BMW2002A キャブレターOH ― 2020年10月17日 21時35分36秒
ソレックスDIDTA32/32のキャブの組み立てに入ります。
マルニのオートマはほとんどがこのキャブだと思いますが。
キャブOHキットが届きました。
BMWだけでなく、オペル等にも設定あり、同じようなガスケットが2枚あるのは、車種の違いで使分けるためですのでこのうちの半分しか使いません。加速ポンプ回りから。
古い加速ポンプのダイアフラムはヒビワレもあり、もう限界です。
新しいダイアフラムに交換し、組付け、調整。
アクセルペダルに連動してガソリンがピュッピュッとキャブに噴射されなければいけません。
運転でガッと加速したいときはアクセルを踏みこみますが、このときこのポンプのはたらきで
ガソリンが追加で噴射されると言わけです。
ねじでその噴射の具合を調整できます。
続いてにニードルバルブ交換。ガソリンのキャブへの流れ込みを調節する大事なバルブです。
ニードルバルブが壊れると、キャブにガソリンがいっぱいになって、どんどんキャブからあふれ出します。(オーバーフロー)
実際、知人のマルニはオーバーフローしてたので、うちで修理しました。
現在ついて居いるものは壊れていませんが、今回、新品に交換。
このあと、フロートを取り付けて動きを確認します。
フロートレベルを調節します。(油面調整です)
透明なガラス容器とガソリンの入ったホース付きペットボトルを用意。
ガラス容器にキャブ上部をセットして、実際にガソリンをホースから圧をかけて流し込んでみます。
どんどんニードルバルブからガソリンが容器内に入ってくるのと連動し黒いフロートが浮きあがっていき
その浮力でニードルバルブを徐々に閉めていきます。
完全にニードルバルブが閉まったら、もう、どんなに圧力をかけようがガソリンははいってこなくなります。
その時のマックスのガソリンレベルを「フロートレベル」といい、
画像のようにキャブ取付面から19ミリに調整します。
ガソリンがキャブから出れば、フロートは沈み、その分、ガソリンが入ってきます。
このフロートの浮き沈みによって、ガソリンを常にフロートレベルを18~19ミリに調節しています。
じつによくできた仕組みです。
実際、このキャブはフロートレベルが15ミリ程度でしたので、もう少しガソリンが入ってくれるよう、多少調節が必要でした。
ニードルバルブとフロートの動きの動画
このフロートの根元にある「ツメ」の部分がニードルへ当たっているので、ツメの曲がり具合を調節し
フロートレベルを調整します。実にアナログです。
続いてオートチョークのダイアフラムのチェックです。
おっと!これはいかんぞ。ダイアフラムが傷んできており、相当にお疲れのようです。
さらに別の箇所でダイアフラムに穴開いてました!(矢印の先)
これでは気密が漏れてしまい、オートチョークが効きません。
あいにくOHキットにはこのロッドとセットになったダイアフラムは入っていないので後日、テクニカルトート神奈川さんにメールで注文することとします。
とりあえずは、ロックタイト製「黒ゴム接着剤」で補修しておきます。
穴はふさがれた!^^
キャブのガスケットを交換。古いものは硬化して割れてます。
ドクロキャブといわれるゆえん。^^
合体します。先にオートチョークのロッドのリンクをつなげておきます。(画面左のロッド)
あまり強くねじ込みすぎないように。相手は柔らかい金属です。
センカンダリバタフライを制御するダイアフラムのロッドにEリングをはめます。
モノが小さいので、指では無理です。
専用のインストーラーを使います。(タミヤ製。プラモデル用の工具です)
ダイアフラムの動きもチェック。
このケース内のダイアフラムが破けると、高速走行に支障が出てしまいます。
今回ここは調整しませんでした。
続いてオートチョーク機構の調整に入ります。
オートチョーク用のバラフライの開度調整。
6.5ミリにします。6.5ミリのドリルを挟んで調節。
先ほど黒ゴム接着剤で補修したダイアフラムの先のロッドをいっぱいに押し込んだ状態で
チョークダイアフラム開度が6.5ミリということです。
このキャブは閉まり気味で4ミリだったので、調節して6.5ミリにしました。
これと連動して、プライマリーのバタフライは開度0.65mmに調節します。
その直径の針金を使います。
オートチョークのカムへの当たりも、このロッドの長さで調節。
アイドリングのミクスチャースクリュー(混合気のガソリンと空気の比率を調節するねじ)は、完全に締めこんだゼロ状態からとりあえずず4回転戻しにしておきました。ここはエンジンかけてから調子を見ながら調節するところですので、今は仮にこれでいいです。
これで調節は終わり。
それではキャブをエンジンに乗せます。
リンクロッドを装着。
インマニへの取り付け。
配線3か所。
アイドルソレノイドバルブ、オートチョークハウジング、スターティングバルブケース。
冷却水の通じてる右のオートチョークハウジングをキャブに取り付けます。
キャブ側の白いロッド先を、ハウジング内の「バイメタル巻き」の端にある四角いはめあい箇所に合わせます。
これを忘れると、せっかくのオートチョークが効かなくなってしまいますよ。
このしくみは、冷却水の温度で、オートチョークを調節しています。
「オート」といわれるゆえんはここにあります。
つまりエンジンが温まるとその冷却水の温度上昇に応じて、
チョークの効いた状態を少しづつ徐々に「自動で」解除していってくれる、というしくみです。
オート解除チョークなのです。
手動のチョークは、名の通り、人間の判断で「もうチョーク十分かな?」ってことでチョークレバーを手で解除しますが、このしくみは実に賢く、冷却水の温度をバイメタルのコイル巻きで感知して、自動で人間の知らぬ間にオートで解除してくれます。
燃料ホースを接続。
アクセルリンクとスプリングもセット。
オートマミッションへのリンク。
写真を撮り忘れましたが、バキュームホースも2か所接続。
各部最終点検。
キャブは載りました。
おっと待った!
燃料ホースに燃料フィルターかませとこう。明日エンジンかけるまえにやります。
補修したオートチョークダイアフラムの黒ゴムの硬化を一晩待って、あすエンジンをかけてみます。
さてどうなるかな~~
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コメント
_ T師匠 ― 2020年10月18日 04時52分55秒
_ にしやん ― 2020年10月18日 06時17分20秒
T師匠どうもです!
うちの2002も最初レストアしたときはダイアフラム膜が破けてました。
長期間で見ると、消耗品ですね。
うちの2002も最初レストアしたときはダイアフラム膜が破けてました。
長期間で見ると、消耗品ですね。
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試運転が楽しみです!