BMW2002A 暑さ対策 その3 キャブをWEBERに交換2023年07月07日 15時13分48秒

パーコレーションで ガソリンをおもらしする ソレックスキャブ・・・

もう交換したくなって
WEBERのダウンドラフト キャブをパーツ棚から引っ張り出します。
WEBER 32/32 DGEV といいます。
マルニのキャブ車の交換用キャブとして よく使われるものです。
過去に程度の良い中古を ゲットしておいたものですこの際、分解清掃して この2002Aに取り付けてみます。


スロットル部分。

上下分割しました


ガソリンが溜まる フロート室内 きれいです


2バレルのベンチュリ―。
最も狭まった箇所が32mm直径


アクセルリンケージ。
プライマリと セカンダリの連携が ギア式で わかりやすい


フロートの高さ確認。ガスケットなしで41mmでOk

ニードルバルブ

加速ポンプのダイアフラムの点検。問題なし


バイメタルを使用した オートチョーク機構
これまでと同様、オートチョークリレーを介して加熱します


取り付けました。
特に加工も必要なく、ポン付できます。

アクセルとのリンクロッドも 加工なしで取付できました
ただし クーラーのアイドルアップ用のステーは 製作しなきゃ なりません


リンクロッドの調整


 燃料ラインも繋ぎました



ではエンジン始動!
空のフロート室にガソリンを送り込んだ20秒ほどのクランキングのあと、
2発目のスタートで ちゃんと かかりました!

エンジンかかったら
ファストアイドル回転数や チョークバタフライの開度調整


アイドリングの ミクスチャースクリュの調整をして ととのえます


新しいキャブの具合 いいですね~

ちゃんとアイドリングもして ふけ上りも良好です。(当然か)
動画は こちら


エアクリも小さいものに 変わりました


エアクリは丸くでかいオードブルパックから
四角いステンの弁当箱に なりました(笑)

気温は30℃。
30分もガレージ内で クーラーつけっぱなしで長時間アイドリングしていると
ガソリンは50度を超えて やっぱり、沸騰してきました。
う~ん 30度越えの気温では やっぱり来るか~~
でも プライマリ側に ガソリンは漏れていませんね。^^

上から フロート室がかすかに見えるので 温度を測ろうと温度計を突っ込みました。
55℃!
50度未満では アイドリングがラフになることはないのですが。
アイドルジェットの通路の中で ガソリンの気泡が発生してるのかもしれません
となると、もっと、キャブ自体の温度を下げる対策をしなければならんのかも。

 温度計でフロートを押し込んでしまったらしく、ガソリンがどんどんフロート室に流れ込んで、ぐつぐつ煮えたぎったガソリンを オーバーフローさせちゃいました。(笑) →エンスト。
迂闊だった・・・

キャブ交換は やっぱり パーコレーションの解消の 決定打にはなりませんでした。
もともと、30度超えの気温のなか
クーラーつけたままでの30分超のアイドリングして パーコしないのが無理なのか?

だけど、ぽたぽたと ガソリンが滴下することはなくなったので
このままWEBERのキャブで乗ってもらいます。

後記:
その後、100kmほどこのWEBERキャブでテストランしました。
明らかに速くなった!
同じペダルの踏み込み量でも WEBERがSOLEXよりも早いと感じます。
特に、3速での時速50kmから上が 踏めばそれなりにグワ~~とパワーが出て速くなりました。
見通しの良い道で踏んで 時速80㎞に達するまでが 早くなりました。
あと、エンジン音が変わりました。よりワイルドになったというか、男らしくなったというか
一言で言って、ワイルドスピード!です。
より ガソリンを多く エンジンにぶち込むようになった、という感覚です。
燃費はまだ計測してませんが、良くなってはいないですよね^^;



パーコレーションの次なる対策。
あきらめず、続きます。

BMW2002A 暑さ対策 その2 燃料クーラー2023年07月06日 19時36分40秒

暑い夏!
エンジンルームが熱くなってくると、パーコレーションしてしまいます。
走行中はいいのですが、
信号待ちでエンジンのアイドリングが不安定になり、エンストの可能性も。
先日キャブを覗いてみると ガソリンが沸いて スロットルに滴下していた・・・。

