ラジエターのオーバーホール2012年07月03日 20時44分33秒

さて、わがわがBMW2002の9月の車検に向けて、いろいろと整備に入ります。
まずは、ラジエターからのクーラント漏れ修理にかかります。

ごらんのように、だらだらと漏れた跡がみっともない。
クーラントの減りはわずかですが。

クーラントを抜いてラジエター取り外し。

ココです、問題は。

良く見ると、クラックが認められます。
ここは確か2年前にラジエター屋さんで表面的に補修をお願いしたところ。
2年が限界か・・・

ということで、2年ぶりに富山市田中町の岩田ラヂエター商会さんへ持ち込みです。
今回は、根本的に上のフネをいったん取り外し、OHすることをすすめられたので、お願いしました。
アポなしで伺っても即、対応が嬉しいです。さっそくあぶっていただきます。
ブラシでコンコン叩きながらやっているのは液化したハンダを落としているのかな。

3分で分離した真鍮製のフネを洗浄中。
浴槽みたいなのは、完成後にエア圧力をかけて漏れがないか確認試験をするところかな。
足元ではマルニのラジエター内部洗浄。
このあとブラシでひとつひとつの穴を洗浄していただきました。

続いて残ったハンダのカスを丁寧に取っておられます。
長時間しゃがんでの作業は足が痛くならないでしょうか・・・
私は30分ほど、邪魔にならない位置から作業を見学さしてもらいました。
なるほど~こうやんのか~~
ここで正午になりましたので、作業はお任せし、私はいったん自宅へ帰ることに。ランチは近くの餃子の王将にて餃子2人前420円でした。(笑)

午後4時、自宅に戻り気持ちよくヒルネしていると、「仕上がりましたよ」と岩田ラヂエターから連絡。
さっそく軽トラで取りに伺いました。
結果、ごらんのとおりに綺麗に。透明チューブは硬化したオーバーフローホースの代わりにと、サービス品。

おお、内部にもしっかりハンダが回っていました。
ばらしてみてわかったことだそうですが、コアの部分は国産のものに換えられているラジエターだそうです。
もう数年使ってまた漏れてくるようなら、熱的に厳しい状態なのかもしれないとのこと。
お年もかなりめしていることなので、金属疲労が始まっているのかも。
フネの金属板もやや薄いとのことです。
ま~、最近はアルミのコアと樹脂のフネの組み合わせラジエターがほとんどだから、真鍮製のラジエターをあぶって修理することもめったにないなぁ、とおっしゃっておられました。

分離したところが綺麗にハンダ盛されております。
これはシロウトが自宅で半田ゴテではできんわ~~。
これで漏れナシですね。
で、ラジエターのOH費用は1万2600円〔税込〕でした。現金払い。
新品買うよりははるかに安いもんだ。ナハハ。

英に戻ったら夕方5時だったんでラジエター取り付け作業は次の週末に持ち越し。
クーラント抜いたついでにやりたい作業もいくつかあるし。

みなさん岩田ラヂエターさんをごひいきによろしう!
ヒーターコアやエバポレーターもやるそうです。
エアコンの高圧配管(アルミ管)の継ぎ補修もやっておられました。

ラジエター装着・冷却水の交換2012年07月07日 21時32分02秒

OHなったラジエターの装着です。
写真は装着終わっています。
アルミの筒みたいなのが、サーモスタット・ハウジング。
冷却水が80度になると徐々に開きだし、下側のラジエターのロワーホースから冷却された水を熱いヘッドやシリンダに送り出します。

冷却水を抜いたついでに水温センサーなどもチェック。

センサーといっても、水温系に信号を送るだけのものなので「センダー」とも呼ばれる。
エンジン制御のためのセンサーではありません。

ホースの口のアルミ部分に白い粉が噴出すので、金ブラシで落としておきます。

装着後、冷却水を約6L注入。
希釈を30%としました。-20度まで凍らない。
量はラジエターのフネに半分ほど入っていれば良い。

エンジンをかけてアイドリング。
充分に温まったら先ほどの水温センダーをゆるめて、管内のエア抜きをしておわり。

しかしヒーターをHOTにしても冷風しか出てこない。
ヒーターコアに空気だまりができたと思い
車体の前だけをジャッキアップして傾けると、ヒータコアに冷却水が入ったのか
HOTとCOLDが調整効くようになりました。
自作のヒーターコアなので、パイプ経路にエアがたまりやすくなっちゃってるのかも。
ここんところ、毎回要注意ですね。

