W202C200T ATF漏れ修理とATF交換2016年06月04日 20時52分52秒

W202(いや、ワゴンだからS202というべきか)は電子制御式の5速AT。
このATの呼び名は「766.2」と呼ばれている。
このATFもれの修理。

まずは現状。ATFパンにしたたりがみられる。

このATFのしたたりが、走行中に後ろに飛んでマフラーを汚している。

原因はここだ。
画像中央の丸い部分、電子ソケットのオイルシールがあまくなって、ここからじわじわもれる。
W202では 定番の現象らしい。

修理前に、ATレベルゲージでATFの量が規定量あrかどうかをチェックする。

先端はこのようになっている。
25度と80度での測定箇所がある。

この部分からそっとゲージを差し込み、
ゲージの先端がオイルパン(?)の底にあたった箇所で引きぬく。
画像は当たったところで撮影している。ここでおよそ40cmほどあまる。
これはメルセデス製のほかの特殊車両にも多用途に使えるようにと、どうも長めに作ってあるらしい。

エンジンをかけていない状態でこんな量。
正確なATF量を測るには、エンジンをかけた状態で測定しなければならないので
これは あてにならない。

エンジンをかけてファストアイドルが納まってから測定してみた。
ATFはたぶん20度あたりだろう。量は25度測定域の最低ラインに油面がある。
かなり少ないだろうと予想していたが、思ったよりは、もれていないようだ。


量も把握したのでエンジン停止。
ATFをATFパンから抜く。

オイルパンを外した。
アルミ製のバルブホディ、楕円がたのATFフィルターが見える。
左隅のリンク機構みたいなのは、シフトレバーを動かしたときに動く箇所だろう。

このW202にはトルクコンバーターにATFドレンプラグがあったので、そこからもATFを抜く。
2000年製からはドレンプラグはないらしい。

オイルパン2.5L,トルコン2Lで 合計5.5Lほど抜けたATF。
沈殿カスとか、マーブル模様の鉄粉らしきものなどは見受けられなかった。

む~。
色からみてコレは相当長い間ATF交換してないのかな・・・。



ATFのしずくを落としきりながら、一方で漏れの原因であるソケットを交換する。

抜きました。赤いOリングが甘いのでオイルが漏れてくる。

新旧比較。
本当はこのOリングだけ交換すればよいのだが。

新しいメス側ソケットを7ミリボルトで取り付け、

次にオス側ソケットを差し込む。差し込むというより黄色いリングをぐいっとまわすと自動的に差し込まれる。
うまく出来てるものだ。

樹脂カバーをつけ、配線を固定。
これで漏れなければ良いが。

さて、さらに交換するもの。
ガスケット、ATFフィルター。
オイルパンもパーツクリーナーで洗浄。
糸くずひとつも残さずキレイにする。(オイルパン内部にマグネットはなかった)

8Nmで均等にパンを締め付け。ここはトルクレンチで。

新しいATF。純正を用意した。

車が走行できないこの時点では、6リットル入れた。
(ブレーキのパーツが未到着なので走行できない)

エンジンをかけ、25度と思われる測定域でMAX位置。
正確な量は、車が動かせる状態になってから
温間の80度域でもういちど測定することにする。

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さて
長らく交換されていないATFは交換しないほうがいいとか、
一気に全量交換するとたまったスラッジが一気に出てバルブボディの細い経路を詰まらせるとか、。
少しづつナラシながら替えていった方がいいとか、いろいろなことを読むが、
今回はあえてイッキに全量を交換した。
さてこのC200Tはどうなるか?
楽しみである。
少なくとも、先に試乗したときのATのつながり不具合は直ってほしいところ。


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2016.6.25追記
その後、車検を通し、乗ってみたところ、ATは問題なく稼動している。
変速のつながりも直ってしまった。
変速ショックも異常なく、変速のときに回転があがることも一度もない。
ATFの適量交換で、今のところ、乗り出し時点では問題なくなった。
もちろんATF漏れも直った。
この電子制御式5速ATはとても気に入った。
またしばらく1年ほど乗ったらATFでも抜いて点検してみようと思う。
追記終わり。