対策その2として
何とかガソリンを冷やしたいので 燃料クーラーを作ってみた。
先日のロックアイスでの冷却法ではないが、
燃料ラインをクーラーの冷気で冷やせばよいのではないかとの発想。


普通のゴムホースではなく、熱伝導の良い銅管を使う。
モノタロウで買った なまし銅管6.35mm径。
やわらかく この直径なら手曲げも可能だが 下手に曲げて管の「つぶれ」には注意。


1.8m分をこのように曲げ


クーラー室内機の横に穴をあけ、銅管を入れる。


一番冷えるところの エバポのまん前に 銅管を持ってくる。


燃料ラインは トランクからきて 室内のここを通っているので
途中でカットし・・・。

この銅管に接続する。
エンジンルームに入る前に なるべく冷やしておこうという作戦。
こうすれば、クーラーを使用するような暑い日は ガソリンも冷やしてくれる。
とりあえずはエバポの前の銅管60cm分だけ冷やしていいるが、
コルゲートチューブをもう少し太いものにして
エバポの中に入るまえから 管の中を通り冷気で少しづつ冷やしていけば
1.5mほどの冷却ラインができるだろう。


実施に温度を測ってみた。
エンジン始動前、ガソリンタンク底の温度は 25度。
30分アイドリング。
上の写真のレッドの接続部分で35℃。
ブルーの接続部分で30度となり、この対策でガソリンが5度冷えた。
なにもしないと、どんどん上がる一方だから、結構冷却しているのではないだろうか。
キャブのフロート室の温度も40℃題で、50度以上には上がりにくい感じ。

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※後日再計測した
@気温33度、湿度90%
ガソリンタンク:36度
燃料ポンプ:36度
赤色矢印部分銅管(冷却後)30度
やはり 5~6度ほど 冷やしてくれてました
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※また別の日にも計測
@気温35度 湿度85%
ガソリンタンク:40度
冷却後の部分 銅管36度



・・・とはいえ、完全とは言えず、
アイドリングを長く続けていると、やはりエンジンルーム内部の温度が上がり、
インマニもキャブも熱くなるわで、やはり時間がたてばパーコレーション気味(アイドリング不調)になる。
今回の対策は ちょっとパーコレーションになるのを遅らせたという程度であった。

そのそも クーラー効かせればきかせるほど
電動ファンでコンデンサーを通過したあったかい空気が
エンジンルーム内に送り込まれているからね~~・・・




次なる一手は、ソレックスのキャブから
熱で ガソリンが滴下してしまうのを
何とかしたい、ということで キャブ自体を対処する。






BMW2002A 暑さ対策その12023年07月04日 17時04分33秒

真夏の走行を想定し 
クソ暑い中の 田んぼ道を ノロノロ走っては止まり、10m進んでは止まり、
の繰り返しで低速テストラン中。
渋滞にはまったことを想定してのテストランだ。


信号待ちが延々と続く想定で シフトはAに入れっぱなし。
アイドリングの様子や水温計をの動きなどを観察

あがってきたね、水温

水温が上がってくると アイドリングがラフになってきた・・・!
タコメーターの針が微妙に振れ 斜体に振動も加わる・・やだね~~

エンジンルームどうなっているか。
30分も走れば エンジンルームはアツアツである

なんとキャブのフロート室は60℃度以上!
これはガソリン煮えたぎってるわ

燃料フィルタ付近 エンジンルームは80℃以上・・・

そんなあっついエンジンルームのど真ん中、
燃料ポンプの直前に取り付けていた燃料フィルター。
いつもこんな風で空気が抜けきらないのであるが、
問題なのは 気泡が燃料ポンプの方に吸い込まれていくことだ。
これは周囲温度が熱くてガソリンが沸騰、気化しているのだ
矢印のところに気泡があるのがみえる、こいうのが連続してポンプに吸い込まれていくのが見える
エンジンを止めてみても。燃料フィルターの中で ポコ、ポコ・・・と気泡が発生しているし
ガソリンの表面は 沸騰した水みたいに かすかに踊り沸いている感じだ
海外ではVapor Lock (べーパー ロック)といって、キャブ車乗りの夏の悪夢である


こうなるとエンジンはたちどころに調子が悪くなり、(ふけなくなる)
エンストしてしまう。エンジン始動もままならない。
こういうときはあきらめて ボンネットをあけ 最低でも30分~1時間は エンジンを冷やすしかない。
とにかくガソリンを冷やすことだ。

