BMW2002tii エンジンブロック洗浄 ― 2025年01月21日 14時01分15秒
先週までのうちに ワイヤブラシなどで
汚れや錆をあらかた落としておいたBMW2002tiiのエンジンブロック。
パーツ洗浄液の濃いのを作り(5%)
スチールウールなどで内外をごしごし・・・
まだまだ汚れ取れます
外に持ち出し 油汚れ用洗剤で洗う。
大寒だというのに、北陸では珍しく雪が無くて暖かいので助かる!
ニトリル手袋の上に軍手をはめて、ブロックの凸凹をなでるようにしての手洗い!
と言い聞かせる。
油よごれを洗い流します
メクラ蓋の穴をねらって ウォータージャケット内に噴射!
最初はやはり 赤さび色の水が出てきたよ
それぞれの穴から水路内を高圧噴射!
そのうち赤さび色はなくなった。^^
洗浄が終わったらすぐにエアブローで水飛ばしする。
オイル通路、ねじ穴・・・徹底的に。
そして廃油ストーブ横で
タオルで水分を拭きながら乾燥させる。
熱で乾いたらブロック塗装の前にミッチャクロンを吹く。
塗料の密着がよくなる魔法のスプレー。^^
ブロック内側には吹きませんよ。
塗料が入り込まないように穴をマスキング。
ロックペイントのプラサフ・グレーを吹きます。
この時期寒いから、スプレー缶自体をぬるま湯で温めてから良く振って吹きます。
捨て吹きの後、2回に分けてプラサフを塗装しました。
エンジンブロックは耐熱塗料でなくても こういった塗料でもOK。
ブロック形状ですが、
キャブ仕様とインジェクション仕様とでは 形状が違うなぁやはり。
塗装の下地塗装が終わったので、とりあえず錆びる心配なし。
ということで 上塗り塗装は いつでもいい。
ただし、塗装をしないエンジンブロック内側壁やシリンダー壁、オイル通路には錆が発生しないように浸透性潤滑油を十分に吹き込んでおいた。
次回はブロックの上塗りとしてブラックのウレタン塗装します。
BMW2002tii エンジンブロック塗装 ― 2025年01月22日 13時49分38秒
プラサフを塗装して1日置いたエンジンブロック。
上塗りとして2液ウレタン塗料のブラックを塗ります。
塗料主剤を200g計量→硬化剤とシンナー加えて330gに。
【塗料主剤10:硬化剤1】 この総重量を100とし、シンナーを40~60%加える。
まずはスプレーガンのエア排出量や塗料排出量を調整をしながら うす~く捨て吹き。
乾燥の間、他に塗っておきたいものを錆取り。
これはインジェクションポンプをベルト駆動するプーリー。
プラサフ吹き
同じ腰下パーツであるエンジンマウントのステーも一緒に塗ります。
ブロックは2回に分けて塗装。
ブロックとしては十分な膜厚がつきました。
雪が無いので こういう作業が外でできます^^
レストア直後は この塗装の光沢「濡れ感」が
あたかもオイル漏れしてるように見間違いやすいのですが
走るにつれ だんだん埃がついてきて 艶けし状態になっていきます^^:
あとはマスキングをはがし、余計な箇所の塗装はカッターで削ります。
また、エンジンブロックにはスターター取付部に7桁のVIN番号(車台番号)と原動機型式「2.0」が刻印されていますが、そこは予めマスキングをしておいたので はっきり文字が読み取れます。
あとはメクラ蓋8つを打ち込んだら 汚なかったブロックのOHは終わりです。
(パーツはまだ選定中で注文していない)
次は他の腰下パーツ、
オイルポンプ、ピストン&コンロッド、クランクシャフトなどなどの洗浄と点検/計測に入ります。
BMW2002tii オイルポンプ点検 ― 2025年01月23日 21時52分08秒
エンジン腰下回りのパーツを洗浄しながら 点検していってます。
地味な作業ですわ・・・
オイルポンプの点検。
外した時はごらんのとおり真っ黒に汚れてた。
オイル管理 悪かったな~
分解して「トロコイドポンプ」を観察。
チェーン駆動で軸が回転することでオイルが圧送されるしくみ。
アウターローターを外してみてみると・・・
ギアの摺動面(アルミ素材)に深めの線キズ発見!
