丸テール、入庫 ― 2023年08月28日 14時27分29秒
新たなマルニがまたやってまいりました。
1972年式、キャブレター、4MTのBMW2002。
当ブログの読者様の愛車です。
これはレストアではなく、いくつかの整備のための入庫です。
別のショップでオーバーホールもやり ほとんど仕上がっている状態なのですが
総合的チェックと こまごましたところを 当方で整備します。
このブログで整備のポイントを書き これから長く乗っていただくために
濃いめのソリッド・グレーに塗られて サイドモールが全周、取り外されています。
こういうのも シブいですね~
スズキJB64ジムニーのミディアムグレー(カラーコード ZVL)よりはずっと濃い目で
トヨタ新型SIENTAのダークグレー(カラーコード 1L7)に近い感じです。
最近こういった色合いの車も 時代なのか 結構目にするようになりました。
人気の丸テールです。どうしても丸を手にいれたかったそうです。
丸はやっぱり 憧れですもんね。
状態のいい丸テールライト。
センター出しのスポーツマフラーはかなり勇ましいエキゾースト。
内装は内装屋さんにキャメルブラウンに張替えをしてもらったとのこと。
エンジンルームだけはパールホワイトに塗り分けられています。
WEBERのツインキャブ搭載で 運転すると なかなか勇ましい咆哮!
燃料ラインにリターンがないので
真夏のぽべーパーロック対策として、
燃料のリターンラインとべーパーロックを防止する特殊な燃料フィルタ取付予定。
乗ってみると
アクセルペダルに足を乗せただけでもウォン!とエンジンが吠え出し
レスポンスが過敏! 言い換えれば、「アクセルの踏みごたえ」がとても軽い。
これは乗りにくいですよ。足先に微妙なアクセルワークが求められ、1時間も乗ると足がつりそう。
見るとアクセルリンクを引っ張っているスプリングが細く、この張力が弱いような気がします。
これよりも張力の強いにしやんのマルニのスプリング(純正品)と交換してみて
踏みごたえの変化を見てみましょう。するともう少し扱いやすくなるかもしれない。
最終的には、大阪のばね屋さんでいい具合のスプリングを制作依頼することになるかもしれない。
エンジンですが 車両を購入したとき ピストンとシリンダーが錆で固着していたそうで
すでにシリンダボーリングをして エンジンはオーバーホール済みとのことなので
ほとんど大きな仕事はありません。
ブロックには72の刻印。1972年製です。いまから51年前。
クーラーはついて居ませんね。
キャブとインマニの間に入るインシュレータからとエア吸いしてました。
見るとインシュレーターが破けてるみたいです。
そこはまた フェノール樹脂(ベークライト)でインシュレーターをワンオフ製作し
直そうと思います。内装は張替え済みとのこと。
なかなかきれいですよ、これ。こんな技術 ほしいな~
にしやんがやるのは 主に電装系のこまごまとした整備ばかりです
メーターパネルのウインカーが点灯しなかったり、
ウオッシャーが出なかったり。
センターコンソールのあたりの仕上げをします。
4速のマニュアルミッションは問題ありません。
そしてブロアファンも動かない状態。
つまりはヒーターが効かないとのことで
空調(ヒーターボックス)も同時に手を入れます。窓全開でも我慢できても、
暑い時は窓全開でなんとか我慢はできても
寒い時期のヒーターの効かない車ほど 乗れない車はありませんからね。
ヒーターバルブを見ると、バルブが逆に付けられています。(バルブの蓋の矢印)
ヒーターボックスには左右で合計2本のクーラント出入り口がありますが
助手席側(右)からIN,運転席側(左)からOUTが正しい。矢印は、クーラントの流れの方向を示します。
ウォーターポンプ → シリンダヘッド → ヒーターバルブ → ヒーターコア → ウォーターポンプ と流れていかねばなりません。
面白いことに、先に入庫した2002tiiも、同様にヒーターバルブが逆について居ました。
なんでみんな 間違えるのかな???
オーナーさんの書いた修理リストにより 一つひとつ 直していきましょう。
先に入庫中の2002tiiと同時進行ですが、
こちら丸テールはフルレストアではないので 長くはかからないはず。
遅くとも 雪が降る12月までには お返ししたいと思っています。
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