早く何とかしたい場合は、右ドアの下、サイドシルに沿って
ガソリンがエンジンルームに向かう樹脂チューブがあるので、
カーペットを剥いて、チューブを少し引き出し(手で触るとお湯のようにあったかいはず)、それをコンビニで買い求めたロックスアイスをあてて強制的に冷やすことだ。(エンジンをかける)
氷が溶けだしてロックアイスの袋の中に水が出てくれば、狭いところにも袋が追随するので
なお冷えてよい。1時間以上は冷たい状態を持つだろう。
40~50度近いガソリンがある程度は冷えるので、エンストもなくなんとか家にたどり着くことができる。
(先日、実験済み)
ただしこの症状も、エンジンが冷えてしまえば
何事もなかったかのようにエンジンはかかり、普通に車は走るのが
パーコレーションの現象だ。
また、気温の高い時だけにおこる。



ということで真夏の走行、べーパーロックとパーコレーション対策その1。
あつあつになるエンジンルーム内の燃料フィルタは外す。

燃料ホースだけにして

断熱材を巻き、コルゲートチューブで保持
バルクヘッドから燃料ラインが出てくるところから キャブまでがっちり巻いた。
これで少しは熱対策になるだろう


そして外した燃料フィルタは トランクルームへ

燃料タンクから出たばかりのところ、ここに設置
周囲温度は上がっても この周辺は40度程度であった。
周囲温度が90度のエンジンルームと比べたら ここは断然涼しい。
もうフィルタの中でガソリンが湧くこともないだろう・・・



アイドルがラフな原因はキャブにもある。
キャブのプライマリー側をじっくり上から見ていると、
メインジェットからガソリンのしずくがぽた・・・ぽたと スロットルバタフライに滴下している
これがラフなアイドル不調の原因だ。
いわゆるパーコレーションだろう。
余計なガソリンが滴下するために アイドリングの燃調が狂い、時間がたつにつれ、アイドリングは調子が悪くなっていって やがてエンストする。
すでにOH済みのキャブだが・・・
原因が熱にあるなら、その根本原因の熱対策もしなければならない。
パーコレーションが起こっているなら、ガソリンを冷やすようにしなければならないし、キャブ自体も熱くならないよう対策を講じる必要がある

ガソリン滴下のようすは こちら


外国では キャブがとても熱くなってしまう事を HEAT SOAK といって、
キャブレターがアツアツになっていろいろなトラブルを引き起こす。
YOUTUBEで
CARB    HEAT SOAK    VAPOR LOCK 
などのワードで検索すると
海外の方々はいろいろDIYで対策しているのがわかる
米国はキャブ車も多く走っており、それの対策パーツもどんなものを使っているのか、非常に参考になる。

BMW2002A オートチョークのパイロットランプ設置2023年04月29日 06時25分51秒

オートチョークねたもこれで最後でしょうか。
冷間時の始動ではオートチョークが自動でかかりますが
稼働してるかどうかはエンジンの回転数でしかわかりません。


そこで、ちゃんと稼働してますよ~ってことがはっきりわかるように
オートチョークのパイロットランプをつけました。
場所はこちら。
このLED結構まぶしいですが、ドライバーの視線をちょっとずらせば光源は見えない位置にあります。
マルニでは 手動チョークのノブがついている場所です。(一部車種)
「CHOKE]とテプラで作ったシールを貼りました



ソレックス32/32DIDTAキャブのオートチョーク機構。(空いているところ)
このあたりの調整は 前述したとおり。



ステアリングコラム下の樹脂カバーに10ミリの穴をあけ
LEDランプ(オレンジ)を取り付け。


配線は、エンジンルームに通し、
オートチョークリレーの黄色線(ヒーターコイルへ通電する)から青いコードで分岐。
アースは取り付けねじからとる。


ソレックスDIDTAキャブの場合
冷間時の始動でオートチョークが効く(チョークコイルに通電する)条件は、
①エンジンルーム内の気温が摂氏17度よりも低い(17度センサ)
②水温が摂氏45度よりも低い(45度センサ)
この①と②が両方とも そろわないといけない。

気温17度センサはインマニのここ、燃料フィルタの横にある。

水温45度センサはインマニの裏にあり みえにくい。
クーラントホースの横にある。そう、インマニの一部には冷却水が通っているのだ。
(多分インマニを温めるため)

