クーラーのフロンガス充填補充2012年07月15日 20時20分13秒

マルニのクーラーは旧冷媒ガスのR12を使用した室内吊り下げ式。

コンプレッサーはレシプロ式で70年代の様式そのままです。

今回、クーラーのガスがどこからか漏れてしまいましたので、漏れ箇所を直してガスを充填します。


ところでクーラー関係、これまでの履歴。

2008年夏

レストア時にコンプレッサーのシャフトシールと電磁クラッチのベアリングを交換。R-12用専用オイルを入れた。

レシーバードライヤーを交換し、R-12ガスを400g充填。ガンガンに冷える。

2011年夏

ガスがほとんど漏れてしまいクーラーが効かない。R-12を250g補充(少な目に補充)。

ひと夏はのりきった。


2012年夏

ガスがほとんど漏れてしまいクーラーが効かない。

高圧低圧のサービスバルブのあたりが油でよごれまくっていたので、バルブのムシの劣化によりそこから漏れたかと思い、両方のムシを新品に交換(T師より提供)。

自転車タイヤ用ムシ回しにて交換。ムシを外した時、ほとんどガスの噴出が無い。システム内に冷媒がからっぽだ。

ついでに漏れたコンプレッサー用オイルも50cc程度を補充。

レシプロ式コンプレッサーなので、そうたいしてオイルは漏れていないと思われますが・・・

そして今回、クーラーガスの充填。カラッポなので真空引きから行います。

【用意するもの】

真空ポンプ、システムアナライザー(これら専用の道具はT師からお借りしました)

R-12旧冷媒ガス400gひと缶(ヤフオクでゲットしておいたストック品)

キッチンスケール、バケツに4050度のお湯タップリ(ガスの重さ計量と霜付き対策)

気温計、温度計

【冷媒ガス充填手順】

コンプレッサーのSバルブ(=低圧バルブ)、Dバルブ(=高圧バルブ)にシステムアナライザーのL(低),H(高)ホースを接続し、サービスバルブを開く。

システムアナライザーに真空ポンプを接続、サービスバルブを開きポンプ30分稼動してシステム内の空気を抜く(真空引き。冷媒のなかに空気が入っていると冷却能力が落ちる)。

30分後、真空ポンプを止め、ポンプ用のサービスバルブを閉める。5分間、負圧を示したゲージに変化が無いことを確認。(ここで針が上がってくるようでしたら、システム内の機密が保たれていないということで、漏れ箇所を特定せねばならず、ガス充填はできない。)

(真空引きの後のゲージ圧は負圧を示す)

真空は保たれていたので、ほんの少し(40gほど?)残っていた冷媒ガスの缶をシステムアナライザーに接続し、エアパージ用のバルブを2秒だけ開いて(シュッーとガスが噴き出ます)、配管内の空気を追い冷媒ガスによって追い出す。(ガスによるエアパージ)


L,Hのサービスバルブを開き、ガスをシステム内に吸い込ませる。

次いで新品400g入りのガス缶の封を破って、ガスをシステム内に吸い込ませる。

針が落ち着いたところで、高圧側のサービスバルブを閉める。(低圧側はオープンのまま)

ここでエンジン始動、エンジン回転数15001800rpmにする。

クーラースイッチオン、風量最大、冷え度max cool、窓全開。外気温28度、日陰にて作業。

エンジン始動とともに冷媒ガスが吸い込まれていく。ガス缶を40~50度のお湯につけて、最後まで気化を促す。

ガス缶が空になったのをコンコンたたいて確認。秤で重さをはかり、何g入ったかを確認。

計量結果、440gの冷媒が入ったあとのシステムアナライザーのゲージ圧を見る(コンプレッサー稼動時)。

・高圧14kg/cm2(実測気温28度なので外気温はプラス2度で30度。約1/2を掛けて15、ほんの少し少ないが正常範囲内と判断)

・低圧1.6kg/cm2(高圧の0.090.14倍が適正範囲とのこと。約0.11倍にて適正範囲であると判断した。)

※高圧・低圧ともにバランス良し。高圧は15/cm2あたりが適正値でもう少し冷媒を入れてもいいような気がしますが、冷媒の入れすぎは禁物なので、これでよしとしました。うちのマルニのR12クーラーガスは400g~500gぐらいが適正量か。コンデンサーの大きさによります)


サイトグラスの観察。

液体の中に、気泡が踊っているのが見えます。やや気泡が多いようですが、冷媒少な目だからこんなものです。


室内の様子。

クーラー噴き出し口からは冷え冷えな風が吹き出しています。噴出し口につっこんだ温度計は3度を示す。(エバポにくっつけていたからかもしれません)十分な冷えです。


Lバルブ、冷媒ガスのバルブを閉め、エンジン停止。あとはコンプレッサにつないだシステムアナライザーを外し、バルブにシールキャップをかぶせて終了。


・・・・・・・・・・・


問題なくクーラーガスの充填が終わりました。

T師お手伝いありがとうございました!

さて陽もさしてきて気温も30度以上の蒸し暑さ。さっそく試走に出かけます。

しかーーーーし!

・・・あれ?クーラーから冷えた空気が出てこない!! 

エンジンをかけたままエンジンルームを見てみると、コンプレッサーの電磁クラッチが入っていない。


クーラーのヒューズは切れていないので、コンプをオン/オフする役目のサーモスイッチに問題があるに違いない。サーモスイッチとは室内のエバポレータの温度を感知してコンプを動かす電源をオン/オフする役目の温度感応型のスイッチです。

(実は前回のガス補充でも、最初の試走では同じことが起こり、サーモスイッチの接点磨きで復活した)

家に戻って吊り下げ式クーラーユニットのサーモスイッチを外して分解すると、サーモスイッチの接点が繋がっていなかった。これでは電磁クラッチが繋がらないはずだ。

でも、なんでオンしなかったのか???

機械式サーモスイッチを分解してよく観察すると、どうも温感線につながっている金属ダイヤフラムがおかしいようだ。

エバポに差し込まれている温感線が冷えればダイヤフラムが縮み、あったまればダイヤフラムが膨らむのが正常。このダイヤフラムの動きよってコンプレッサーをオン/オフする仕組み。

そこで、保冷材とぬるま湯を使ってテスト。ダイヤフラムの温感線を冷やしたり暖めたりしてみる。

・・・ダイヤフラムが動かない・・・

どうもダイヤフラムが膨らみきっているらしく、ダイヤフラム先端部を元の位置に組み付けることができない。

こりゃあ・・・サーモスイッチ不良です。

困ったな~~~とネットで調べていると、なんと!

ヤフオクでサーモスイッチで検索すると「サーモスイッチ CP1111A(A10-3137) ゼクセルタイプ」というのを発見。しかも新品2,000円で、オンオフ間隔(=クーラー冷え具合の強弱調整)を調整できるボリュームダイヤルもついており、形もサイズも仕組みもほとんど一緒。40年前に完成していた代物なのか。

これなら組み込める。

こんな機械式のサーモスイッチが今も新品で入手できるとは思っていなかったので驚きです。現代はほとんど、電子式のものになっていると思っていたので。重機用クーラーとか、そんな用途に生産されているのでしょうか。

とにかくこの自動車部品商さんから落札し、来週には届くよう手配っ!


しかしこの酷暑。

しばらくは、サーモスイッチの替わりに、手元でコンプをオンオフできるようにプッシュパイロットスイッチを取り付けて、カークーラーを稼動させています。


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