BMW2002A バルブすり合わせ ― 2021年01月01日 17時21分31秒
新年あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
ヘッドもきれいになり、エンジンOHも折り返し地点に近付いた気がします。
ここからは組付け方向です。^^
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ではバルブをキレイにします。
ドリルのチャックにくわえて回転させ、サンドクロスを押しあててカーボンなどを落とします。
インテーク側、キレイになりました。^^
排気側バルブ。燃焼による生成物の付着。とても硬い。
排気側バルブのこちら側にはそういったこびりつきはない。ほとんどが黒いカーボン。
続いてバルブ当たり面の摺り合わせ。バルブコンパウンド中目を出して・・・
バルブの当たり面につけます。
バルブの軸にエンジンオイルをつけて、組み込み、両の手でバルブラッパー(タコ棒)で回して摺り合わせます。
両手でタコ棒を回転させる作業。
摺り合わせ始めは、コンパウンドの粒子をかんでいるので「ジャリジャリ」という音がします。
擦っていくと、徐々に「シャリシャリ」になり、そのうち「シャラシャラ・・・・シャラシャラ・・・・シャー・・・・」
と、徐々に音が消えていきます。
粒子が細かくなっていくんですね。
と、同時に、「抵抗」も増していきます。粒子が細かくなって、それだけバルブとシートが密着するので、手に伝わる抵抗が徐々に増していきます。
で、時々「パンパン」とバルブを打ち付けるのは、たぶん、すり合わせ面への「コンパウンドの追加」を行っている。バルブを上下した衝撃で、フチについていたコンパウンドが少量、合わせ面に入り、またジャリジャリ・・という音になる。それをまた無音になるまですっていく。
これを何度か繰り返していくと、バルブのふちとバルブシートの合わせ面が削れあって、ぴったりの面を作る。
やりすぎるといけません。当たり面が削れて当たり面の幅がどんどん広くなる、つまり、バルブとバルブシートがどんどん削れて行ってしまいますので確認しながらほどほどに・・・
荒れた合わせ面が、実験器具のすりガラスのようになって密着度が上がればいいのです。

このヘッドでは、1か所につきトータル3分程度かな。
摺り合わせのビフォーアフター。最初は当たり面が荒れていますが、終了後には当たり面円周が綺麗に梨地になっています。バルブの密着度が上がっています。
インテーク側バルブ
エキゾースト側バルブ (バルブ直径がインテーク側よりも小さい)
バルブは密になったほうがいい。
公明丹でのアタリの確認は省略。だって見りゃわかるもん。
ということで
摺り合わせ完了!
しばし廃油ストーブで暖まりながらコーヒータイム・・・^^
廃エンジンオイル(10W-40)に30%程度、パーツ洗浄に使ったあとの汚れ灯油を混ぜて粘度をサラサラにした廃油で焚いています。あったけぇ~~~~^^
次に、ヘッド面のゆがみがないか、計測中。
ストレートエッジをあてて、0.01ミリのシックネスゲージが入らなければよい。
うん、入らないね。ストレートエッジをたてよこ、ななめにあてて確認。
ヘッドは歪んでないので 面研磨する必要なし!
続いてバルブステムシールをはめます。
まずは、バルブシートを置く。これを忘れないこと!(昔これをうっかり忘れてステムシールを1れてしまい、シールをまたひっこ抜くことになり、パーツで追加注文した思い出が・・・)
ワロスで買ったバルブステムシール。こんなもんで燃焼室へのオイル侵入を防いでいる。
12か13ミリあたりの12角ソケットを、シールの肩にあてて、コンコンとハンマーで打ち込んでいく。
シールを温めたオイルにつけておいて若干膨張させておいたほうがスムーズに入る。
打ち込む深さは9ミリ。
打ち込んでシートからゴムリップまでの高さが20から19ミリになってれば、完全に入ったことになる。これ以上は打ち込まないこと。(シールが傷むと思う)
こんな感じです。もうオイル下がりの心配なし!