朝の気温は17度以下なら、まだオートチョークが稼働する。
実際、4月現在、エンジンを始動して2分ぐらいはパイロットランプがついていた。
2000回転のファストアイドルを続けたまま、ランプを見ていると 約2分経った頃、パイロットランプは自動で消えた。
①②の条件のどちらかが欠ければ、パイロットランプは消えるわけだ。

今後気温が上がって17度を超えるようになれば
オートチョークが効くことはなくなる。


いずれにしてもこのパイロットランプが消えたら、
エンジンも温まりだしたんで そろそろ走しだしてもいいですよ~
という 一つの目安にはなるでしょう。

BMW2002A オートチョークのダイアフラム交換など細かい作業2023年04月04日 08時20分31秒

先日海外から購入した ソレックスDIDTAのチョークダイアフラムを交換した。

新旧比較。
古いものは→部分に破れがある

何とか補修で繋いできたが ようやく 交換だ。
半世紀ご苦労さん。



キャブのトップを外す。
このダイアフラムは 三角形みたいな形のフタの中に入っている。

サイズは同じ^^



新品は きれいだし、何といっても、やわらかい^^


ガスケットも入れて 蓋をする。押さえのスプリングもわすれないように

ついでにフロートとニードルバルブを点検。
フロートレベルはとても重要で、キャブの調子にモロ影響する。

現在、マニュアル通りにキャブの合わせ面から油面まで18ミリにセット。


通商「ドクロキャブ」(笑)の点検。
穴のつまりや ガソリンが溜まっているフロート室にゴミが入ってないかなど。

キャブのトップを6つのネジで取りつけて、
燃料ホース、セカンダリダイアグラムのロッド、
オートチョークのロッド、エンジンとホースで繋がったオートチョーク水温デバイス、
そこにオートチョークリレーからきてる配線をつないで完了。


ではアクセルぺダルを1,2回踏んだ後、ペダルを踏まない状態でキーをひねりエンジン始動。
一発始動で、ファストアイドル(エンジンをかけた直後の、ペダルをまだ踏まない状態でのアイドリング回転数)は2000回転にセット。

ファストアイドル回転数は このロッドの長さで調整する。

にしやんはいつもこの突き出し量をノギスで測って調整するのだが
この車では4ミリ突出しで 2000回転となった。
もっと3.5ミリ、3.0ミリというふうに短くしていくと ファストアイドルは高くなる。

このナットを緩めるのには7ミリレンチが必要だ。 
安心してください。ココに強力ネオジム磁石で常にくっつけております。
ほかにキャブ調整に必要な長いドライバも。^^


ファストアイドル中、
チョークバタフライを指で微妙に開いたりしてみるとわかるが、
エンジンの燃焼具合が変化する。
ファストアイドル中にエンジンが不完全燃焼でバタバタ言わないように
チョークバタフライの開度を調整する。
冷間始動のファストアイドル中にエンジンの調子がどうも悪いな~というときは
ここのチョークバタフライ開度が適切でないことが多い。

このピンをプライヤとかでつかみ、微妙に曲げて開度を調整する。


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そのほかのキャブ関連作業

ギボシ端子からこのようなパーツを作り

オートチョーク機構の開口部をあけ

ファストアイドル・カムのストッパー・ピン

ファストアイドル・カムのストッパー・ピン(3ミリ直径のピン)に ぐっとはめ込む
このパーツで ファストアイドル・カムの「当たり位置」を調整するのだ


疑似的に シミュレーション。
気温8度。アクセルペダルを1回軽く踏んでから、踏まない状態でエンジン始動。
オートチョークが効いている。
今回交換したダイアフラムが働き、赤い矢印のようにエンジン負圧で5㎜程ひかれて
全閉だったチョークバタフライが全閉から5~6ミリ開く。
この状態でファストアイドルは2000回転ぐらい。


1~2分ほども2000回転で暖気して さぁ出発とアクセルを踏むと
ファストアイドルカムが進んでアイドル回転数が少し落ちる
アクセルをオフにしてもアイドル回転数が1500-1700と高いまま。