ギアを見ると、何か金属片を2か所噛んでおり
ギアに食い込んでいるではないか!
ギアに食い込んでいるではないか!
別角度で もう一枚
これじゃあ あんな線キズもできるわな~
オイルに入り込んだごみを噛んじまったか・・・
リューターで食い込んだ金属片のでっぱりを慎重に削り、
全体的に軽くオイルストーンがけ。
オイルをたらし、組み込み。
ちゃんとひっかかりなく、トロコイドギアが回転することを確認。
インナーローターの凸が4つなのに対して、
アウターローターの凹が5つなのがこのポンプの仕組みのミソ。
軸が回転することでオイルを吸いこみ、そしてかつ、オイルを押し出す仕組みとなっている。
まぁ あの傷で油圧が不足することはないはず。
新品のオイルポンプなんて出ないから このまま洗浄して再利用だ。
リリーフバルブの部分も分解。
あ~~ やっぱ中には スラッジが・・・。ここも洗浄~~
灯油で洗浄。
スプリングと、スライドピンに異状なし。
ポンプのオイル吸い込み口には 異物の吸いこみはなく。
なるべくきれいに洗浄して エンジンへの組み込みを待ちます。
それまでオイルをまぶしておいて 錆びないようにして保管しておく。
BMW2002tii ピストン、クランクシャフト洗浄 ― 2025年01月24日 14時35分21秒
ピストンとコンロッドの分解
ピストンピン(直径22ミリ)を打ち抜きます。
ピストンリング外し
ピストンリングのエキスパンダーは2002のピストン専用に 多少いじってある。
ここの爪の部分にを金やすりを当てて
刃物みたいに鋭利にしておくと リングをしっかりつかんでくれる
左から、オイルリング(3つ)、セカンドリング、トップリング
リングの溝の汚れは・・・そんなにカーボンのこびりつきはないねぇ
スカート部がこすれてるピストンも一部ありましたが
これぐらいはいつもあるので 再利用している。
裏もそんなに汚れてないな
ピストンはいつものとおりパーツ洗浄液で煮ます (暖かいほうが良く汚れが落ちる)
こびりついたカーボンなどを洗浄し、水洗いの後、乾燥させます。
真っ黒だったピストンがピッカピカです。
手に持っているのが 洗浄後のコンロッド。
長年の黒ずみが取れました。
このあと、錆びないように エンジンオイルに漬けこんで 保存しときます。
続いてクランクシャフト。
クランクシャフトの黒ずみも洗浄。ジャーナルに通じるオイル通路の穴も!
いつもの 洗剤を使って軍手撫で洗い。
水で洗浄後、エアブローして乾燥。
特にオイル通路はしっかりと水気を飛ばす。
錆が発生しないよう、すぐに全体にエンジオイルをまぶし、立てて保存しときます。
腰下のロワーカバーの洗浄。
外側は真っ黒け、内側もスラッジで真っ黒けだった。
2002tiiはインジェクション仕様なんで 形状がキャブ車と大きく違いますね。
形状が複雑なんで 洗うのも疲れるわ~
これの新品は出ないので 慎重に洗います
ウォーターポンプの取り付け面をオイルストーンで平面にしておく。
頑固にこびりついたガスケットがとれないときは、
ムリにスクレーパーで削り取ろうとしないで
ケミカルを使って溶かします。
ふ~~!
やっとキレイに!時間かかったわ~
オイルフィルタを取付けるハウジングのガスケットも
石みたいに硬かった!
