フロントのボールジョイント交換2011年11月16日 07時30分23秒

ストラットの下端、黄色線で囲んだところに自在に動く大きめのボールジョイントが使われています。
これも消耗品で、ガタが生じたり、ゴムのダストブーツが破けてしまったりします。
最悪ガタがあったりすると乗っていて足回りにシッカリ感がないし車検での検査に通りません。
前記事でのアッパーマウント交換でストラットを取り外したこの際に、一緒に交換です。
パーツ自体は、ドイツからの個人輸入で1個28ユーロ、ボルトナット込み。


「かん合」というはまりかたをしており、簡単には抜けません。
ここは3本爪のプーラーで力をかけてやると「バキン!」と音を立てて外れます。

えっとこれはもう新品に交換後の写真ですが、勘合を外すとこういう風になっています。の図。
ボールジョイント旧、新の比較。古いものはゴムブーツに破れが。
レストア時の2008年にゴムブーツだけ日本製の新品につけ換えておいたのに。3年でこうなっちゃうか・・・ううむ。
また、ボールジョイントのねじ部分ですが、サビサビになってしまっていることが多いと思います。
この部分は、ストラットで密閉されているとはいえ、やはり水が入り、ずっとそのままのことが多い部分なので、まず、このねじからナットを外すのに手間がかかる場合があります。
このボールジョイントは、やはり足回りの関節で大事な部分。人間で言えば足のくるぶしの関節みたいなもん。5~6年に一度は交換したい消耗品といえましょう。

で、ボールジョイントを新品に付け替えます。13ミリのボルトとナット3セットで。
割りピンを入れる穴があるのですが、適当な棒を差し込んでグイッと回し、この向きに直しておきましょう。
なぜかというと、コントロールアームを取り付けたときに、こんな風になり、
割りピンを差し込むスペースの関係上、この位置がいちばん差し込みやすいからです。
割りピンをニッパーやラジオペンチで苦労して曲げて、ナットの回り止めとします。
茶色に見える錆みたいなのは、スレッドコンパウンド。銅粉を混ぜたグリスみたいなもので、ねじが錆で固着してしまうのを防ぐケミカルです。次回ココを空けるときには、必ずサビでぐちゃぐちゃになってますので、固着防止の為に。このあと、サビ保護スプレーをしておきました。

これでボールジョイント交換はオワリ。
コントロールアームの合わせ目にもスレッドコンパウンド「Anti-Seize Compound」をつけて、
ストラット下端をここにはめます。

次回はやはり足まわりのオマケ整備で
スタビライザーバーのリンクのブッシュ交換です。



スタビライザーのリンク2011年11月16日 22時03分59秒

スタビライザー。
この言葉を知ったのは、池沢さとし先生の「サーキットの狼」を読んでいた小学生のときでした。
主人公のロータス・ヨーロッパがコーナリングで得意のドリフトがうまくいかない原因がココだったと思う・・・
レースの大事なときに、スタビライザーがおかしくなって(折れたんだっけか?)悪戦苦闘するという場面。
にしやんはソレがどんなパーツなのかも知らずに、とにかく車は走るが、曲がるときに困る部品なんだな、
とぼんやりと思っておりました。

BMW2002、マルニには前後アクスルにそれぞれスタビライザー・バーが使用されています。
ひん曲がった鉄の棒なんですが、これが左右の車輪を繋ぐことで、ねじれの力を利用して、コーナリング時の車体の安定性を確保するのですね。
下の画像はレストアしてるときのもので、柔軟性塗装をしたときのもの。

フロントのスタビライザー・バーはロワアームにゴムブッシュを介してリンクされています。

それが3年たてばこんなもんです。いえ、実は。
ここのブッシュは新品ではなく再使用でした。2,3年のうちに交換となるだろうということで覚悟はしていました。ここを新品に交換です。

はい、交換終了。
13ミリの工具でできますが、画像のように、スタビ・バーをジャッキで少し上げ気味にしてやらないとうまく取り付けできないですよ。
こんな感じでスタビ・バーとロワアームを同時に持ち上げることで、うまくリンクが取り付けできます。

で、ストラットをこのあと組み込みました。
さっそく、試乗。その日は日も落ちたので問題が無いかを確認しただけ。
そして、翌日通勤で乗った感想。
う~ん、やっぱ新品のゴムブッシュはいいわ~!!!
というのも。
ここ一連のアッパーマウント交換、このブッシュの交換で、運転中のフロントの感触ががすごくシッカリしたものになり、硬いゴムの上に載ってる感がハッキリ感じられましたのです。
逆にリアの挙動がが不安に感じられるぐらいに・・・
それに、マルニのフロント車高が若干上がったのは、アッパーマウントのせいでしょうね。
古いのは、だいぶヒビヒビで突き上げていたようですから。

整備の効果が体感できるのは、いいですね!
久々の足回り整備でメッチャ疲れましたが。

あと。

翌日の試乗にて、気づいたこと。
ハンドルの中立位置が若干、狂った。ブッシュのリンクやストラットを外したからだろうか。
タイロッドは触っていないけど、狂うんだな。
後日、フロントのトー調整が必要ですね。