることは無い。
スロットルリンクをチェックし、アイドル調整のためアイドルストップスクリューをさわって調整してみるも、アイドリングこそ下がれど、ハンチング傾向は取れない。キャブのミクスチャースクリュー調整でもない。
デスビのバキューム関係でもない。
・・・なんだろ・・・経験から言って 余計なエアをどこかから吸ってるような感じがする。

そこでパーツクリーナーをあちこち疑わしいいところにブシュ~と吹いてみる作戦。
クリーナー液がかかったときにアイドリングに変化があれば(下がるなどすれば)そこがあやしい箇所という事になる。
・・・で、見つけた!
キャブのここのスキマの奥(キャブの合わせ目ではなくて、スターティングバルブデバイスの取り付け部)にクリーナー液をぶっこんたとき、アイドリングが下がる。
クリーナー液が数秒で蒸発してなくなれば またアイドリングが高くなってしまう。
何度やっても同じ。
このあたりがあやしい!スターティングバルブデバイスの取り付け部分!

ともかく怪しき箇所が特定できたので、キャブの取り外し。

スターディングバルブとはこういうもの。
この装置の説明は 2018年7月8日の記事で書いている。


スターディングバルブ 2個のねじを外し 外してみた。
あ!左の矢印のところにゴムのオーリングがはまっているはずなのに、ない!
右の矢印の部分には紙ガスケットがあるのでOK(でも うすい・・・)
ここからエアを吸ってる?
このキャブは過去に分解したけど、このデバイスは外してなかったわ~~


中はこうなっている
極寒冷地で使用するときのために、冷間始動時に余計に燃料をキャブに吹き出すための仕組み。
バルブコーンというのが空気の通り道を開けたり締めたりする弁の役目をしており、その弁の開閉でキャブにガソリンを追加して吹くか吹かないかを調整している。

エアの通り道のやじるし2か所に、厚めのガスケット紙2枚とオーリング(内径6mmのP-6規格あたり)をはめること。

この小さなゴムのオーリングは、キャブのOHキットに入っている。

取付。
この二つの通路を気密する。
画像の左側のほうにオーリングがなかったので たぶん ここから余計なエアを吸っていてアイドリングが高めになった可能性あり。

閉じました。オーリングのつぶれしろも かすか見えます。OK

時間となったので エンジン始動は明日に持ち越し。