運転中。
3分もたつと これぐらいに カムが進んで アイドルも1500ぐらいに下がる。


エンジンが温まるにつれ どんどんファストアイドルは下がっていく
もうそろそろ オートチョークも終わりだ


4~5分もたてば オートチョークバタフライはコイルの熱で全開になり
オートチョークは自動で終了する、という一連の流れだ。

※オートチョークがきいている時間の長さは 気温によって変わります。
寒いと、当然、長くなります。


今回のパーツ追加で
この段階的アイドルの下がりが よりはっきりできるようになった。


最期に このパーツしっかりはまっているので取れないとは思うが 
ずれたりしないように 念のため固定。

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もうキャブについては やりきったと思うので もう触ることもあるまい。

あ、そーだ、
あとはクーラーのアイドルアップ装置でちょっと触るだけだ。

BW2002A オートチョークリレー作成2023年03月22日 16時57分03秒

オートチョーク関係のリレーを設置。


エーモンの4極リレーを使用


気温が低い時に、オートチョークが稼働(チョークバタフライが閉じる)するわけだが、その稼働時間は真冬で10分ぐらいになる。
さすがに10分は長いので、それを半分ぐらいの5分に短縮してやろうとするのがこのリレーを組み込んだ仕組みだ。配線図はこのようになっている。


このリレーは バイメタルのぐるぐる巻きを ヒーターコイルの熱で速く戻してやってオートチョークの時間を短くしてやるものだ。つまりヒーターコイルへ行く電気をオン/オフ制御している。
水温が45℃以下で、かつ、気温が17℃以下でこのシステムが稼働(オン)する(黄色線87に12Vが導通する)。つまりエンジンが冷え切ったときだけ稼働する。
エンジンの暖気が進めば、温度センサーがそれを感知して ヒータコイルへの電気をオフにするという仕組み。


ここの部分の中に 冷却水が通っているとともに、なかにヒーターコイルが入っている。
接続された1本の配線が、ヒータコーイルとつながっている。

これがその中身、オートチョークバタフライを動かすバイメタルのぐるぐる巻きだ。
熱を感知してこのぐるぐる巻きが動くという実に素晴らしい仕組みだ。
その動く範囲は以下の画像で示した通り。けっこう動くんですよ。

このぐるぐるの奥に隠れるように今回のヒータコイルがある。ここに12Vがかかれば ヒーターコイルは熱くなり、結果、その熱でバイメタルをより早く動かすことになり、早くオートチョークバタフライを閉じ状態から開き状態に持っていってくれる。(オートチョークの早期解除)


そのシステムのセンサー、
インマニの下に1ピンの45℃水温センサが刺さっている。
水温が45度以下だと、アースとつながっている。


そしてここには2ピンの気温17度センサーがある。
気温といっても、エンジンルーム内の温度だから、エンジンがかかればだんだん温度が上がっていくわけで、エンジンルーム温度が17度以下で2ピンはつながっており
エンジンが温まって17℃より上になれば2つのピン接点は離れて導通しなくなる。


この2つのセンサ情報をもとに ヒータコイルに電気を流すかどうかを決めるのがこのリレーだ。
①水温45度以下で、かつ ②エンジンルーム温度17度以下ならば、ヒータコイルに電気を流す(リレーの30と87がつながる)。
①か②の一つでも導通が断ち切られれば、30と87のリレー接点は離れ、ヒーターコイルへの電気を遮断する。


その流す電気の30番及び86番の電源は ヒューズボックスからとる


ヒューズには上流(バッテリ側)と下流(電装品側)があるから
必ず下流側に電装品を接続する。

今回は3番ヒューズから電源を取った。ちなみに3番ヒューズはリアガラスのデフォッガー熱線につながっている。


ヒューズボックスを戻す


配線を組んで キャブのオートチョークハウジングに配線を接続して完了だ。
このシステム、 冬などの冷間始動では暖気の時間を半分ぐらいに短くしてくれる効果がある。
ドライバーはほとんど気にかけることはない装置だが、ひっそりとそんな仕事をしている。



このリレーの配線にLEDパイロットトランプなどを組み込んで(ランプの赤線を87につなぎ、黒線をアースする)運転席から見えるように設置すれば ちゃんとこのシステムが稼働しているかどうかを確認できる。

寒い日のエンジン始動時では点灯し、5分もしてエンジンの暖気が進めば 自動でランプは消えるはずだ。
このランプが消えたら、オートチョークもほぼ終わりに近づいたという事なので、さぁ発進するぞ、という目安にもなる。

