シリンダーの現況2 ― 2007年11月01日 21時01分45秒
今日はエンジンブロックを洗浄。
灯油ベースの洗浄液をかけながらブラシでごしごし。
改めてじっくりとシリンダー内壁を観察すると!
さ、錆が〜〜
上の画像はクランク側からシリンダを見た所。
手前側の錆のある箇所はピストンピンのあたり。リングが内壁をこすっていない箇所です。だからまだ救いようもあるのですが...いやね〜
600番のペーパーであたりで軽くさすると、すんなり錆はとれていきましたが、削りすぎないよう、ほどほどにしときました。
さらに!
下の画像。指でシリンダー内壁をさすると!
リングがこするトップの部分、ボトムの部分に、かすかな段付きが指先に感じられる・・・4つのシリンダー全部。
これは、けっこう、摩耗してるんじゃないかな〜〜
この時点で、「ボーリング」という言葉が頭に生まれました。
む〜ん、ピストンリングの合い口隙間の計測してみるか・・・
灯油ベースの洗浄液をかけながらブラシでごしごし。
改めてじっくりとシリンダー内壁を観察すると!
さ、錆が〜〜
上の画像はクランク側からシリンダを見た所。
手前側の錆のある箇所はピストンピンのあたり。リングが内壁をこすっていない箇所です。だからまだ救いようもあるのですが...いやね〜
600番のペーパーであたりで軽くさすると、すんなり錆はとれていきましたが、削りすぎないよう、ほどほどにしときました。
さらに!
下の画像。指でシリンダー内壁をさすると!
リングがこするトップの部分、ボトムの部分に、かすかな段付きが指先に感じられる・・・4つのシリンダー全部。
これは、けっこう、摩耗してるんじゃないかな〜〜
この時点で、「ボーリング」という言葉が頭に生まれました。
む〜ん、ピストンリングの合い口隙間の計測してみるか・・・
ピストンリング合い口隙間 ― 2007年11月01日 21時12分56秒
では現状でのピストンリングの合い口隙間を測定してみますか・・・
ピストンから取り外したリングを指で縮めてシリンダーに入れ、ピストンで多少押し込みます。1cmぐらい。
ここでシックネスゲージで隙間を測定。
規定値ではトップリング合い口隙間で0.30~0.45mm。
スキマを測定すると・・・・0.4mmはスカスカ!
あっ、0.8mmが入った・・・はぁ・・・
さらにピストン押し込んでトップから35mmの箇所でも、同じ。
ボトム近くでも、0.4mm以上。
これは、そ〜と〜すり減ってます!!
その後、セカンドリング、オイルリングと冷静に測定を進めていき、
結局、規定範囲内のものは、ひとつも無し。
0.7~0.8mm平均でみんながばがば。オイルリングに至っては平均1.9mmの記録が出ました!
セカンドリング合い口隙間で0.30~0.45mmが規定値。
オイルリング合い口隙間で0.25~0.40mm。
な〜んじゃ こりゃ〜 分解前は絶対オイル上がりしてたはずだ!
あ〜買ったらすぐに圧縮測っとくべきだった!
この時点で「ボーリング」という言葉が頭いっぱいに広がった。
オーバサイスピストンも要る・・・ウぁぁ!
ピストンから取り外したリングを指で縮めてシリンダーに入れ、ピストンで多少押し込みます。1cmぐらい。
ここでシックネスゲージで隙間を測定。
規定値ではトップリング合い口隙間で0.30~0.45mm。
スキマを測定すると・・・・0.4mmはスカスカ!
あっ、0.8mmが入った・・・はぁ・・・
さらにピストン押し込んでトップから35mmの箇所でも、同じ。
ボトム近くでも、0.4mm以上。
これは、そ〜と〜すり減ってます!!
その後、セカンドリング、オイルリングと冷静に測定を進めていき、
結局、規定範囲内のものは、ひとつも無し。
0.7~0.8mm平均でみんながばがば。オイルリングに至っては平均1.9mmの記録が出ました!
セカンドリング合い口隙間で0.30~0.45mmが規定値。
オイルリング合い口隙間で0.25~0.40mm。
な〜んじゃ こりゃ〜 分解前は絶対オイル上がりしてたはずだ!
あ〜買ったらすぐに圧縮測っとくべきだった!
この時点で「ボーリング」という言葉が頭いっぱいに広がった。
オーバサイスピストンも要る・・・ウぁぁ!