全部のバルブステムシールを打ち込んだところ。
午後4時半。今日はここまでにしてフロはいって酒飲もう。
次はバルブとバルブスプリングを組み込みます。
BMW2002A ヘッドにバルブ組みつけ ― 2021年01月02日 17時41分13秒
ヘッドの面をいちおうオイルストーンで軽くすっておきます。ガスケットのカスやさびなどをとります。
やりすぎないように・・・
バルブを組み付けます。パーツ一式。
スプリングとコッターリテーナーをセット。
バルブの軸にオイルを塗ったらそっとバルブガイドに入れる。
ここで解説。
今回はバルブの端っこにコッターをはめる作業です。
コッターはバルブとスプリングを固定するパーツ。
コッターリテーナーにはまります。
スプリングコンプレッサーを慎重にセットし、スプリングをねじの力で縮め、ピンセットでつまんだコッターをバルブの溝に2個はめる。
そっとスプリングコンプレッサーを外せば、OK!
セット完了!
これを8か所!
バルブは収まるところに収まりました!
ビフォーアフターです^^。
近年にないとてつもない大雪! ― 2021年01月09日 13時27分51秒
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BMW2002A カムシャフト&ロッカーアーム組み込み,ヘッド完成 ― 2021年01月11日 16時43分09秒
順序だてて組み込んでいきます。
排気側ロッカーシャフトをリア側から途中まで入れていき、
3,4番のロッカーアームを組み込んでおく。
ここでカムシャフトをフロント側から入るところまで入れる。
もちろんカム山など金属同士がこすれるところにはアッセンブリ・ルブを軽く塗っている。
排気側4番ロッカーアームを起こしてさらにカムシャフトを入れる。
排気側4番ロッカーアームがこのようにカム山(本来は吸気側ロッカーアームが乗るカム山)に乗ればよい。
上からみてこういう状態になります。画像左がリア側。
ここで排気側のロッカーシャフトをさらにリアからフロント側に叩き込んでいき、
排気2番、排気1番のロッカーアームを組み込む。
次に、吸気側のロッカーシャフトとロッカーアームをフロント側からリアに向けて叩き込みながらロッカーアームを組んでいく。吸気側のロッカーアームはどれもカム山に乗らないので大丈夫。
(画像は吸気1番2番を組んだところ。)
吸気側のロッカーアームを4番まで組み込んだ。
排気4番と2番、吸気3番のロッカーアームを特殊工具で3か所リフトする。
*特殊工具;ニッコリ君、しりもと、F型クランプ2本、手
アップで。Fクランプが3つ無かったので、排気2番ロッカーは手でリフトしています。
この状態でカムシャフトにリテーナーを組み込みながら、カムシャフトを最奥まで入れる。
リテーナーというカムシャフトを前後に動かないように位置決めをする板を10ミリボルト2個で固定。
このリテーナーは、2本のロッカーシャフトをやはり前後に動かないように固定する役目も果たしている。
これでカムシャフトとロッカーアームの組付けは完了。
オイルデリバリーパイプのワッシャを交換。
ヘッドに組み込む。このパイプはオイルラインにつながっており、カム山などにオイルを流す(潤滑する)ようになっている。
最後に、各バルブのバルブクリアランスを調節する。
冷間で0.15-0.20ミリの設定。
シックネスゲージと六角レンチ、10ミリメガネレンチを使い、
今回、0.15ミリでキメました。
バルブクリアランスはタペット調整ともいわれます。
エンジンが乗ってからでも調節できるし、数万キロに1回のメンテナンス項目です。
あとはデスビのハウジングを取り付けなければなりませんが、
これでいちおうシリンダーヘッド、OH完了です!^^
次はピストンの作業に移り、腰下を完成させます。
BMW2002A ピストンを洗浄中 ― 2021年01月17日 22時13分17秒
E320CDI エンジンオイル漏れ 修理開始 ― 2021年01月18日 22時16分49秒
雪道での運転に使用していた2008年式メルセデスE320CDIステーションワゴン。
1年前にヤフオクで60万で落札したもの。
当初からわずかなエンジンオイルもれがあった。
最近、エンジンオイルもれがだんだんとひどくなってきて・・・
ついにガレージに入庫!