BMW2002A いろいろ注文品届く2023年03月01日 18時50分37秒

預かってる後期型マルニの2バレル式キャブレター(SOLEX DIDTA)の部品が英国から届きました。
オートチョークのダイアフラムです
これはネットでいろいろ探しましたが すぐにはなかなか見つからず それでもあきらめず
探し続けていたのですが 英国のキャブ専門店でついに見つけました。
2こで送料込みで、72ユーロ。

キャブのここの中に入ってる部品

オレンジ色のは 自分で補修したシリコンがはがれてしまった跡です(補修はうまくいかなかった)
後で気づいたが こちら側に塗ってはいけません。この反対側にぬらなければいけなかった。

そのあとG17ボンドで穴を塞ぎ補修してましたが 今後の運用に不安があり
ずっとネットで新品を探していた

古くなると ここのダイアフラム膜に 穴が開きます。
こうなるとオートチョークが正しく機能しなくなってしまい 冬にエンジンがかりにくい車となってしまいます。
予備の同型キャブレターも2つヤフオクで確保して持ってますが、全部、このダイアフラムは破けてました。
キャブレターOHキットは売られているのですが、なぜかこのダイアフラムは入っていないのです・・・。


穴があいていて空気が漏れる。こうなるとダイアフラムとしてはもうおわり。

これまでなんとかだましだまし使っていた部品を ようやく交換できます。

ついでにキャブのガスケットも自作でカッターで切り出してポンチで穴をあけて複製。
「ドクロ」の耳からあごにかけての部分に液体ガスケットを薄く塗ってあるのがミソです

耳からあごにかけて キャブからのガソリンにじみ漏れが少し認められたが
 これで漏れを防ぎます。(これまでどうもシールが甘かった)
ガスケットを大きめに切って 合わせめから若干はみ出すように作ってあるので もしガソリン漏れがあれば 「にじみ」としてすぐに視認できます。
いまのところれガソリンもれていません。^^


もう1つの届きものはこれ

デスビのオーバーホールをした時の 進角装置のスプリングです。

この進角ガバナーの引っ張りコイルばね

サンプルをばね屋さんに送り

説明画像も送り


出来上がったのがこちら。
半世紀はたらいて へたっているばねを交換です。これだけあれば 今後入庫するマルニの整備にも役立つでしょう。
うち、2個はすこし強度を強めにしてもらった強化品です。エンジンの点火時期がどう変化するか興味があり。

固定クリップは整備中に飛ばしてなくしたらアウトなので この際同じものを作ってもらいました

料金は全部で1万ほどでした

いずれもたいへんこまかい部品ですが
エンジンの調子にものすごく影響するパーツです。

BMW2002A 冷間時始動でエンジンかからないとき2023年01月29日 12時50分14秒

このところ冷間時始動のネタが多いですが もう一つ。

BMW2002 キャブレターDIDTAで
冷間時始動でエンジンがなかなか始動しない時は
チョークバラフライが完全にしまっていないことが多いです。
このスキマが多いと 余計な空気を吸ってしまい 濃いめの混合気が送れないのでエンジンがなかなか始動しません。

その様子を動画にしてみました。
動画は
こちら
https://youtu.be/Mh_fYF07cac


完全にチョークバタフライが閉まらない理由は
バタフライの回転軸に引っ掛かりが有ったりすることが多いですが
チョーク機構の部分を開けてみて 問題がないかを点検しなくてはなりません。

BMW2002A 冷間時始動(コールドスタート)の動画2023年01月27日 14時03分54秒

前回の記事(BMW2002A 寒い日はオートチョークの調整)の補足として、
この2002Aの冷間時始動(コールドスタート)の動画をデジカメなどで撮り
パワーデイレクターという動画編集ソフトで作りました。




年間でいっちばん寒い時の暖気運転は どのぐらいの時間 すべきなのか?
趣味の旧車だから 朝の通勤ごときに使う事もないとすれば 何分ほど ドライブの前に暖気すべきか?
当方の着目点を説明しています。
回転数ばかり気にしていてはいけないという事です。

【さきに結論】
→気温が0℃近い厳冬期でこの車の場合、最低でも3分30秒。できれば4~5分の暖気運転がいいだろうという事がわかりました。
この暖気運転の間のガソリン消費量はわからないが、
当方の勘ですが、ジョージア缶1本分ってところでしょうか?カンだけに(笑)



この厳冬期にしかできないことなので 記録として^^
う~さむっ はやく立春してほしい^^;



10分21秒のその動画は こちら です。
タイトル BMW2002A Cold Start at 4DegCelcius
https://youtu.be/0GhvM6tlNhw




BMW2002A 寒い日はオートチョークの調整2023年01月25日 19時28分49秒

10年に一度クラスという 低温寒波の朝!
う~ 寒っ!