オーバーサイズピストン ― 2007年11月02日 22時28分57秒
シリンダーボーリングなるものはチューニングの世界だけのもの
と思っていたがここにきてだいぶ現実的に。
確認すべくシリンダーボアゲージで現在のBMW2002のピストンとシリンダーのクリアランスを測ってみました。
まず、気温20度でピストンのスカート(長く垂れ下がっている部分)下の直径をマイクロメータで計測。数値をロックしたあと、それをボアゲージにうつして、それで慎重にシリンダーボア径を測る。シリンダーのラジアル方向、スラスト方向、上・中・下と1気筒に付き6点で計測。ダイヤルゲージの振れの最小値を読み取ると・・・・なんと100分の7〜11mm(0.07~0.11mm)という結果!
BMW2002の規定値は100分の4mm(0.04mm)であります。
これはだいぶ摩耗しているといえるのではないでしょうか!?
う〜ん、シリンダーのボーリングは確定かな・・・。
早速いくつかのボーリング屋さんにメールで作業見積もりをしています。
ネットでやっと見つけた持ち込める距離の北陸の内燃機屋さんと、関東の某有名ボーリング屋さん。
となると、オーバーサイズピストンを考える必要がある。
以前マルニのパーツを購入したドイツのWalloth&Nesch(www.wallothnesch.com)にメールで+0.25mmオーバーサイズピストンを見積もると、
「piston for 2002 with E12 cylinder head is only available in size 89,47 EUR for 142,94 EUR each」との返答が。リング込みだそうです。
size 89,47ということはノーマルの88.97との差0.5mm。つまり+0.25mmのピストンは在庫なしで+0.5mmのしか無いよ、という事。
価格は142,94 EURを4個で571.76EUR。日本円に換算すると9万円オーバー。送料は別。ボーリングで約3万かかるから、12万か!くは〜〜、高いなぁ〜〜!
で、電脳世界をさまよっていたらBavarian autosports(http://www.bavauto.com/)のHPでこんなんミツケタ。
MaxSil High Performance Piston Kit
http://www.maxsilpistons.com/piston_kits.html
E12ヘッド用の1.2mm(!)のオーバーサイズピストン。(ヘッドガスケットはノーマルで大丈夫なのか?)ただしコンロッドのピストンピン径を少し拡大しなくてはならないようですが・・・スペックを読むと、テフロンコートやシリコン含有アロイ、など、なかなかのピストンでは?
1.2mmのオーバーサイズがでかい!という感じでいきなり大丈夫かな〜と思いますが。
気になる価格は4個セット、リング、専用ピストンピン、サークリップ込みで$345! eBayでは$309で発見・・・純正の半額以下か・・・しかしこういうのに手を出すのもなんか半分バクチな気が・・・・うむむむむ〜〜悩みまする〜〜!
と思っていたがここにきてだいぶ現実的に。
確認すべくシリンダーボアゲージで現在のBMW2002のピストンとシリンダーのクリアランスを測ってみました。
まず、気温20度でピストンのスカート(長く垂れ下がっている部分)下の直径をマイクロメータで計測。数値をロックしたあと、それをボアゲージにうつして、それで慎重にシリンダーボア径を測る。シリンダーのラジアル方向、スラスト方向、上・中・下と1気筒に付き6点で計測。ダイヤルゲージの振れの最小値を読み取ると・・・・なんと100分の7〜11mm(0.07~0.11mm)という結果!
BMW2002の規定値は100分の4mm(0.04mm)であります。
これはだいぶ摩耗しているといえるのではないでしょうか!?
う〜ん、シリンダーのボーリングは確定かな・・・。
早速いくつかのボーリング屋さんにメールで作業見積もりをしています。
ネットでやっと見つけた持ち込める距離の北陸の内燃機屋さんと、関東の某有名ボーリング屋さん。
となると、オーバーサイズピストンを考える必要がある。
以前マルニのパーツを購入したドイツのWalloth&Nesch(www.wallothnesch.com)にメールで+0.25mmオーバーサイズピストンを見積もると、
「piston for 2002 with E12 cylinder head is only available in size 89,47 EUR for 142,94 EUR each」との返答が。リング込みだそうです。
size 89,47ということはノーマルの88.97との差0.5mm。つまり+0.25mmのピストンは在庫なしで+0.5mmのしか無いよ、という事。
価格は142,94 EURを4個で571.76EUR。日本円に換算すると9万円オーバー。送料は別。ボーリングで約3万かかるから、12万か!くは〜〜、高いなぁ〜〜!