明日また、冷却水の量を確認します。
マニュアルでは7リットル入ると書いてあるが、実際6リットルしか入れてない。

ブレーキフルード交換2012年07月08日 20時34分14秒

車検に向けて整備、第二弾。今回はブレーキ整備。
パッドの残量はOK。続いてブレーキフルードの交換。
3年は交換していない。

ジャッキアップしてまずはリアの右から。いちばんリザーバーに遠いところです。
ブレーキブリード用の簡単な自作専用チューブをはめ、
ブリードスクリューの7ミリスクリューを緩め
ゆっくりとレーキペダルを踏んでいく・・・ブレーキペダルが軽い。

左のウーロン茶みたいなのが古いもの!
右の薄いのが新しく入れたブルード。
3年たつとこんなもんか。

マルニのブレーキ排出はリア右→リア左→フロント右→フロント左の順で進めます。
最後にクラッチマスターシリンダーのブリードも行ってブレーキフルードは1L消費。
フロントの4ポッドキャリパー(!)は3つのブリードスクリューがあるので、
①外側の上、②内側、③外側の下、の順にブリーディング。

左右のブリードスクリュー6本を新品に交換しておきました。
画像ははずしたもの。
別に漏れていたわけではないのですが、
ねじ部分がさびてるのがいやだったので。
先っちょのコーンの当たりでブレーキ液が漏れるのを防いでいます。


クーラーのフロンガス充填補充2012年07月15日 20時20分13秒

マルニのクーラーは旧冷媒ガスのR12を使用した室内吊り下げ式。

コンプレッサーはレシプロ式で70年代の様式そのままです。

今回、クーラーのガスがどこからか漏れてしまいましたので、漏れ箇所を直してガスを充填します。


ところでクーラー関係、これまでの履歴。

2008年夏

レストア時にコンプレッサーのシャフトシールと電磁クラッチのベアリングを交換。R-12用専用オイルを入れた。

レシーバードライヤーを交換し、R-12ガスを400g充填。ガンガンに冷える。

2011年夏

ガスがほとんど漏れてしまいクーラーが効かない。R-12を250g補充(少な目に補充)。

ひと夏はのりきった。


2012年夏

ガスがほとんど漏れてしまいクーラーが効かない。

高圧低圧のサービスバルブのあたりが油でよごれまくっていたので、バルブのムシの劣化によりそこから漏れたかと思い、両方のムシを新品に交換(T師より提供)。

自転車タイヤ用ムシ回しにて交換。ムシを外した時、ほとんどガスの噴出が無い。システム内に冷媒がからっぽだ。

ついでに漏れたコンプレッサー用オイルも50cc程度を補充。

レシプロ式コンプレッサーなので、そうたいしてオイルは漏れていないと思われますが・・・

そして今回、クーラーガスの充填。カラッポなので真空引きから行います。

【用意するもの】

真空ポンプ、システムアナライザー(これら専用の道具はT師からお借りしました)

R-12旧冷媒ガス400gひと缶(ヤフオクでゲットしておいたストック品)

キッチンスケール、バケツに4050度のお湯タップリ(ガスの重さ計量と霜付き対策)

気温計、温度計

【冷媒ガス充填手順】

コンプレッサーのSバルブ(=低圧バルブ)、Dバルブ(=高圧バルブ)にシステムアナライザーのL(低),H(高)ホースを接続し、サービスバルブを開く。

システムアナライザーに真空ポンプを接続、サービスバルブを開きポンプ30分稼動してシステム内の空気を抜く(真空引き。冷媒のなかに空気が入っていると冷却能力が落ちる)。

30分後、真空ポンプを止め、ポンプ用のサービスバルブを閉める。5分間、負圧を示したゲージに変化が無いことを確認。(ここで針が上がってくるようでしたら、システム内の機密が保たれていないということで、漏れ箇所を特定せねばならず、ガス充填はできない。)

(真空引きの後のゲージ圧は負圧を示す)