あっちこっちにオイルをおもらしするのではいけないので。
100㎞の走行で1L消費するのではねえ・・・
サイアクの状態になる前にDIY修理である。
BMW2002Aのほうは半月ほどお休みにし、
こちらのアシ車の方を先にヤッツケなくてはならない状況となった。
メルセデスで有名な、ガバッっと90度に開くエンジンフード、の図。^^
V6 3000ccのコモンレール式クリーンディーゼルである。
ここんところの日本でのディーゼル輸入車ばやりの火付け役ともいえる車で、
一度乗ったらやめられないエンジンとシャシー。
実はなかなか魅力あるニンマリ車なのである。機会があれば一度乗ってみてください。
オイル漏れはV型エンジンの谷間の最奥にあるオイルクーラーのパッキンが経年劣化してきてオイルが漏れてくるという、この「OM642」エンジンの持病である。
その漏れている箇所がエンジンルームの上からは確認できないほどぎっしり!
きっとそこが原因だと仮定して、作業を進めていく。(リアクランクシールだったらATおろさなならんからいやだ!!)
ユーチューブにはこれをDIYでやった画像がたーーくさんあるので非常に参考になる。
これでイメージトレーニングをして、ヘインズのマニュアルも用意して着手した。
なにがなんだかわからない複雑なエンジンルームでも
一つひとつ見てたどっていけば、理解できるものだ。
ターボ車はいちどスマートKのOHでやってるので、基本はわかる。
しかしディーゼルは触るのは初めてだ。
ま~点火プラグの代わりにグロープラグがあるって思っておけば・・・。
さわっていてわかってくるのは、メルセデスのエンジンは非常に合理的に
整備性良くパーツが配置されているということだ。
ボルトの取り付け角度など、実にありがたい配置となっている。
これはスマートでも実感したこと。
あと、使われているボルトの99%がトルクスねじである。
ほとんどはトルクスE10またはE12ソケットでどんどん分解していける。
いろいろ~~~~外していって
あと両バンクについているインマニを外すだけとなった。
ここまで土日2日間で合計8時間分の作業。
これを外すと問題の水冷式オイルクーラーが見えてくるはずだ。
もう前傾姿勢で腰が痛いので めどがついたところでほどほどにいたします。
また来週・・・
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E320CDI カーボン落とし地獄! ― 2021年01月24日 12時45分36秒
インマニを外すと、ようやくオイルクーラーが見えた。Vバンクの底がオイルまみれだ。
オイルクーラーのこのシールパッキンを交換する!
外したインマニ。ポートにはびっしりとカーボンが・・・
おおまかにつついて除去した後、サンエスKに付け込んで一晩。
翌朝にごしごし水洗いする。
これはインマニにあるスワール効果を高する開閉バルブ。
ここまできれいにしたった!
続いてエンジン。ヘッドの吸気ポートを掃除。
カーボンが燃焼室に落ちないように、それぞれ圧縮上死点にしてから(バルブをとじてから)掃除する。
このOM642エンジン(V6ディーゼル)では圧縮上死点は1-5-3-6-2-4の順位に来る。それぞれ120度づつ、車に向かって時計回し方向(エンジン回転方向)にクランクプーリー(27ミリボルト)を回しながら上死点を出していく。
シリンダ配置は右ハンドル車の場合、運転席側が前から1,2,3番シリンダ。助手席側が前から4,5,6番シリンダとなる。
スプーンを加工してカーボンをほじりだす。オイルミストを擦っているので、生チョコみたいにしっとりしている。
ほじくり前。
右の丸いのは前述のスワール効果を高めるバルブ用のポート(低回転時はバタフライが閉じている)。左は通常のエア吸気用(常時、開)。
ほじくり30分後。3~4種類のほじくり道具を使っている。
最後は強烈なエアブローでカーボンカスを吹き飛ばし。
ディーラーなどでは、ドライアイスペレットをサンドブラストみたいに吹き付ける便利だけど個人じゃ持てないような便利機械があるそうだ。
サンデーメカニックは地道にほじほじですよね。
しっかし!
腰と背筋が、いたい!!!
その晩は疲れ果ててモルツを飲んだ後すぐに10時間寝ました。
インマニやヘッドのほかに、こいつもあるんだった・・・
うげ~うげ~~
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