で、電脳世界をさまよっていたらBavarian autosports(http://www.bavauto.com/)のHPでこんなんミツケタ。
MaxSil High Performance Piston Kit
http://www.maxsilpistons.com/piston_kits.html
E12ヘッド用の1.2mm(!)のオーバーサイズピストン。(ヘッドガスケットはノーマルで大丈夫なのか?)ただしコンロッドのピストンピン径を少し拡大しなくてはならないようですが・・・スペックを読むと、テフロンコートやシリコン含有アロイ、など、なかなかのピストンでは?
1.2mmのオーバーサイズがでかい!という感じでいきなり大丈夫かな〜と思いますが。
気になる価格は4個セット、リング、専用ピストンピン、サークリップ込みで$345! eBayでは$309で発見・・・純正の半額以下か・・・しかしこういうのに手を出すのもなんか半分バクチな気が・・・・うむむむむ〜〜悩みまする〜〜!
マルニのピストン ― 2007年11月04日 20時18分35秒
みなさんいろいろコメントありがとうございます!
おかげで疑問もスッキリで、今回のオーバーホールでは
+0.5mmサイズの米国MaxSil Pistonを使ってみようと言う気になってます。
今回取り外したピストン上面がpop-up形状ではなく、フラット形状のノーマルピストン。出っ張りがなくなったぶん多少圧縮比は下がるかも。
こちらは+1.2mmのものと違い、サイドスカートのテフロンコーティングがないのですが、ピストンピンもスタンダードの22mm直径でコンロッドの加工も無くそのまま使えるし、価格が安いってのが、一番の理由ですかね〜〜(^^ゞ
まぁぼくのマルニはあくまで一般仕様ですから。
1,2mmボーリングは、万が一焼き付いたときに、もうあとが無い訳で。
そんなことはないと思うけど。
おかげで疑問もスッキリで、今回のオーバーホールでは
+0.5mmサイズの米国MaxSil Pistonを使ってみようと言う気になってます。
今回取り外したピストン上面がpop-up形状ではなく、フラット形状のノーマルピストン。出っ張りがなくなったぶん多少圧縮比は下がるかも。
こちらは+1.2mmのものと違い、サイドスカートのテフロンコーティングがないのですが、ピストンピンもスタンダードの22mm直径でコンロッドの加工も無くそのまま使えるし、価格が安いってのが、一番の理由ですかね〜〜(^^ゞ
まぁぼくのマルニはあくまで一般仕様ですから。
1,2mmボーリングは、万が一焼き付いたときに、もうあとが無い訳で。
そんなことはないと思うけど。
エンジンブロック塗装 ― 2007年11月05日 20時40分23秒
11月3、4といいお天気で、紅葉狩りに行かれた方も多かったようですね。
しかし陶芸教室は土日が休めない仕事なもんで・・・。
世間の連休が明けて、こちらは月火と連休でおます。
この時期、レストアにはいいですね。気温はちょうどいいし、乾いてるし、昼には気温20度手前ぐらいになってエンジン計測にももってこい。
今日は天気もいいしやる気が出たので、エンジンブロックの塗装。
まずは各部オイル穴などを塞いで、サンドブラストから。あらかじめ洗浄してあるも、なかなか頑固な汚れ等を一気に落とす。おお〜鋳物肌が奇麗だ〜
ひるめし後プレソルベントで脱脂をし、POR-15のクロをぬりぬり。
あとほんの少し残ったPORは最後のオイルパン塗装にとっておこう。
ブロックには冷却水が凍ったときのための安全策としてメクラブタ(フリーズプラグ)が嵌まる穴が8つ空いています。メクラブタも交換するのでポンチで打ち抜いてペンチで引き抜きましたが、かな〜り錆でやられていました。そして、ブロックの冷却水通路の中には、ドロドロの赤錆がたっくさん溜まっていた・・・。ブロックには冷却水を抜く為の19ミリボルトが4番シリンダー排気側にあるのですが、最初ここから水が抜けてこなかったですからね・・・ボルトの貫通穴が内側の錆の堆積で詰まっていたんです。水道水だけ入れてたんじゃないか〜?メンテ悪いとこうなっちゃうんですね、お〜こわ。
もちろんメクラブタの穴からブラスターの先を突っ込んで、さんざん中をブラストしておきました。8つの穴から「赤い砂」がブワ〜ッと吹き出してきましたよ・・・