真空は保たれていたので、ほんの少し(40gほど?)残っていた冷媒ガスの缶をシステムアナライザーに接続し、エアパージ用のバルブを2秒だけ開いて(シュッーとガスが噴き出ます)、配管内の空気を追い冷媒ガスによって追い出す。(ガスによるエアパージ)


L,Hのサービスバルブを開き、ガスをシステム内に吸い込ませる。

次いで新品400g入りのガス缶の封を破って、ガスをシステム内に吸い込ませる。

針が落ち着いたところで、高圧側のサービスバルブを閉める。(低圧側はオープンのまま)

ここでエンジン始動、エンジン回転数15001800rpmにする。

クーラースイッチオン、風量最大、冷え度max cool、窓全開。外気温28度、日陰にて作業。

エンジン始動とともに冷媒ガスが吸い込まれていく。ガス缶を40~50度のお湯につけて、最後まで気化を促す。

ガス缶が空になったのをコンコンたたいて確認。秤で重さをはかり、何g入ったかを確認。

計量結果、440gの冷媒が入ったあとのシステムアナライザーのゲージ圧を見る(コンプレッサー稼動時)。

・高圧14kg/cm2(実測気温28度なので外気温はプラス2度で30度。約1/2を掛けて15、ほんの少し少ないが正常範囲内と判断)

・低圧1.6kg/cm2(高圧の0.090.14倍が適正範囲とのこと。約0.11倍にて適正範囲であると判断した。)

※高圧・低圧ともにバランス良し。高圧は15/cm2あたりが適正値でもう少し冷媒を入れてもいいような気がしますが、冷媒の入れすぎは禁物なので、これでよしとしました。うちのマルニのR12クーラーガスは400g~500gぐらいが適正量か。コンデンサーの大きさによります)


サイトグラスの観察。

液体の中に、気泡が踊っているのが見えます。やや気泡が多いようですが、冷媒少な目だからこんなものです。


室内の様子。

クーラー噴き出し口からは冷え冷えな風が吹き出しています。噴出し口につっこんだ温度計は3度を示す。(エバポにくっつけていたからかもしれません)十分な冷えです。


Lバルブ、冷媒ガスのバルブを閉め、エンジン停止。あとはコンプレッサにつないだシステムアナライザーを外し、バルブにシールキャップをかぶせて終了。


・・・・・・・・・・・


問題なくクーラーガスの充填が終わりました。

T師お手伝いありがとうございました!

さて陽もさしてきて気温も30度以上の蒸し暑さ。さっそく試走に出かけます。

しかーーーーし!

・・・あれ?クーラーから冷えた空気が出てこない!! 

エンジンをかけたままエンジンルームを見てみると、コンプレッサーの電磁クラッチが入っていない。


クーラーのヒューズは切れていないので、コンプをオン/オフする役目のサーモスイッチに問題があるに違いない。サーモスイッチとは室内のエバポレータの温度を感知してコンプを動かす電源をオン/オフする役目の温度感応型のスイッチです。

(実は前回のガス補充でも、最初の試走では同じことが起こり、サーモスイッチの接点磨きで復活した)

家に戻って吊り下げ式クーラーユニットのサーモスイッチを外して分解すると、サーモスイッチの接点が繋がっていなかった。これでは電磁クラッチが繋がらないはずだ。

でも、なんでオンしなかったのか???

機械式サーモスイッチを分解してよく観察すると、どうも温感線につながっている金属ダイヤフラムがおかしいようだ。

エバポに差し込まれている温感線が冷えればダイヤフラムが縮み、あったまればダイヤフラムが膨らむのが正常。このダイヤフラムの動きよってコンプレッサーをオン/オフする仕組み。

そこで、保冷材とぬるま湯を使ってテスト。ダイヤフラムの温感線を冷やしたり暖めたりしてみる。

・・・ダイヤフラムが動かない・・・

どうもダイヤフラムが膨らみきっているらしく、ダイヤフラム先端部を元の位置に組み付けることができない。

こりゃあ・・・サーモスイッチ不良です。

困ったな~~~とネットで調べていると、なんと!

