BMW1502エンジン腰下OH42ブレーキキャリパーOH2018年04月01日 20時37分44秒

取り外したマルニシリーズの左右フロントキャリパー。
ながらく交換していないピストンシールや、ダストブーツを交換する。
ブレーキラインは外さない行う。(外そうとしたが、どうにも硬かったから、余計なことはしないようにした)

対向ピストンになっている。コンプレッサーのエアでピストンを押し出す。

ダストブーツはご覧のようにぼろっとちぎれ、もう限界であった。
この劣化具合から見て、少なくとも、15年以上は経っている感じ?

ブレーキの命、ピストンシールをシリンダー内に傷をつけないように慎重に取り外す。

もう片一方の残ったピストンもエアで押し出すのだが
先に抜いたほうのピストンシリンダーからエアが漏れ、圧力がかからないので、ゴムシートを接着した「あてモク」で開いたほうのシリンダーを密閉するのがこつだ。こうしないと残ったピストンにエア圧力がかからない。

うまく密閉されると、エア一発でポンッ!と勢いよく外れた。



キャリパーのOHキット。
ピストンシール、ダストブーツ、ダストブーツ用留めクリップ、ブリーダースクリューのキャップなどが入っている。
小さいOリングは使わない。(キャリパーを左右分割したときのシールだ)


ピストンシールもサイズピッタリ。

はめる前に、すべりを良くするために、専用ラバーグリースを塗る。


ピストンシールは、ここのみぞにぴったりとはまる。
このピストンシール1本で、ブレーキの圧力を保持し、かつ、ピストンの微妙な動きをコントロールしているのだ。
40年前の車も、現在の車も、この仕組みは変わっていない。


ピストンの表面に薄く見えるさび等は耐水ペーパー1500番で磨いてキレイにする。

ブレーキクリーナーで洗浄したピストンのみぞに、新品のダストブーツをはめる。
やはりラバーグリースを使う。

このようにはめておく。ピストンにもラバーグリースをうすくぬる。

洗浄したキャリパーのシリンダーにまっすぐに押し込む。ピストン戻しツールを使っても良い。

最後に、ダストブーツの留めクリップをはめる。
これを4つのピストンに対してやれば、ブレーキキャリパのOHはおわり。
出来上がったキャリパー。
この作業はブレーダスト、ブレーキフルードやクリーナー、グリス等でぐちゃぐちゃになるから、あまり気持ちのいい整備作業ではない。
特にブレーキフルードを扱うので、必ず手袋をしてやらないといけない。


これからキャリパをブレーキラインに接続する。
まず、新しいブレーキホースを用意。

ブレーキホースを先にキャリパーに接続する。途中にあるのはストラットに取り付けるブラケット。

このように通してある。サスの動きに合わせて激しく動くホースをシッカリ固定するための接続方法だ。

古いブレーキホースを外すと、金属のブレーキラインからブレーキフルードが漏れ出す。
すかさず、新しいホースを接続する。すると、フルードがホースの中を通ってキャリパー内部へと流れ込む。キャリパー内部がブレーキフルードで満たされると、ゆるめておいたブリーダースクリュー(シリコンチューブを接続してある)からフルードがあふれ出てくる。
泡が出てこないようになるまでキャリパをゆすったりたたいたりして、先に「エア抜き」をしてしまう。
ブレーキラインのエア抜きをしっかりと行わないと、ブレーキの踏みごたえがスポンジーになってしまう。
キャリパーを取り付けた後に、最後にもう一度念のためエア抜きを行うつもり。

次はストラットの組みつけ。