スクレーパーでも歯が立たないときは
ケミカルを吹いては削り、吹いては削りです。
このあと、オイルストーン(砥石)で研磨して完全平面にします
最後はパーツ洗浄台で綺麗に洗浄します。
古い車の燃料ポンプを流用した
自作の 12V循環式パーツ洗浄台です。
おっと クランクシャフトの後ろ側のオイルシール外し、忘れてた。
ハウジングもきれいにしました。
とまぁ、こまごま、雑雑としたパーツの洗浄は地味な作業ですが
レストアでは実はとても大切な作業です。
できればみんな 新品に交換したいが、先立つものの限りがあるからねぇ・・・
次はシリンダーヘッドに移ります。
これまた、洗浄が大変そうだ・・・・
なるべく 洗浄液への漬け込みで 汚れ落とすようにしよう。
MY2002近況 ― 2025年01月25日 14時30分59秒
この冬は ここ富山の平地では
雪が無くていいですな~~
今日は30分ドライブして 富山市にお気に入りの餃子を買いに来ました。
MY2002
1974年式 BMW2002 (後期型 角テール)
直4 1990cc ソレックスDIDキャブレター(純正) 4速MT
ヤフオクで20万で買ったレストアベース車を 2006~2008年の2年間でDIYフルレストア。
(「ぺいんとわーくす」様から塗料一式購入、DIY素人オールペン)
生餃子12個(900円)を買って 家で焼いて食べます。
素朴な味で これがうまいんだ~^^
エキマニから導いた暖かいインテークエアのおかげで
冬ですがキャブレターの調子も良く。
ただ、水温は80度に上がっても、そのあとから遅れて徐々に上がってくるオイル温度が
十分に暖まらないと 本調子は出ないという感じだ。
30分ぐらい乗っているとエンジンの回りがほんとに軽くなる。
その時は 油温も十分に上がっているのだろう。
その時は 油温も十分に上がっているのだろう。
油温計とりつけたくなってきた。
2か月前にエンジンルームに設置したオイルキャッチタンク。
ガレージに帰ってから、アイドリングしながらエンジンルームを見ていたら、
オイルキャッチタンクの上から湯気が上がっているぞ・・・タンクを割ってみると、中に半分ぐらい、薄い麦茶色の水が溜まっていた!
え、もうこんなに溜まってるの?!
オイルはそんなに溜まっていない。
水の方が早く溜まるんか。
もちろんすぐに捨てましたが。
これはこまめにキャッチタンク割って 中をチェックしないとダメですね。
BMW2002tii ヘッドのスタッド抜き ― 2025年01月27日 20時18分00秒
シリンダーヘッドでやること
・スタッドボルトの交換
・エキマニの交換
・バルブステムシールの交換
・バルブすり合わせ(バルブ密閉度向上)
・後端のコネクタパイプの交換
・全体的にカーボン落とし
まずはエキゾースト側のエキマニのスタッドボルト外しから。
(画像は最後の1本を抜くところですが)
もともとこの2002tiiには 変なタコ足エキマニがついていた。

もうちょっと曲げろよ~という感じのタコ足ですが。(笑)
中間マフラーへの接続部がまた酷いんだわ。
なので、ノーマルのエキマニに戻してやるつもり。
こいつも サンドブラストぐらいしてやらんといかんが。
エキマニをヘッドに取り付けるスタッドボルトの状態。
半世紀も交換しないでいるので状態が悪い!!
