丸テール 燃料リターンラインづくり ― 2023年11月02日 13時20分19秒
燃料リターンラインが殺してあった、というのは 先日ブログに書いたところ。
その後、ブログ記事を見たオーナーさんから
燃料リタ―ンライン作成の注文が入りました。
材料もそろったので 作業に取り掛かります。
まずはボディ側に燃料ホースを通す穴あけをします。
画面中央、白い点が打ってあるところ。
ドリルで穴あけをし、リューターで拡大。
空洞になっている構造の向こう側の鉄板には
もう最初から穴がありました。
防錆のためプラサフ吹き、乾燥後 黒で塗装。
これで外径16ミリのトヨロンホースが通ります。^^
リターン側ホースをタンクから出ているパイプにつなぎ、
この穴から車外にホースを出します。
トヨロンホースの役目は、燃料ホースに傷がつかないようにするための保護材。
6ミリ銅管でこのようなジョイントを作ります。
銅線のハンダ付で 両端に抜け防止を作りました。
タンクから来たホースに6ミリの燃料ホースをジョイント。
ちょうどここはトランク奥側の下。
「サドル」という管を固定する金具でホースを固定します。
今後の防錆のためにすかさずスーパーラストガード吹き。
ワックスなんで防錆性能はいいんですが、これが乾いたら、
オイル漏れしてるようにみえちゃうのが たまにきず。
ここにもサドル打ち。
ホースはデフの上を通って 左側に行きます。
左リアタイヤの側にホースを出します。
赤丸のところでカットの予定。
次に用意するのが 外径6ミリ、厚み1ミリのなまし銅管。
まず 片方に抜け止めの加工
管に1ミリの銅単線を一巻きしハンダで溶かしつけたあと、
やすりでポコチンのように整形加工。
接続するゴムホースがスッポ抜けないようにするための一工夫。
手間かかってるね!!
さてなまし銅管は3メートルほどカット。
左リアタイヤ付近から、エンジンルームのバッテリトレイの下あたりまで3m。
この銅管で、車体下を通るリターンラインを作ります。
「なまし」銅管ですので、手で簡単に曲げ加工できます。
1ミリ厚の銅管は腐食に強いため、今後何十年も、持つでしょう。
一方 ゴムホースはすぐ劣化してひびわれてくるので、短いサイクルでの交換が必要です。
リターンラインを設けるにあたり、リアからフロントまで長~いゴムホースでリターンラインを作るのは、現実的ではありません。ゴムという素材の柔軟性も必要ありませんし。
水に濡れたりして過酷な環境にさらされる車体下には、銅管を使った方が、耐久性があるのです。そして両端には柔軟性のあるゴムホースを使う。
左リアアクスルのところに端っこをもってきます。
ここの部分で、先ほどの内径6ミリゴムホースにホースバンドで接続します。
銅管を手曲げしながら フロントへもっていく。
このルートは、後期型マルニでも同様です。(純正は鉄管ですが)
要所をサドルで固定していきます。
車内側に数ミリほどねじの先が出ますが、シートの真下なんで踏んだりしないし
問題ないでしょう。(配線だけは傷つけないように配慮)
にしても、車体下の防錆塗装、けっこう パリパリにはがれてくるね・・・
ここは新たに、防錆&耐チッピングのボディシュッツを吹いたほうがいいんじゃないかな?
ペダルボックスのわきを通って、エンジンルームのバッテリトレイの下あたりへ。
ちょうどバッテリトレイの下あたりで銅管をカットし、端を抜け止め加工します。
使う燃料ホースは やっぱり大野ゴムで!
新品のゴムは やわらか~い^^
このあたりで、ホースバンドで接続します。
あとはエンジンルームでの作業です
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さてエンジンルームの燃料ライン。
現状はこうなっている。燃料ポンプでどんどんガソリンを送っても、行き止まりになっております。
2つのキャブに燃料が消費されるとはいえ、たとえばアイドリングが続くときなどでは消費量も少なく、それでいて ホースの先が行き止まりでは、エンジンルームの熱で、どんどんホース内やフロート室内のガソリンが熱くなっていきます。
そして真夏などの酷暑下では、最悪 ホースの中でガソリンが沸騰して泡が発生、エンストにつながるぺーパーロックを起こします。
にしやんの実測値では、だいたい摂氏60度近くになってくると、ガソリンが沸騰しだして
キャブのフロート室内でぐらぐらと煮立っています。
キャブのフロート室内でぐらぐらと煮立っています。
こうなるともう最悪だね。キャブ車の宿命、真夏の悪夢です。
エンストしちゃって、ボンネット開けて道路わきで頭カキカキ悲しい炎天下立ちんぼう~
他車ドライバーから嘲笑の的。恥ずかしいよね、あれ。
そこで今回、リターンラインを作るとともに、ぺーパーロック対策も行う。
まずは既存の燃料ホースを外しちゃいます。
でもなんか 太いんだよ、このホース・・・
ジョイントはただの銅管か・・・。フッ・・・ポコチン化してないね。
そして、青いアールズ風のジョイントも、単なるお飾りの、
ホースバンドを使った なんちゃってアールズ風。(笑) 本物はねじ接続だかんね。
俺はぜったいに こんなこざかしいことはしないね。
しかもだ!
このホース、内径9ミリが使ってあった!
このホース、内径9ミリが使ってあった!
キャブの口金は8ミリなのに!!
タンクからくる樹脂ホースも外径8ミリなんだよ?
そこになんで 内径9ミリホース使う??? 燃料漏れするでしょ!
え?ホースバンドで締めればいいって?それが実際は、うまくいかんのよ。(経験済み)
にしやんはきっちりホース径、合わせます。
少なくとも、かぶせるゴムホース側は計の小さい内径7ミリでもなんとか行けますが、だぶだぶの9ミリホースは絶対に使わん!
別に自慢することでもない・・・こんなん、整備するうえで 基本中の基本じゃん。
さて今回登場するのがこれ。
WIXフィルター!(ドラえもん風に)
リターンラインを作るために作られたような ちょっと変わった燃料フィルターだ。
これはイーベイでアメリカから以前買ってあったもの。1個2000円ほどかな。
これがスグレモンなのよ。
このように接続します。
キャブより 高い位置にあるのがミソ。
つまり こうなっている現状行き止まりのラインに。。。
キャブ配管をいじらずに
簡単には燃料ラインを分岐してリターンラインを設けることができます。
下に向かう黄色いリターンラインは、
なまし銅管で作ったリターン配管にホースバンドで接続すれば
この車のリターンラインは完成だ。^^
それよりも、このWIXフィルターの何がいいかって、
このように酷暑で発生しちゃった場合、泡を上側に集めてくれて、
リターンライン側から燃料タンクにどんどん押し戻すことできることだ。
電磁ポンプとの組み合わせで、その効果はMAXになります。^^
これ一つで、酷暑下でのぺーパーロック(エンスト)が解消できた!というユーザーは多い。
YouTubeで 「Vapor Lock」で検索すれば、ひげもじゃのアメリカ人のキャブ車のおっさんたちが こぞってこれを称賛している動画が沢山出てきますので 見てください。
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