いつもよか 廃油 多めに出して!フタも取って!
あったか~~い


こんな日は 気温が低い日でもちゃんとエンジンかかるか テストします。
オートチョークの設定がキモです。
チョークバタフライの開度で調子が変わりますよ。キャブの中に見える黄銅色のものがチョーク機構をつかさどるチョークバタフライです。
「チョーク」とは、エンジンが冷えているときに わざと濃いガソリン混合気を燃焼室に送ることで
寒い時でも始動性を良くするしくみのことです。

「ソレックス2バレルキャブ搭載のBMW2002A エンジンのかけ方」(コールドスタート時)
運転席に乗り込み、アクセルペダルをまず1回、トンと踏みます。
これをすることで、チョークバタフライを全部閉じにしてやります。(ばねの力で勝手に全閉じになります)
ATシフトはPの一番奥まで入ってるか確認します。
アクセルペダルはいっさい踏まないで、キーを刺し、スターター位置までひねる。
エンジン始動する!(はず)
で、この初期状態でタコメーターは2000回転あたりを指す。(ファーストアイドルという。回転数は調整できるが通常は2000に)※ただし寒い時はいきなり2000に行かず1500当たりから次第に上がっていくことも。
この状態でもうオートチョークがきいていることになる。

これでしばらく暖気していれば エンジンは次第にあたたまってくる。(水温計があがってくる)
2000回転だから少々うるさいですが。
まあ、2~3分ぐらいですか。

さぁ出発します。
アクセルをポンと軽く一回踏めば、アイドルはすっと下がります。
が、まだクーラントの水温が低いので 1500あたりぐらいにしか落ちません。
オートチョーク機構は クーラントの水温によって 制御されているのです。

これでATのギアを入れて 出発しましょう!
エンジンがまだ十分あたたまっていないときはゆっくり走ってください。いきなり全開はいけません。

あとは走行のクーラントの水温の上昇に応じて、運転中に段階的に自動でチョークは解除されていきます。
自動でチョークがかかり、自動でチョークが解除される機構だから、「オートチョーク」と呼ばれている。


オートマのマルニの場合、
最終的にシフト位置がAの場合で(信号待ちなどののブレーキング時)、アイドリングは1000回転より下になります。 


例えばシフト位置「P」でタコメーター1100回転でも、ブレーキを踏んでシフト「A」に入れれば500~600回転あたりに落ちます。(ATのトルクコンバーターの負荷がかかりクリープ状態になる)。






エンジンが十分に暖まれば、水温はこのあたりを指していることでしょう。
(サーモスタットは本来82℃のところ、72℃タイプを使用)
もうアクセルを踏み気味にしても大丈夫です^^

コールドスタートは上記のようになりますが
いったんエンジンが暖まってしまえば、オートチョークは効かなくなりますので
エンジン始動の際は アクセルぺダルをちょい踏みにしてキーをひねってもらっても構いません。

つまりクーラントの水温によってオートチョークが制御されますので
出かけた先でエンジンを切って長時間停駐車し、エンジンがまた完全に冷えきってしまえば 自動でオートチョークがきくようになります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結局 チョークバタフライの開度設定はだいたい6mmとした。
最初にエンジンがかかったときの(ファーストアイドル時の)バタフライ開度です。
アイドリング中に このように6mmの棒を差し込んで測る。
これよりも開度が小さかったり 大きかったりすると 混合気のバランスがくずれ
エンジン始動ののっけから アイドルが不調になりますよ。(実験済み)

まぁ、ふだんはこの部分、エアクリーナーボックスに隠れてて チョークバタフライなんて見えませんが^^;
ただし
運転手には 上記のことはいちおう 知っていてもらいたいことです。