ねじ山が 錆びて 痩せてきてます。
スタッドボルトは ダブルナットで 抜き取ります。
M8ナット2個を通しまして
先に入れたナットをスパナで固定し、あと入れしたナットを ぎゅっと締めこむ。
これでスタッドと2個のナットが一体化する。
あとはナットを 緩む方向にまわしていけば(ナットは空回りしません)
はい スタッドボルト、抜けました~
いずのスタッドも とっくに寿命です
新品は ワロスに8本 注文済みです。
スタッドだけじゃなく、エンジンOH関係のパーツ、ブレーキ関係のパーツ、
足回り&ステアリング関連のパーツを
三日前にまとめてワロスに注文。合計37万円でした。
1週間で届きます。
DHL→クロネコを経て自宅に届くと、配達してきたクロネコヤマト配達員に玄関口で消費税分として いくらかとられますので合計40万円近くになると思われる。
為替相場、1ユーロが160円なのが痛いよね~~~~
この2002tiiのレストアで、ドイツのワロスへのパーツ注文としてはこれで3回目。
今回を含めて パーツに合計80万円ぐらい支払っています。
エンジンが仕上がって、今後、内装及び外装の方にかかっていくと そちらのパーツも必要になってくるはずなんで、ワロスにはあともう1回ぐらい注文する予定。
結局、ワロスからのパーツ購入総額は110万円ぐらいになるとの予想。
(ワロス以外の店やヤフオクから購入したパーツなど計算に入れてませんので、1台のレストアに100万円程度ですむと思わないで)
使えそうなものはなるべく再利用か自作を心がけているが、1,2年でアウトになりそうなものは新品に交換しちゃうよ。
それでもこれぐらいはいっちゃう。マルニのパーツも少しづつ高くなってきてるしね。
さてスタッドの抜けた排気側。
一方、吸気側のスタッドはこの程度なら このまま再利用です。
ダイスでねじ山の錆をさらっておけば なおいいでしょうが。
では ヘッドのばらしに かかるかねぇ~~
BMW2002tii ロッカーアームリフター製作 ― 2025年01月29日 12時47分51秒
シリンダーヘッドをばらすにあたり 特殊工具を制作する。
平鋼6ミリ厚×800mmを2本
角座金(4.5mm厚)2個で 溶接で製作。
完成。
平鋼を2枚重ねて溶接して しならないように剛性を出してある。
穴は、シリンダーヘッドのスタッドホルトに刺さる穴。
19ミリの高さの爪のようなものを100mm間隔で8つ溶接。
何でこういうものを作ったかというと。
カムシャフトがロッカーアームを押し上げており
カムシャフトを簡単に抜くことはできないから。
棒で指した部分を押せば その分、ロッカーアームはリフトする。
この原理を使う。
このツールを使い、8つあるロッカーアームを全部リフトさせて
カムシャフトをすっと抜けるようにしたい。
ロッカーアームの「Eccentric」と呼ばれる「偏心コマ」がある部分に
ツールの爪をあて・・・
クランプの力で9mmほど押し下げれば、
ロッカ―アームがリフトし、カムから離れることになる。
L型クランプで9mmほど押し下げるだけ。
ヘッド本体は机にべったり置かないで、木片をかませてかさ上げしておくこと。
ツールがヘッドの上面にあたるまで 2本のクランプで押し下げれば
4つの吸気側ロッカーアームが全部リフトしている。
(このとき、4本の吸気バルブがヘッド下面に突き出ることになるので
ヘッドの下に木片などをかませて 床からかさ上げしておかなければいけない。これを怠ると、バルブが曲がってしまうかもしれない)
ヘッドの下に木片などをかませて 床からかさ上げしておかなければいけない。これを怠ると、バルブが曲がってしまうかもしれない)
排気側も同様にリフトさせれば、カムシャフトは完全にフリーになるので
一発で抜けるはすだ。
これまでは、L型の自作ツールを使い、てこの原理でロッカーアームをリフトさせていたが
これが大変面倒だったので、楽にカムシャフトを抜くことができるツールを今回制作したというわけ。
先日、BMW2002にも載っているM10エンジンのシリンダーヘッド分解の動画を見ていて思いついた道具だ。
この動画では BMW社ファクトリー正式のしっかりしたツールを使っていたが、
ホムセンで買ってきた材料で自作でも同様のものが製作出来る。
カムシャフトを抜いた後は、ロッカーシャフトを抜くための
直径15mm×450mmの鉄棒が必要になる。
かつては15mmの木棒でもやったが、やはり鉄棒には敵わない。
ただし 棒の先端に真鍮ナット(MAX直径15mm)を加工して鉄棒にはめ込んだ。
ロッカーシャフトにあたる部分が 打撃の衝撃で 傷まないように
鉄より多少柔らかい素材を取付た。
分解するための道具もできたので 明日から シリンダーヘッドのばらしにかかる。
ワロスに注文したパーツ類の出荷通知メールも届いた。
このメールが届いたら、あと5日ぐらいで到着する。
ヘッドをばらして 各パーツを洗浄し終えた頃に
ちょうどパーツが届くってかんじかな??
