BMW2002tii ヒーターボックスのオーバーホール3ヒーターバルブ編2025年02月11日 14時08分37秒

ヒーターボックスの上にこのように取りつているヒーターバルブ。
エンジンで熱くなったクーラントをヒーターコアに導いている「回転式の開閉弁」だ。
ヒーターバルブのふたにある矢印(←)のとおりにクーラントが流れる。
室内のレバー操作で、ヒーターバルブを開閉する。
(画像はレストア後の2002Aのもの)



このBMW2002tiiについていた状態。
矢印が 逆やな・・・ まぁこれでも 問題ないんだが・・・なんかね~


ではヒーターバルブの分解から。
このふたつのねじが固着して緩まない!!(あるあるです)
しょうーがない、M6ボルトを半自動溶接して外しました。

蓋を開けてみた中身です。
黒い樹脂製の回転ピースと、茶色のスライド弁。
ん~~~~なんかおかしいわ・・・位置関係が・・・

回転ピースとスライド弁をつなぐ箇所の樹脂製の突起が 折れてしまっていた。
どうりで、このヒーターバルブ、振るとカチャカチャ音がするわけだ。


一つ目のオーリングはアウト。想定通りのカッチカチ。

2つ目のオーリングも、当然、アウト。だろぅねぇ

この時のためにストックしてあるオーリング^^ようやく出番キター

分解部品たち。

回転弁なので、どうなれば開いて閉じるかの解説。

全開で通路は開き全閉で閉じる。


トラブルの1、切れてた接続部分の突起は
回転ピースにM3の寸切り(M3ねじ)をねじ込んで修理。
POR15パッチパテでコーティングしたのは、防触のため。


このように組む。
真鍮の曲がりばねは、スライド弁をケースの内壁にぴったり押し付ける役目。

ラバーグリースを塗ったオーリングも忘れずに。


新しいオーリング大小の2つを入れて このように組みこむ。
弁が回転しやすいように各部に薄くラバーグリスを塗っておく。
クーラントの流れは矢印のとおりに。

最初に開けたときと 組み込みの位置関係を比較してみてください。
これ、おかしいでしょ。回転ピースの接続突起が折れたから こうなっちゃうんです。


閉じました。溶接したボルトはこのままで(笑)

ホースとの接続部には このようにバリがシッカリのこっているので
ヤスリで削って平滑にしておく。これのせいで、水漏れしやすい。



さて問題の二つ目がこれ。
回転ピースには通常、このような四角形の切り欠きがあるのだが
このヒーターバルブのものは 四角の切り欠きがもげてしまっていた!
この四角の部分、大事な部分なんですよ。
この四角の切り欠きに、ワイヤを接続するレバーをはめ込まねばならないのです。

もう~何から何まで アウトなやっちゃ。
本来なら、もう使えない!と捨てられてもおかしくない状態。
そして、ヒーターバルブのパーツがないよ~と悩むところだが。


しょうがないので 知恵絞って対策部品を作るしかない。
4.5mm厚の鉄板から切り出して、いろいろと精密に加工。
時間かかる~~


いい感じだ・・・

ヒーターバルブのステーを溶接。これで四角問題は解決!

完成!オリジナルより、ガッチリして、微調整可能になったわ。
これで回転弁がちゃんと動きます。
操作ワイヤをつなぐための大事な大事なレバーなんです。

バルブ、閉じ状態。
左上から入ってくる熱いクーラントを、右下のヒーターコアに流しません。
室内の操作レバーは最もCOLD側

バルブ、開き状態。
熱いクーラントがヒーターコアに流れ込みます。
室内の操作レバーは最もHOT側
レバーは角度にしておよそ100度ぐらい動くようになってます。


このようにヒーターコアと接続します。

最終的には このようにボックスに取り付け(取付ステー製作の必要あり)
右側のシリンダーヘッド側から来るクーラントホースと接続します。
クーラントの流れる矢印の向きも正しい。^^

操作ワイヤはヒーターコアのなかを通過して
室内の操作レバーにつながっています。

ヒーターバルブのレバーは
ボックスに対して縦振りになります。


さてこのようにして
ヒーターバルブをお金をかけずに汗をかいて(笑)オーバーホールをします。
これで新品で買う3~4万円(もっと高いかも?)を節約できます。
・・・そもそも、もうBMW2002のヒーターバルブの新品は出ないのですが。



そこで、流用できる他車のヒーターバルブはないか?
と 探したところ、ありました。
ローバーミニ用に流用できますよ~ということで
ヤフオク!で5000円ほどで売りに出てました。
「ローバーミニ ヒーターバルブ」で検索してみて下さい。
これ、いいかもしれん・・・。


試しに買ってみました。^^
DENSO製、樹脂製の非分解の回転弁式、ストレート流れ。
いいね。どうも古めのホンダ車で使われているもののようだ。

ホースの接続部の外径はマルニのものと比べて1mm細くて17mmですが
問題なく接続可能でしょう。回転弁の動きも軽いです^^

しか~~し!
問題は、レバーの開閉方向がマルニと逆であること。
これだけが残念~~。

でもそこは知恵で解決。
ヒーターバルブにはクーラントの流れ方向を示す矢印が刻印されているがにしてやればよい。
こんな感じでヒーターボックスに取り付ける感じだ。ワイヤとつなぐステーは横振りになりますがワイヤのしなりがあるので問題ないでしょう。
ポン付というわけにはいかないが
あとはボックスとの取付ステーや ワイヤと接続するステー部品を加工制作
する必要がある。
それさえすれば、じゅうぶんに流用可能であると判断。
機会があれば自分のマルニで 取り付けしてみよう。

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次回のヒーターボックスのオーバーホール、最終回はボックス本体編です。

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