しかし陶芸教室は土日が休めない仕事なもんで・・・。
世間の連休が明けて、こちらは月火と連休でおます。
この時期、レストアにはいいですね。気温はちょうどいいし、乾いてるし、昼には気温20度手前ぐらいになってエンジン計測にももってこい。
今日は天気もいいしやる気が出たので、エンジンブロックの塗装。
まずは各部オイル穴などを塞いで、サンドブラストから。あらかじめ洗浄してあるも、なかなか頑固な汚れ等を一気に落とす。おお〜鋳物肌が奇麗だ〜
ひるめし後プレソルベントで脱脂をし、POR-15のクロをぬりぬり。
あとほんの少し残ったPORは最後のオイルパン塗装にとっておこう。
ブロックには冷却水が凍ったときのための安全策としてメクラブタ(フリーズプラグ)が嵌まる穴が8つ空いています。メクラブタも交換するのでポンチで打ち抜いてペンチで引き抜きましたが、かな〜り錆でやられていました。そして、ブロックの冷却水通路の中には、ドロドロの赤錆がたっくさん溜まっていた・・・。ブロックには冷却水を抜く為の19ミリボルトが4番シリンダー排気側にあるのですが、最初ここから水が抜けてこなかったですからね・・・ボルトの貫通穴が内側の錆の堆積で詰まっていたんです。水道水だけ入れてたんじゃないか〜?メンテ悪いとこうなっちゃうんですね、お〜こわ。
もちろんメクラブタの穴からブラスターの先を突っ込んで、さんざん中をブラストしておきました。8つの穴から「赤い砂」がブワ〜ッと吹き出してきましたよ・・・
シリンダーボア計測 ― 2007年11月06日 19時16分32秒
今日は雨、昨日のサンドブラスト後のブロックを徹底洗浄。
オイルラインを念入りに・・・
その後、改めてシリンダーボアの計測を行いました。(しつこい)
ボアの直径は89.015mmが標準。データ値は以下のhp(BMW2002 FAQ)を参照。
http://www.bmw2002faq.com/content/view/46/32/
マイクロメータのメモリ89.015mmをボアゲージに写してシリンダーの直径を測ります。
計測点はクランクシャフト軸方向と直交するスラスト方向。そしてシリンダーの上、中間、下の3カ所で1気筒につき6点を測ります。
結果わかったことは、クランクシャフト軸方向(ピストンピン方向)の直径はおおむね0〜0.005mmでほとんど摩耗していないのだが、スラスト方向は0.005〜0.040mmの値で4つのうち2つの気筒でボア基準値を超えた摩耗度であったことでした。また、計測位置によって数値が微妙に違います。使い込まれたシリンダー内って、ミクロ的に見ればけっこう起伏があるんですねぇ。特にシリンダートップのリング周辺は数ミリ計測場所を変えるだけで数値が変化します。
さてボアの直径だけでなく、大事なピストンとのクリアランスも測りましょう。
まずピストンのスラスト方向のスカート下部(下端から15ミリほどの位置)の直径を計測。ここは楕円型のピストンの最大直径部。88,93mm。(ピストンはスラスト方向に若干直径が大きいのが普通で真円ではない)今回、スラスト方向での計測はタテ傷のついている部分での計測ですから、やはり基準値の88,97mmより0.04mm摩耗していることになるか。
この数値をボアゲージに写して、シリンダーのスラスト方向で計測。
結果、0.080~0.120mmとでた。特にトップから20mmほど下あたりがよく摩耗している。ちなみにマルニの基準値は0,040mmです。
タテ傷の摩耗分0.040mmを差し引けば0.040~0.080mmのピストンクリアランス。
このピストンクリアランス、限度値というのがあります。つまり許容範囲の限界値。ユーノスロードスターやランエボ等の走り屋系エンジンオーバーホールのサイトを見ると、限界値は0.150mmとも。
上記HPによればBMW2002のピストンクリアランス許容限界値は0,100〜0.150mm(Max. permissible total wear play on piston and cylinder)ということなので、僕のマルニエンジンはしっかり範囲内。
実はまだこのままでも許せる範囲内ということ。
ピストンリング、親子メタルだけ換えて、現状で組んでみるというのもアリかも知れません。費用的にも、大助かり!