BMW2002tii カムシャフト及びロッカーアーム外し ― 2025年01月30日 11時53分38秒
バルブの突き出しに備えて ヘッドを木片などで浮かせる。
自作のロッカーアームリフターをセット。
4本のL型クランプでヘッドに接するまで。
全てのロッカーアームがリフトしました。
カムシャフトのリテーナーを外さないと カムシャフトは抜けない。
苦労なくすっと抜けたカムシャフト。素晴らしい!
カムシャフトの通る穴。
ロッカーアームがリフトしているのがわかる。
次にロッカーシャフトを叩いて抜きます。
まずは ロッカーアームの左右の動きを止めるクリップを8つ外し。
先端を真鍮にした、先端直径15ミリの鉄の丸棒をあてて叩いていく。
シャフトにはヘッド側の穴保護のためにビニルテープを巻いておく。
まずは 吸気側からいこう。
叩いていきます。
指先で鉄棒先端と、ロッカーシャフト後端をしっかりつかんで
新著に叩いていく。
マルニのエンジンOH作業の中で 最も荒仕事な箇所です。
ロッカーシャフトが叩いた分だけ少しづつ移動するので
それに伴い、ロッカーアームとワッシャ、スプリングをはずしていきます。

中ほどまで叩き出したところ。
後半は抵抗も減り 大した力もなく軽く叩き出すことができました。
はい、抜けました。
先端の真鍮は叩き出しの衝撃で ロッカーシャフト側のかたちに沿って変形しています。
ロッカーシャフトは変形させたくないからね。
ロッカーシャフトはただの棒ではなくて、中が空洞になっていてオイルの通路になっているのです。
排気側も同様にロッカーアームを抜きながら シャフトを叩き出せました。
あとはバルブだけとなったBMW2002tiiのシリンダーヘッド
おっと スパークプラグを外すのを忘れていた
割と新しめに見えるね・・・
燃焼具合にばらつきがあるね~ 3,4番のカーボンが特にひどい。
終いには プラグの電極がカーボンでつながってしまい エンジンかからなくなるぞ。
ガソリンの混合気が濃いというだけでこんなにもなるものだろうか?
バルブステムシールの劣化でオイル下がりしていた可能性も捨てきれないな~~
またはオイル上がりかも?
はたまたインジェクション機構の調整が悪くて常に濃すぎる混合気が送られていたか?
