W211 E320CDI ATF交換、ATバルブボディオーバーホール その12022年01月15日 07時10分42秒

メルセデス独自開発の7速AT。
初めて聞いたときは7速もあるのか!と驚いたものだ。
このころからATの多段化がはじまった。



今回はATを分離したので、そのさいにトルクコンバーターからATFを抜いておいた。
小さなプラグがあり、(これが硬くしまっている!)、そこからATFを抜く。2リットルほど抜けた。
ATFの部分的交換をする人はトルコンから抜く必要はなし。

外したE320CDIのトルコン。ほこりなどが入らないようにビニルで包む。

ATFオイルパンからATFを抜く。
抜けるだけ抜いて・・・これだけではたいして抜けない。


次に長めの釘をヤスリで削って作った特殊工具(笑)をドレンの穴に入れ、内側にはまっている樹脂製のレベルチューブにブッ刺して上方向にコン!と打ち抜く。
釘の先っちょが刺さるほどにとがらせ、ちょっと横に曲げてあるのがミソだ。


オイルパンの中にあるレベルチューブを釘で押して外せると、さらにドドドとATFが落ちてくる。


矢印のトルクスボルトを外せばATFオイルパンが外れる。


オイルパンを外した。
ATFオイルパン内部に転がっているのがレベルチューブだ。交換する部品。
こいつを外したくて釘で特殊工具を作った。
この5cmほどの高さ分だけ、ATFが満たされているわけなので、こいつを釘で打ち抜かないとATFは抜けない。


バルブボディが見えた。ATFフィルタが見えるので外す。バルブボディに差し込んであるだけなので。そのまま下に引っこぬく。抜いたと同時に、またATFが出てくるので注意。

フィルタの表面には黒いスラッジが付着していた。


オイルパンの底を触る。そんなに鉄粉はつかない。


それもそのはず、鉄粉はみんなこのマグネットにくっついている。
それなりについてはいる。が、9万キロでこれならひどくはないと思った。
マグネットやオイルパンはきれいにしておく。また、オイルパンガスケットは交換。

・・・・・・・・バルブボディを触らずATFフィルタとATFの交換だけする人は、以下の作業の必要はなし。読み飛ばしてください。・・・・・・・・




一晩放っておいてATFのしずくを落とし切ったバルブボディ。これから取り外しにかかる。


外す前に観察と記録。
これをしっかりしておかないと後に組み込んだときにこれでいいのかなと不安になってしまう。

バルブボディの左側。
シフトレバーに連動して歯車みたいなプレートが動くしくみ。

外すときの位置を覚えておく。
たいていはシフトレバーがPに入っていてPの位置にあると思うが、下の画像はシフトのリンクロッドを外してあるためRの位置になっている。


上の画像とは逆方向から見ているが(バルブボディを外した後)
それぞれのシフトのかみ合い位置はこうなっている。


運転席側、電子制御ATのEGSカプラも外しておく。



いよいよバルブボディの取り外し。
矢印のトルクスねじ10本を外す。四隅だけのこしておいて・・・

下からジャッキなどで支える。それから四隅のボルトを外す。
ATFがまた落ちてくるので 容器でうける。

シフトリンクの部分もチェックしながらなるべく水平にさげていってやる。
支えが微調整できるジャッキがあるので作業がらくだ。

バルブボディはすんなり落ちてくるわけではない。
RGSカプラの部分はオーリングがはまっているので・・・木の棒でちょっとこじってやった。

外すとこうなっている。


バルブボディを外した後。


外す際に注意する箇所はシフトリンクとEGSカプラの部分だ

外したバルブボディ
これから分解して洗浄する


その前によく分解図を見ておく。
8つの電磁ソレノイド、樹脂製のプレート(コントロールモジュール)、
バルブボディの上と下、そして金属製の中間プレート、という構成だ。

次回 その2 バルブボディ分解編に続く