ヤフオクでサーモスイッチで検索すると「サーモスイッチ CP1111A(A10-3137) ゼクセルタイプ」というのを発見。しかも新品2,000円で、オンオフ間隔(=クーラー冷え具合の強弱調整)を調整できるボリュームダイヤルもついており、形もサイズも仕組みもほとんど一緒。40年前に完成していた代物なのか。

これなら組み込める。

こんな機械式のサーモスイッチが今も新品で入手できるとは思っていなかったので驚きです。現代はほとんど、電子式のものになっていると思っていたので。重機用クーラーとか、そんな用途に生産されているのでしょうか。

とにかくこの自動車部品商さんから落札し、来週には届くよう手配っ!


しかしこの酷暑。

しばらくは、サーモスイッチの替わりに、手元でコンプをオンオフできるようにプッシュパイロットスイッチを取り付けて、カークーラーを稼動させています。


サイドブレーキ修理2012年07月17日 21時43分52秒

どうも手ごたえのイマイチなサイドブレーキの引き調整をしようと
ゴムカバーをはぐってみたら・・・!

なんと取り付け部分の溶接が半分はがれ、いまにもとれそうになっていたっ!

(↓画像はすでに溶接の準備として塗装をけずっているところ)

拡大画像。
下の部分、スポット溶接がはがれ、曲がりの部分には、なんと亀裂もはいってしまっていました!

どうりで、いままでサイドブレーキを引いたときにシッカリ感がなく、グニッ・・・とした手ごたえだったんだ!
レストアのとき、気づかなかったんかなぁ・・
まぁ、何度もサイドブレーキをひいていくうちに、徐々に亀裂が入っていったんでしょうけど・・・
あぶないあぶない。

ちゅーことで、溶接修理ね。
車内で溶接は内装が燃えないように気をつけねば。
火花の飛び散り対策でしっかり養生、扇風機の風で臭い溶接ヒュームをとばすようにしてと。


1時間後。下手な点付け溶接でこんなんになっちゃった。
たは。
まぁがっちりついていますけど・・・自慢できる箇所じゃないね・・・


スラグ除去のあと、しっかりワイヤブラシをかけて適当な塗料で刷毛塗り塗装。
上からズッポリとカバーゴムをかけておしまい。
これで酷暑日の半日がツブれちまったですよ・・・

さて、溶接後。
ブレーキは7~8ノッチぐらいで効くように、ねじでワイヤーの引きを調整。
では、サイドブレーキを引いてみる。
グィイッ!
おお、このしっかりした手ごたえときたら!イイじゃん!
以前のは、
ボキボキッ・・・って感じでシッカリ感もないというお粗末なもの。しかもブレーキのききも甘かった。

グィイッ!
グィイッ!・・・
調子こいて何度も引きました。
コレが本来の手ごたえなのね。(笑)
----------------------------------
追記 2012.8.29
他のマルニオーナーさんからもサイドブレーキの取り付け部の溶接剥がれが報告されています。
普段なかなか見ないところなので、マルニオーナーさんは一度ゴムカバーをはぐってチェックされてはいかがでしょうか。

クーラーのサーモスイッチ交換2012年07月18日 19時12分48秒

ヤフオクで購入したサーモスイッチが届きました。
ミツバの製品だったのね。

モノを比較すると、全くといっていいほどそっくり。





さっそくネジをはずし中身を確認してみた。
中身も同じでした。

金属のダイヤフラムの先端がこの部分にあたっていなければならない。
不良だったものはダイヤフラムがふくらみきっていた。

つまみの部分がはまるように、ヤスリで加工。

さっそく組み込み。

温度を感じ取る感熱線はエバポの中につっこみます。(みえにくいですが)

上の小さなLEDはクーラーをオンしたときに点灯します。
今回、コンプが回ったときだけLED点灯するように追加しました。
運転中は、下のLEDがついたり消えたりします。

試運転でも問題なし。
よかったよかった。
しかし問題はコンプ稼動時の回転の落ち込み。
約300rpm持っていかれてます。
現在のところ、コンプが回ってもアイドルが1000回転前後となるように
キャブのアイドル調整ネジを1回転ほど上げました。
コンプがオフになったときのアイドルは1300回転なのでちょっと燃費に悪影響。

コンプの稼動と連動するアイドルアップ装置を組み込みたいです。
現在ヤフオクでアクチュエータ(押しタイプのダイヤフラム)を物色中です・・・