ヘッド側はこんなだものね~ マックロケ。
こんなにカーボン堆積したヘッドは 初めて見た。
排気バルブは いつもこんな風に 表面に硬~いカスがこびりついているんだよね。
排気側は高温の燃焼ガスが吹き抜けるから、何かの成分が焼きついていくんだろうね。
スクレーパーやカッターなんかじゃ歯が立たないので
超硬ビットをつけたリューターで バルブに焼き付いたカスだけを慎重に削り取る。
その後、サンドペーパー#120で手磨きすれば それなりにきれいになった。
バルブがヘッドにおさまった状態で ある程度綺麗にしておくのが らくでいいだろう。
次はバルブ外しになります。
BMW2002tii シリンダーヘッドのバルブ外し ― 2025年01月31日 14時18分12秒
汚れのこびりつきが多い 排気バルブの清掃から始めます。
リューターで慎重に削り、このあと真鍮ブラシとサンドペーパーがけ
おおよそきれいになりました。
バルブスプリングコンプレッサーで8本のバルブを抜きます
このようにセット
バルブの傘の中央に。
もう片方は バルブのスプリングの上にあるリテーナーに乗せます。
バルブスプリングコンプレッサーを締めこんでいけば、
スプリングが縮んで バルブの頭にはまっているコッターが見えてきます。
コッター2個を磁石付きのピックツールで外します。
こちらはワロスで新品購入可能。
これで バルブがすっと抵抗なく抜けるでしょう。
バルブも新品が出ます。^^
スプリング&リテーナーも外します
スプリングも新品あり。
知人のBMW乗りで 運転中にこのスプリングが折れてしまい バルブがピストンとゴッチンコしてしまったことがあったなぁ 当然、エンストです。
その人は、自分でエンジンばらして修理したんですが、スプリングが金属疲労で 折れてしまったとしか思えないといってました。
できれば!このさい交換しておけば憂いなし、の部品ということか。
再利用しますけど(笑)
バルブにはまった2つのコッターが バルブを抜けなくしているのです。
バルブガイドにはめ込んであるバルブステムシールを専用プーラーで抜き取ります。
昔はこれをプライヤーでやっていたが、これがなかなか苦労するので専用プーラーを買った。
あとは残ったスプリング受けを外すのみ。
ヘッドに圧入されているバルブステムガイドだけが残ります。
これで一式になります。
シリンダーヘッドを分解するのは このバルブステムシールを交換したいためでもある。
はずしたものは、新品にくらべてかなりゴム質が硬化していた。
これはゴム製品で消耗品ですからね。
ある程度の距離と年数を走ればオイル下がりしてくる可能性も。
安いですが、ここにたどり着くまでに大変という部品です。
バルブのステム(軸)にはまっているのだが
ここのゴムの柔らかさで燃焼室内にオイルが入らないようにシールしている重要部品なのである。
3番排気側バルブを抜くときに 引っ掛かりを感じた!
真鍮製のバルブステムガイドを観察。
あ~ なんか傷つけてる・・・ということは
バルブには曲がりなし。
観察すると、コッターのはまる部分に2個の「噛み傷」がありました。
このでっぱりが ステムガイドに引っ掛かっていた。
推測ですが、以前このエンジンをOHした誰かが 組み込みの時にこの噛み傷をつけてしまった可能性あり。
ダイヤモンドヤスリで慎重にでっぱりを削ってオイルをまぶして ガイドに入れ直したところ、
抵抗もなく、バルブはすっと入りました。
ガイドの傷はたいしたこともないので ガイドの入れ替えをしなくてもいいでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、2番排気バルブのオイルステムシールですが、
本来はまっているはずの 上のスプリングが 外れていました!
こんなの、初めて見たよ。これまた、組み込み時のミスか???
ここのスプリングの締め付けがないと、バルブが上下に動くたびに燃焼室内にオイルが下がっていた可能性あり!
2番の排気ポートを見てみると!
燃焼室側から見る。
エキマニ側から見る。やはりカーボンが多め!
燃焼室内は汚れていなくても、排気バルブ側からオイルが少しづつ出るので
排気ポートにカーボンがたくさんつくのもうなづける。
どうりで、この車、アイドリング時にすらマフラーから薄い煙が出ていたわけだ。
他の排気ポートは カーボンはあれど、2番ほど盛大に汚れてはいない。
古い車は 往々にして バルブステムシールの劣化で調子を悪くしている車が多いな~
さて なぁんにもなくなったシリンダーヘッド
しかし 汚い~~
燃焼室側
バルブの当たりが結構 荒れてる~
あれだけカーボンありゃな~
まぁこれで バルブの摺り合わせできれいになるけど。
次回、ヘッドの丸洗いです。
最近のコメント