ピストンクリアランス0,04mmというのは冷間時の値。エンジンを始動してブロック、ピストンがともに熱膨張すると、もっとクリアランスが詰まるらしいのですが、焼き付く事は無い、なぜかというとピストンが変形して真円に近づくからだそうです(OT別冊「ケルン石塚の世界」の記述による)。
ということは、冷間時エンジン始動後の楕円ピストン状態で、ガスペダルを踏んでエンジンに高い負荷をかけるのはシリンダー内壁を傷めることにならないでしょうか。最近のピストンは材質改善もあってそんなに楕円型に作ってないのかもしれませんが、少なくとも、生まれが30年前のマルニに関しては暖気をちゃんとすればエンジンを不必要に傷めないということになりますね。
シリンダーボアゲージは今回初めて使いましたが、これ、おもしろいですね。クリクリと針が振れるとこがいかにも計測しているという感じで。素人でも直径が1000分の1単位で計測できることに、なんか淡い感動を覚えます。
もうピストンとシリンダーについての考察は十分ですね。
次はクランクシャフト関係の計測に移ります。
オイルラインを念入りに・・・
その後、改めてシリンダーボアの計測を行いました。(しつこい)
ボアの直径は89.015mmが標準。データ値は以下のhp(BMW2002 FAQ)を参照。
http://www.bmw2002faq.com/content/view/46/32/
マイクロメータのメモリ89.015mmをボアゲージに写してシリンダーの直径を測ります。
計測点はクランクシャフト軸方向と直交するスラスト方向。そしてシリンダーの上、中間、下の3カ所で1気筒につき6点を測ります。
結果わかったことは、クランクシャフト軸方向(ピストンピン方向)の直径はおおむね0〜0.005mmでほとんど摩耗していないのだが、スラスト方向は0.005〜0.040mmの値で4つのうち2つの気筒でボア基準値を超えた摩耗度であったことでした。また、計測位置によって数値が微妙に違います。使い込まれたシリンダー内って、ミクロ的に見ればけっこう起伏があるんですねぇ。特にシリンダートップのリング周辺は数ミリ計測場所を変えるだけで数値が変化します。
さてボアの直径だけでなく、大事なピストンとのクリアランスも測りましょう。
まずピストンのスラスト方向のスカート下部(下端から15ミリほどの位置)の直径を計測。ここは楕円型のピストンの最大直径部。88,93mm。(ピストンはスラスト方向に若干直径が大きいのが普通で真円ではない)今回、スラスト方向での計測はタテ傷のついている部分での計測ですから、やはり基準値の88,97mmより0.04mm摩耗していることになるか。
この数値をボアゲージに写して、シリンダーのスラスト方向で計測。
結果、0.080~0.120mmとでた。特にトップから20mmほど下あたりがよく摩耗している。ちなみにマルニの基準値は0,040mmです。
タテ傷の摩耗分0.040mmを差し引けば0.040~0.080mmのピストンクリアランス。
このピストンクリアランス、限度値というのがあります。つまり許容範囲の限界値。ユーノスロードスターやランエボ等の走り屋系エンジンオーバーホールのサイトを見ると、限界値は0.150mmとも。
上記HPによればBMW2002のピストンクリアランス許容限界値は0,100〜0.150mm(Max. permissible total wear play on piston and cylinder)ということなので、僕のマルニエンジンはしっかり範囲内。
実はまだこのままでも許せる範囲内ということ。
ピストンリング、親子メタルだけ換えて、現状で組んでみるというのもアリかも知れません。費用的にも、大助かり!
