蓄音機の修理12017年10月15日 19時51分28秒

ちょっと仕事の関係で 蓄音機を修理している。

これはもう ばらした状態。(笑)

壊れた蓄音機が2個あるので、ニコイチします。
(ニコイチ = 2個から1個の完成品を作り上げること)
こちらは、部品取りになってもらう蓄音機。

「おわら節」のレコードがついていた。
早く聞きたい。どんな音だろう。
左下のダイヤルは、回転数調節のつまみ。
で、このターンテーブルの下に、レコードが回るしくみがある。

ターンテーブルを裏かえした。こういう機械で回るのだ。
この蓄音機、ゼンマイ巻きをしても、手ごたえがなく、レコードが回らない。
蓄音機の動力源であるゼンマイが巻けないのでは、動くはずがない。



機構をよく観察。
なかなかシンプルだ。


上のプレートをはずしたところ。
なるほど、ゼンマイの「香箱」から歯車で回転を伝えているのだな。

これが、ゼンマイの入った香箱と呼ばれるもの。
蓄音機の動力源である。
2個の香箱で構成されている。

1個の香箱のふたを開ける。
なかにはゼンマイが入っている。長さは数メートルにもなるという。
で、こういうふうにゼンマイの端がシャフトにとめてあるのが正しい。

もう1個のほうをあけると、ゼンマイの端がシャフトから外れていた。
どうりで、ゼンマイが空回りでして 巻けないわけだ。

ゼンマイの端をシャフトに止めるべく作業開始。
まず、ゼンマイがビョーン!と飛び出さないようにシャコ万で固定し、端だけを出す・・・

割れた端は少し切り落として、新たにドリルで穴を開ける。

万力に固定したら、バイスで固定し、ラジオペンチでM4のなべタッピングを止めていく。
ゼンマイには張力があるので、バイスでシャフトにゼンマイの端を固定するのがミソ。
ラジペンでタッピングの頭をつかみ、少しづつねじ込んでいって、ようやっと 固定に成功!


香箱のなかにはグリスをつめて、再度フタをし、完成。
右側のゼンマイが巻かれることで、左側のゼンマイが回りだし、ターンテーブルが周りだす。

とーぜん、蓄音機には、電源コードなんて、な~い。
デンキがなくても、レコードが聴けるのだ。
すべてこの、ゼンマイが動力源である。



これはターンテーブルの回転数をコントロールする機構。
蓄音機は78RPM(1分間に78回転)ぐらいにするらしい。現代のレコードより速いね。
2個のおもりを固定する板バネの1本が折れていたので、部品取りから移植。
これが回転して、いわるゆる「ガバナー」みたいな働きをする。


んで、回転するディスクにフェルトを当てることで、回転数をコントロールする。
ディスクブレーキみたいなもんだ。


組み上げたところ。
ちゃんとゼンマイも巻けますよ!

おおっ、ちゃんとターンテーブルが回りました!

動力のほうは直ったので、
次は音の機構にかかります。

コメント

_ T師匠 ― 2017年10月16日 05時44分07秒

おやおや、今度は蓄音機ですか?
どんな音がするのか楽しみですね!

_ にしやん ― 2017年10月17日 07時44分32秒

T師匠
仕組みがわかって面白かったです。
人智のすばらしさを感じました。
どんなおわら節が聴けるのか 楽しみです。

_ JG54 ― 2017年10月17日 19時35分41秒

いやぁ~蓄音機修理ですか?こんな願っても出来ない蓄音機の修理が出きるなんて羨ましいです。
車は修理してエンジンがかかるのが魅力。
蓄音機は修理して音が鳴るのが最高の魅力ですね。

_ にしやん ― 2017年10月18日 06時51分13秒

JG54さん
小学生たちに昔の生活を紹介する機会があり
みせるだけじゃなく、聴かせたり 触らせたりすれば面白いんじゃないかな~と思い
やっております。
自分もどんな音が出るのか 楽しみです。
また、修理のコツなどもネットで勉強しました。

_ JG54 ― 2017年10月19日 02時57分37秒

ほおー!それはいい機会ですね。
小学生の子たちが蓄音機に耳を傾けて歓声が沸くのが目に見えます。
きっと子供たちは大きくなって、MP3プレイヤーのスイッチを入れるたびに遠い日の驚いた思い出を思い出しますよ。

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