ピストンクリアランス0,04mmというのは冷間時の値。エンジンを始動してブロック、ピストンがともに熱膨張すると、もっとクリアランスが詰まるらしいのですが、焼き付く事は無い、なぜかというとピストンが変形して真円に近づくからだそうです(OT別冊「ケルン石塚の世界」の記述による)。
ということは、冷間時エンジン始動後の楕円ピストン状態で、ガスペダルを踏んでエンジンに高い負荷をかけるのはシリンダー内壁を傷めることにならないでしょうか。最近のピストンは材質改善もあってそんなに楕円型に作ってないのかもしれませんが、少なくとも、生まれが30年前のマルニに関しては暖気をちゃんとすればエンジンを不必要に傷めないということになりますね。
シリンダーボアゲージは今回初めて使いましたが、これ、おもしろいですね。クリクリと針が振れるとこがいかにも計測しているという感じで。素人でも直径が1000分の1単位で計測できることに、なんか淡い感動を覚えます。
もうピストンとシリンダーについての考察は十分ですね。
次はクランクシャフト関係の計測に移ります。
クランクシャフト1 ― 2007年11月07日 21時35分52秒
BMW2002のクランクシャフトはフルカウンタータイプ。
メインジャーナル径は55mmで、クランクピン径は48mm。
まずはメインジャーナルのオイルクリアランスの計測で、プラスチゲージを使います。
現状でのメタルの上に樹脂製のプラスチゲージを乗せる。クランクを乗せて、メタルをかぶせたキャップをはめ、規定トルクで締め上げ。
そのツブレ具合でクリアランスを見るやり方。
ご覧の通りで、規定値0.030~0.068mmの範囲内、メインジャーナルのオイルクリアランスはOKですね!
まぁ親メタルを交換するので、ちょっと広めの箇所はやや詰まるかなという感じ。
でもクランクの曲がり測定もしていないのに、このままゲージの数値を鵜呑みにするわけにもいかないけど・・・。
メインジャーナル径は55mmで、クランクピン径は48mm。
まずはメインジャーナルのオイルクリアランスの計測で、プラスチゲージを使います。
現状でのメタルの上に樹脂製のプラスチゲージを乗せる。クランクを乗せて、メタルをかぶせたキャップをはめ、規定トルクで締め上げ。
そのツブレ具合でクリアランスを見るやり方。
ご覧の通りで、規定値0.030~0.068mmの範囲内、メインジャーナルのオイルクリアランスはOKですね!
まぁ親メタルを交換するので、ちょっと広めの箇所はやや詰まるかなという感じ。
でもクランクの曲がり測定もしていないのに、このままゲージの数値を鵜呑みにするわけにもいかないけど・・・。
陶芸の窯たき ― 2007年11月08日 07時18分11秒
今回はBMW2002レストアとは関係ないんですが・・・週末まで陶芸の話を。
今日から陶芸教室の生徒さんたちの作品を仕事場の「穴窯」という窯で焼きます。
日曜夕方までの80時間、1300℃オーバーを目指して、ぶっ通しの作業!年1回のイベントなので、みんなやる気マンマンです。
総勢50名の作品が窯に入って、作品点数は約200点。
ぼくは総監督でもあり、深夜窯たき担当でもある・・いちばん若いので・・・昼夜逆転です。
日本伝統の窯で、燃料は赤松の薪を使います。松食い虫にやられて伐採したものを造園業者からただで貰い受け、この2ヶ月間、暇を見つけては生徒さんたちと少しづつ薪割りをしてマキ小屋いっぱいになるまで準備してきました。
4日ぶっとおしなので、皆で当番を決めて一人4時間交代のマキ入れ作業で温度を上げていきます。
ひじょ〜〜に手間と労力のかかる作業ですが、ひじょ〜〜にタノシイ!
酒飲みながらわいわいとやるわけで。
画像は作品の窯詰めのときのもの(焼く前の状態)、1週間前のもの。
さて 朝9時点火。
がんばろ〜〜
今日から陶芸教室の生徒さんたちの作品を仕事場の「穴窯」という窯で焼きます。
日曜夕方までの80時間、1300℃オーバーを目指して、ぶっ通しの作業!年1回のイベントなので、みんなやる気マンマンです。
総勢50名の作品が窯に入って、作品点数は約200点。
ぼくは総監督でもあり、深夜窯たき担当でもある・・いちばん若いので・・・昼夜逆転です。
日本伝統の窯で、燃料は赤松の薪を使います。松食い虫にやられて伐採したものを造園業者からただで貰い受け、この2ヶ月間、暇を見つけては生徒さんたちと少しづつ薪割りをしてマキ小屋いっぱいになるまで準備してきました。
4日ぶっとおしなので、皆で当番を決めて一人4時間交代のマキ入れ作業で温度を上げていきます。
ひじょ〜〜に手間と労力のかかる作業ですが、ひじょ〜〜にタノシイ!
酒飲みながらわいわいとやるわけで。
画像は作品の窯詰めのときのもの(焼く前の状態)、1週間前のもの。
さて 朝9時点火。
がんばろ〜〜
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